【1】
琥珀色の瞳で鏡に映る自分を見つめる。
ピンクの髪は、相変わらずくせっ毛。
薄っすらと散らばるそばかすは、コンプレックス。
指で軽く摩り呟く。
「これ、なんとかならないかなぁ」
消えないのは分かっていても、気になる。
ローブ姿のルシアンは、魔法使いらしさを醸し出している。
「よし! 行くか」
ここに来て、初めてのお仕事に気合いを入れる。
二階にある自室を後にし、客間へ向かう。中に入ると、そこには既に全員揃っていた。初めてだから、まずは見ているだけで良いと言われていたが、まさか。
相手があまりにも小さく驚く。
何日も着ていたであろう服は、汚れが目立ち、学校に行っている時間に訪れた事から、家庭の事情が垣間見える。
そんな少年は、もてなしを受け、少し落ち着いた後だった。
大人達に見守られながら、少年はしどろもどろになりながら、その願いを話し始める。
途中で泣き出す少年の話を纏めると、どうやら病気の妹を助けたいが、母子家庭では入院は難しく、薬を買うのも精一杯。自分は学校に行かず、妹の面倒を見ている。といった所。
これでお願いします。と、一生懸命に貯めた小銭を震える手で差し出した姿に、ルシアンは心を痛める。
とても、どうにか出来る金額ではない、その小銭を、ルナは一枚づつ綺麗に並べる。
「手術を受けるのが最適解なんだわ。本当だったらね。でも、現実は残酷さね。お金が無ければ病院にも行けない。魔女に縋りたくもなるってもんさ。知ってるかい? 魔女の薬は、病院で手術を受けるよりも高いんだわ。何せ、体に傷が残らない。薬を作る為の材料を集めるのが大変な事と、それを調合する技術がないといけないんだわ。免許も要る。妹さんを助けるには、万病に効くとされる、太陽の花が必要。だけど、まぁ、これがなかなかに希少。とても、この小銭では、どうにもならないんだわ」
冷たく、残酷な事実を告げると、少年は涙を流し、肩を震わせながら俯いた。
「——命だよ」
ルナは続けた。
「妹を助ける為に、命をかけれるかい?」
「ちょっと、流石にそれは——」
ローズは口を挟む。
「——覚悟の問題なんだわ。あたし達じゃなくて、ジョン。君に太陽の花を採ってもらう。ただ調合するだけなら、この小銭プラス出世払いで引き受ける。でも、さっきも言った通り、太陽の花はとても希少。何処にでも生えているものじゃない。それに、その山には危険も沢山ある。見つけられない可能性だってある。それでも、やる覚悟があるかい?」
ルナの提案に、少年は何でもやる。と、強い意志を示した。
「契約成立なんだわ」




