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魔女の戯れ  作者: 42
太陽の花
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【6】

 太陽が昇り、辺りは陽の光に包まれる。夜通し死守した太陽の花。陽の光が当たると、その輝きは、まるでなかったかのように同化し、薄れゆく。

 太陽の花は見つけづらい。

 その通りだ。

「はい、みんなこれかけるんだわ」

 手渡されたのは、サングラス。

「ほら、ジョン。見えるだろ? その手で摘むんだ」

「うん——」

 陽の光が遮られた暗い視界に、太陽の花は輝く。

 そっと小さな手で花を摘む。

「——うっ」

 感極まって涙が溢れる。

「全く。君は泣き虫なんだわ。さて、材料も揃った事だし下山するんだわ」

 ルナはジョンから太陽の花を受け取ると、瓶に大切に保管し封を施す。

「あの——私達は?」

 縄に縛られたままの、あの賊達。

「——好きにすればいいんだわ」

 冷たく言い放つ。

「え? いいのか? このままで。縛ったままだよな……」

「自業自得ってやつさ。別に、使い魔だっているんだし。なんとかなるんだわ。それに、ほら。免許証見て名前控えてあるし。下山したら通報するんだわ」

 にやりと微笑む。

「月の雫を狙う辺り、少々嫌な匂いがしますしね。魔法庁の耳に入れておいた方が良い案件かもしれないわ」

 そんなものなのか。

 ルシアンは首を傾げる。


 下山は、それはスムーズに。足を使わず箒で一気に降りた。

 何故、登りは徒歩だったのか疑問だったが、それもジョンを試しての事だった。

 やり切れるかどうか。

 命をかける。これが本意かどうか。

 ジョンは見事に自分の手で太陽の花を摘み取った。

 城に戻った後は、太陽の花を使って薬を調合し、出来立ての薬を持って、家族の待つ家へ向かう。

 そして、その薬を飲んだ妹の顔色は嘘のように血色を取り戻し、丈夫な体へと変化した。

 母親とジョンと妹。彼らが抱き合って喜び、何度も何度も頭を下げて礼をする姿に、胸が熱くなる。

 あぁ——こうゆうのいいな。

 素直にそう思う。

 帰り際、ジョンはルシアンの手を掴み、お兄ちゃんかっこ良かったよ。と伝えた。

 思ってもいない言葉に歓喜する。

 

 三人が城に戻ると、ルナはルシアンに言い渡す。

「明日から、魔法の特訓なんだわ。ブランクあるのは分かるけど、加減くらい出来なきゃ困るんだわ」

「あ、はい。頑張ります!」


 ルナは記す。

 太陽の花。

 毎年、同じ場所で採取してたけど、今回ので場所知られたの痛手。

 見つけるの苦労しただけに、まじ許すまじ。でも、ま、面白い発見もあった事だし。良しとするんだわ。

 追記

 笑って毒吐ける人は、超怖い。

  

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