↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

78/79

第3クール☆ 第12話:海風


土地が決まってから、四人は、家づくりに奔走していた。


「――よし、土台はこんな感じかな」


スターが、図面を片手に、指示を出す。


「わたし、資材運ぶの手伝う!」


きあが、意外にも、力仕事を率先して引き受けていた。


「僕、細かい作業、得意なので……! 窓枠とか、任せてください」


ようたが、丁寧な手つきで、木材を組み上げていく。


「僕は、風で、資材を運ぶの、手伝えます!」


ファードが、軽やかに、荷物を宙に浮かせながら、運搬を手伝っていた。



---


作業は、思いのほか、順調に進んでいった。


「――お前ら、随分、息が合ってきたな」


ある日、様子を見に来たスターが、感心したように呟く。


「まあ、これも、修行のうちだよね」


きあが、額の汗を拭いながら、笑う。


「みんなで、一緒に何か作るの、楽しいです」


ようたも、満足げに、微笑んでいた。



---


数週間後。ついに、丘の上に、小さいながらも、温かみのある家が完成した。


「――できた……!」


四人は、完成した家を前に、しばらく、言葉を失っていた。


「僕たちの、家だ……!」


ファードが、感極まったように、声を上げる。


「やったね、みんな!」


きあが、飛び上がって喜んだ。


「……ようやく、ですね」


ようたも、涙ぐみながら、家を見上げていた。


「――いい仕事したな、俺たち」


スターも、珍しく、満足げな笑みを浮かべていた。



---


その日の夜、四人は、さっそく、大事な相談を始めた。


「――ねえ、この家、みんなにお披露目しない?」


きあが、提案する。


「アイザルの、みんなを呼ぶってこと?」


「うん! せっかくだし、お祝いしたいなって」


「いいね、それ!」


ファードも、賛成する。


「――連絡、しておくよ」


スターが、静かに、頷いた。



---


数日後。丘の上の家に届いた手紙を受け取った師匠が、うへへ、と笑った。


「――お前ら、ちゃんと、やり遂げたんだな」


エナガも、あけびも、チアも、それぞれ、嬉しそうに、手紙を覗き込んでいた。


「行きましょう、みんなで」


エナガが、微笑みながら、言った。


「もちろんだよ! お祝い、準備しなきゃ!」


あけびも、張り切った様子で、準備を始めていた。


「――ふん、まあ、たまには、いいだろうな」


チアも、口ではそう言いながら、どこか、嬉しそうな表情を浮かべていた。



---


丘の上の、新しい家に向かって、アイザルの四人は、静かに、旅立った。


その先で待っているのは、これまでの旅の集大成――そして、まだ語られていない、大切な話。


新しい季節の風が、彼らの背中を、優しく押していた。

ノシ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。