【6】
太陽が昇り、辺りは陽の光に包まれる。夜通し死守した太陽の花。陽の光が当たると、その輝きは、まるでなかったかのように同化し、薄れゆく。
太陽の花は見つけづらい。
その通りだ。
「はい、みんなこれかけるんだわ」
手渡されたのは、サングラス。
「ほら、ジョン。見えるだろ? その手で摘むんだ」
「うん——」
陽の光が遮られた暗い視界に、太陽の花は輝く。
そっと小さな手で花を摘む。
「——うっ」
感極まって涙が溢れる。
「全く。君は泣き虫なんだわ。さて、材料も揃った事だし下山するんだわ」
ルナはジョンから太陽の花を受け取ると、瓶に大切に保管し封を施す。
「あの——私達は?」
縄に縛られたままの、あの賊達。
「——好きにすればいいんだわ」
冷たく言い放つ。
「え? いいのか? このままで。縛ったままだよな……」
「自業自得ってやつさ。別に、使い魔だっているんだし。なんとかなるんだわ。それに、ほら。免許証見て名前控えてあるし。下山したら通報するんだわ」
にやりと微笑む。
「月の雫を狙う辺り、少々嫌な匂いがしますしね。魔法庁の耳に入れておいた方が良い案件かもしれないわ」
そんなものなのか。
ルシアンは首を傾げる。
下山は、それはスムーズに。足を使わず箒で一気に降りた。
何故、登りは徒歩だったのか疑問だったが、それもジョンを試しての事だった。
やり切れるかどうか。
命をかける。これが本意かどうか。
ジョンは見事に自分の手で太陽の花を摘み取った。
城に戻った後は、太陽の花を使って薬を調合し、出来立ての薬を持って、家族の待つ家へ向かう。
そして、その薬を飲んだ妹の顔色は嘘のように血色を取り戻し、丈夫な体へと変化した。
母親とジョンと妹。彼らが抱き合って喜び、何度も何度も頭を下げて礼をする姿に、胸が熱くなる。
あぁ——こうゆうのいいな。
素直にそう思う。
帰り際、ジョンはルシアンの手を掴み、お兄ちゃんかっこ良かったよ。と伝えた。
思ってもいない言葉に歓喜する。
三人が城に戻ると、ルナはルシアンに言い渡す。
「明日から、魔法の特訓なんだわ。ブランクあるのは分かるけど、加減くらい出来なきゃ困るんだわ」
「あ、はい。頑張ります!」
ルナは記す。
太陽の花。
毎年、同じ場所で採取してたけど、今回ので場所知られたの痛手。
見つけるの苦労しただけに、まじ許すまじ。でも、ま、面白い発見もあった事だし。良しとするんだわ。
追記
笑って毒吐ける人は、超怖い。




