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魔女の戯れ  作者: 42
太陽の花
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【4】

 早朝。

 大きな隈を作ったルシアンは大きなあくびをする。

 こんな雑魚寝で寝れるほど、俺は出来ていない。

 いつもは違う部屋だから、まだ。まだ何とか耐えられている。

 けど、こんな。こんな——同じ空間に。しかも寝返りまで分かる距離は——無理!

 一人外で朝食を作る彼の姿に、クロは声をかける。

「お手伝いしますよ」

「あ、ありがとう」

「——眠れませんでしたか?」

「え、あ、うん。でも、大丈夫。元気だよ」

「すみません。ルナ様は、少々奔放なもので。ローズ様は、幼少期からの友達ですからよくご理解いただいてますが。どうかご容赦を」

「だ、大丈夫です。そのうち、慣れると、思います。多分」

「——頑張ってください」

 クロは密やかに応援の言葉を送る。

 

 その後は朝食を済ませ、テントを片付け、山頂を目指す。

 二日目だ。

 何とか登りきらないと、太陽の花を探せない。

 ジョンを気遣いながら、時折休憩を挟みながら細道を進んだ。

 小さな体で、ジョンは本当によく頑張った。大人でも音を上げる山道を、必死で喰らいつく。

 岩肌が見える所まで到着し、ここで休憩をしようと提案するも、ジョンは探さないといけないからと断った。

 意地を見せる少年に、大人達は彼をサポートしながら山頂まで一気に登った。

 太陽は沈み、月の雫へと変わった花を、必死に探す。

 発光している。

 それを手掛かりに、岩肌を懸命に見て回るも、花はどこにも見つからない。

「……っ」

 ジョンは涙を手で拭い、負けそうな自分と戦いながら、両手が傷つきながらも探し続けた。

「——いい根性なんだわ」

 その姿を後ろから見ていたルナはそう呟く。それから、一人ふらりと姿を消し、岩場の陰にて魔法を使う。

「さて。たまには魔女らしくいきますか」

 杖を取り出し、岩と岩の隙間に向ける。

 ——歌え大地。芽吹け命。太陽の祝福を。

「スパークルブルーム」

 ルナの魔法で、何もない岩肌から、突如光輝く花が生まれた。その花びらは、太陽のような形をしている。

「前の種が残ってて良かったんだわ。おーい少年! こっちへおいで!」

 ルナは少年を呼びつける。

 その花を見た瞬間、嬉しさが込み上げた。ジョンは堰き止めていた感情が一気に流れ、人目を気にせず泣き始めた。

「まだ、収穫しちゃだめ。太陽が登ってからなんだわ。オーケー?」

 今は月の雫。猛毒だ。

 そう。猛毒。故に——。

「ちょっと待った! その月の雫は私達が貰い受ける」

 突如響いた、ちょっと待ったコール。

 乱入者が現れたことにより、花の争奪戦が突如幕を開ける。 

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