↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女の戯れ  作者: 42
コミックマルシェ
PR
32/55

【3】

「やぁ、久しぶりだね。ローズ元気にしていたかい?」

 弾んだ声音が二つ。

 お土産だよ。

 と、微笑みながら。

 ブランド服の袋を多数、靴の箱多数。有名チョコレート店の紙袋や豪華な花束まで持参してきた男性二人は、同じ顔をしていた。

「紹介します……わたくしの兄達よ」

 少々距離をとりながら、そう言う。

「初めましての人もいるね。僕はフランソワ」

「初めまして。俺はフランシス」

 サラサラの金髪に緑の瞳。肌は白く、唇は赤く。絵に描いたような双子の王子に、依頼主は言葉を失う。

「その……先生。これで手を打ってもらえないかしら」

 上背問題なし。体格合格。顔は文句のつけようがない。

 ローズは、己が自由になる為に、実の兄達を生贄として捧げた。

 本当は、こんな手使いたくなかった。兄達には会いたくなかったから。ずっと避け続けていた。けれど、どうしても。どうしてもよ。譲れないもはあるのよ。

「——このお二人が、アーサーとアルトスを?」

「はい。わたくしのお願いならば、喜んで。と言ってましたので」

「正直に言っていいですか……?」

「え、ええ」

「面が良すぎ! 私の命が持ちません‼︎」

 あまりの容姿の良さに、直視できない。

 彼女は両手で顔を覆い隠す仕草。

「わかります。わかりますわ、先生。そう。まるで絵画から抜け出してきたかの様な——それでいて、双子という奇跡。さらに、見てください。あの距離感! あれが自然体。あぁなんて光景。わたくしの新たな扉を開いた元凶があれです! わたくし、それはもう自分の存在が邪魔でならなった。彼らの世界にわたくしは不要。そう。わたくしは無。わたくしは壁となって、ただ彼らの仲睦まじい姿を見るだけの存在になりたかった。このように、わたくしに花束なんて解釈違いなのです! 先生なら、わかっていただける筈です。もう二人だけの世界でずっと、いちゃついててくれって」

「——それは、そう!」

 意気投合し、二人はガッチリと握手をする。

「ありゃりゃ。盛り上がってるんだわ」

「やぁ、ルナちゃんも久しぶり」

「お久なんだわ。ところで仕事、大丈夫なん? 結構忙しいんじゃ?」

「愛する妹の頼みとあれば、仕事など些細な事だよ」

「大丈夫。速攻で片付けてきたから」

「相変わらず、妹萌え兄弟なんだわ」

 ま、一方通行なのが気の毒だけど。

「ところで、ルナちゃん。彼はどちら様だろうか?」

 双子の強い視線がルシアンに向く。

「あ、ルシアン・ロゼです。ここで一緒に働いてます。宜しくお願い致します」

「一緒に?」

「ローズと?」

 あ、これ、またあのパターン?

 ルシアンに過ぎるハロウィンの記憶。

 双子は微笑みを残しつつ、彼を見定めるように見ている。

「安心してよ。ルシアン君は、ローズのタイプじゃないから」

 言いながら、ルナはルシアンの肩を叩いた。

 急に思い人から触れられた彼は、頬を赤く染める。

 その姿を見た双子は、瞬時にルシアンはルナに気がある事を見抜く。

「ならば良しとしよう」

「そうだね」

 雰囲気が柔らかくなる。

「ちょいちょい、ルシアン君。いいかい? あの二人はローズの事となると、目の色変わるから十分気をつけた方がいいんだわ。知ってると思うけど、ああ見えて魔法庁お抱え魔法軍の軍団長だから。めっちゃ強いから。まじ強いから。怒らせないように。ローズにはあんまり近づきすぎないようにするんだわ。セコム発動しちゃうから」

 こっそり耳打ち。

「あ、うん。わかった」

 急に吹き出す汗を必死に抑えながらそう答える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。