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魔女の戯れ  作者: 42
マジックランプコモーション
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29/55

【6】

 ベルズは焦る。

 あんな小さい猫の使い魔のくせに、なんでこんな——。

「学がない。って——二回も言わせないでほしいんだわ。ちょっと魔法が使えるからって、過信しすぎなんだわ」

 強い口調。

「ランクも知らないあんたが、その辺で得た安い知識で、魔法使い気取り。本当、全然笑えない。言っとくけど——逃す気はないから。精々、抵抗すればいいんだわ」

 ルナは、あの日湖で披露した妖精を向ける。

 たかが、火の妖精。

 こんなもの蹴散らせばいいのに。

 あの日も、そう思いながら見ていた。

 魔法が使えない奴らは、大変だな。そう、思っていた。

 だが——。

「っ——な——俺の炎が」

 次元が違う。

 火の妖精に、炎は全く効果がない。むしろ、放たれた炎を吸い、一気に吐き出し返してくる。

「どんな欲望とて、人を殺めて良い理由にはならないんだわ」

 その言葉は、ベルズには届かない。

 踊り、踊り、踊り狂う。

 地の果てまでも追って来る妖精の相手をしているうちに、彼らが来ている事に気がつかなかつた。

「どんな塩梅かしら」

「こんな塩梅」

「あら。しっかりと足止め出来て偉いわね、あの妖精ちゃん達」

「当たり前。それで、連れて来てくれた?」

「勿論。ルシアンがちゃんと見ててくれたから場所もすぐ分かったわ」

 ローズ達の後ろから、魔法局の白い制服。

「後は頼むんだわ」

「うむ。協力、感謝する」

「いいよ。ちょっと、派手にやっちゃったし」

 穴の空いた砂漠に視線を移す。

「構いません。少々手荒でもとお願いしたのは私達ですから。今回の事は、国からもお達しがありましたので」

「そっ。はい、これ。本物の魔法のランプ」

「確かに」

 遺物は、丁寧に木箱に仕舞い込まれ、厳重に鍵を施された。

 こうして、魔法のランプを巡った騒動は幕を閉じる。

 

 

 ベルズは魔法局に捕縛された。

 後に、魔法剥奪の処分の上、諸々の罪でアムール国に引き渡された。

 本物の魔法のランプは、魔法庁に寄贈され遺物として再び長い眠りについた。

 今回の一件で、国は悪人を厳しく処罰した。それでも、湧いて出て来るのが悩みの種だという。

 仕方ないんだわ。

 人間の欲ってのは底知れないからね。

 欲といえば、そうお金。

 魔法のランプの謝礼金として、一億ゴールド提示されたけど、断った。多すぎるってね。一人百ゴールドで手を打ち、残りは遺族に渡してと言った。必要な人に渡らないのは、可笑しな話なんだわ。 


 追記

 クロたんの愚弄、まじ許すまじ。

 ルナは、行きよいよく走らせたペンを置く。

「クロたんは、あたしがあの姿でいさせてるだけだってーのー。もー」

 一人の部屋に不満は漏れた。

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