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魔女の戯れ  作者: 42
太陽の花
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【3】

 人の手が加えられていない割には、道がある事に驚く。

「えーっと。前に来た道残ってるかなー」

 以前にも来た事がある口ぶり。

「あっちじゃなかったかしら」

「あーそうそう。そんな気がするんだわ。それじゃ、付いてきてー」

 ルナは先頭に立ち、道案内をする。

 目の前の開けた道から遠ざかり、右へ迂回する。何の目印もない草むらの前で立ち止まり、あたりを見回してから草むらをかき分けて入っていく。

 伸び放題の草は体に纏わりつき、小さな体のジョンは完全に埋もれている。

 ジョンとしっかりと手を繋ぎながら、ルシアンはルナの後を追う。

 しばらく草むらを歩くと、少しだけ開けた場所にでる。

 周りは木々に囲まれ、その合間に人が一人歩ける程度の小さな小道が見えた。

「ここから行くのか?」

「正解。でも、今から歩いても途中で夜になるからね、今日はここにで野宿。ちょっと狭いけど我慢我慢。月の雫に変わってしまっては意味がないんだわ」

「月の雫?」

「学校で習っただろー。太陽の花は太陽の下では病を治す万能薬。月の下では死を呼ぶ薬。別名月の雫になるって。つまり、収穫する時間を間違えると取り返しのつかない事になるんだわ。見つけやすいのは夜なんだけどね。あの花発光してるから。昼間は見つけづらいんだわ。それに、よくない事に、月の雫を悪用する連中もいるから、日に当たる前に刈られちゃう事もある。太陽の花が入手困難な理由はまーこんなところ。元々少ないのにさらには争奪戦。——その辺は覚悟しといて欲しいんだわ」

 不安を煽る。

 要は、取り合いになったら戦わないといけないから、覚悟しとけよ。と遠回しの忠告。

 この動きやすい服装はその為かと、この時初めてルシアンは理解した。

「それはそれとして。ほら、暗くなる前にテント張るわよ。男子、手伝いなさい」 

 テキパキと慣れた手つきで野営を組み始めるローズの指示で、ルシアン達は寝床を組み立てていく。

 寝所の次は、簡易の風呂場。その次は夕食のカレー作り。

 食後は、明日のためにと早々に床についた。

 見張りとして、獣達は夜通し交代で主人達を守った。

 

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