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魔女の戯れ  作者: 42
マジックランプコモーション
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26/55

【3】

 動きをみせたのは、アムール国に入る手前にある湖の付近を通りかかった時。

 月夜に乗じて。

 なんて、いたって平凡的。人目につかず、かつ湖なんて沈めてしまえばなんとやら。

 道中は、極力人のいる所を通って来た甲斐もあり、仕掛けてくるならここだろうなと予想はしていた。

 命を奪うき満々。

 剣や弓といった武器を手に、ざっと二、三十人。その中には、何人か魔法使いも混ざっている。途中で雇ったのがみえみえ。

「あらま。囲まれちゃったわね」

「そうだねー」

 魔法のランプ。

 これほどに人を狂わせる、魔性。

「おーい。そこの魔法使いー。あたしはⅤ。ちなみにーこのパーティーにⅣ以下はいませーん。逃げるなら今だよー。手加減とかー出来ないからー早くー帰ったほうがー身のためだよー」

 大声でルナは叫ぶ。

「え? 俺はまだ——」

「しっ」

 ローズがルシアンを遮る。

 これは、ルナなりの警告。

 金で雇われたであろう魔法使い。賢い人なら、こんな詐欺まがいな仕事請け負わない。免許に傷がつく。

 魔法使い達には、ルナの言う数字が何を意味しているのかすぐに理解出来た。

 魔法を扱う者にとって、その数字はランクを表す。ランクは、免許証の色よりも重大。

 魔力量や魔法技術、知識。その全てにおいて総合的に優れた順に五段階。ランクⅤはその最上位。ピラミッド式に、一般的な魔法使いはランクⅠから良くてⅢ。

 ざわめき始める。

「——残念なんだわ」

 弾け 騒げ 唄え

「レッドピクシー」

 ルナの魔法は、小さな妖精を無数に作り出した。その一つ一つが炎で形取られ、生きているかのように、甲高い声を上げている。

 炎を出す。なんて単純な魔法じゃない。

 雇われ魔法使い達は、十分すぎる程の実力差を見せつけられ、その場から飛んで逃げ去る。

「さてさて。悪いけど、この子達はまだ騒ぎ足りないらしいんだわ。——相手、してくれるんだよね?」

 ただの人間に、魔法を防ぐ術はなく。妖精達には剣も弓矢も効かず、ただただ追いかけ回される。満足した妖精は、前触れもなく弾け消えるも、その火力は凄まじく。湖に避難するも、水中まで追いかけてくる始末。

 狂騒の夜は、魔女の圧勝で幕を閉じる。

 

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