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魔女の戯れ  作者: 42
漢気ハロウィン
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19/55

【1】

 魔女にとって、一年で一番の大イベント。それがハロウィン。

 クリスマス? ノンノン。

 魔女が最大限輝けるのは、やっぱりハロウィンなんだわ。という事で、この時期は超のつく大忙し。依頼のお仕事もお休みせざるをえない。

 麓の町で装飾や仮装衣装作製のお手伝い。城では、訪れる子供達にお菓子を配り、ハロウィンパーティでは、箒に乗って空から舞い降りる大事な演出を任される。

 これが、また盛り上がるんだわ。

 飲んで食べて踊って。

 広間は仮装した人で大盛況。

 ってな事で、明日の本番に向けて、今日もドタバタなんだわ。

 ルナ達は、城の入り口の装飾に勤しんでいると、突然チャイムが鳴り響く。

「あー今手が離せないんだわ。ルシアーン。ちょっと出てー」

「はーい」

 一番近いルシアンは、カゴを床に置き、扉を開ける。

「トリックアトリーーーーーート‼︎」

 耳を劈く大声が響き渡る。

「あれ? 君、だれ?」

 見下ろされているルシアンは、目の前の人物が誰か分かり、口をぱくぱくする。

「お菓子がないなら——悪戯しちゃうぞ」

 にっこりと微笑んでいるが、目は笑っていない。

 や、やられる——

「それは明日。よって無効の為、罰を与えまーす。ルシアン、屈んで避けろー」

「え——」

 振り返ると、巨大な火の玉が向かってくる。咄嗟に屈んで避けたものの、当たってないかそっと視線を上げる。

「ははっ。火力高いなールナちゃん。元気そうだね」

 無事だった。

「このくそ忙しい時期に来るなんて、常識置いてきたのかー」

「それは、つまり非常識って事かな?」

「そうだよ。ハロウィンだよ、ハロウィン。非常識以外の何者でもないんだわ」

「娘にそんなに言われるなんて、パパ泣いちゃう」

「おー泣け泣け。泣いたら、さっさと帰れ」

 目も合わせず、ルナは手を動かし続ける。

 ルシアンは気まずさのあまり、しゃがんだまま動けない。

 えっと……やっぱり、この人魔法庁の——どうしよう。俺、どうすれば?

「ミハイル様。どうぞ中へ——お茶とお菓子をご用意致します」

「……ああ、頼むよクロ」

 少しだけ肩を落としたその男を、クロはいつものように案内をする。

 二人の姿が見えなくなると、ルナは大きなため息を零す。

「はぁったく。来るなら事前に連絡入れてほしいんだわ。ルシアンくーん。うずくまってないで、早く装飾やっちゃお」

「あ、はい」

 ぶつぶつと文句を言い続けるルナと、血の気が引いているルシアンは、急いで飾り付けを終わらせる。

 

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