第3クール ホシ第11話:潮の香りがする街
家探しの旅も、随分と長くなっていた。
「もう、何軒目だろ、これ」
きあが、疲れたように、道端に座り込む。
「うーん、なかなか、ピンとくる場所がないね」
ファードも、少し肩を落としていた。
そんなある日、四人は、これまで訪れたことのない、新しい土地へと足を伸ばした。
「――なんか、風が違う」
先頭を歩いていたスターが、ふと、足を止めた。
「え?」
「潮の匂いだ。……この先、海があるんじゃないか」
「海!?」
きあの目が、一瞬で輝いた。
「行こう行こう!」
---
丘を登りきったところで、四人の目の前に、広大な景色が広がった。
眼下には、賑やかな街並みと、その先に広がる、きらきらと輝く海。
「――わぁ……」
ようたが、思わず、声を漏らす。
「すごい……! こんな景色、初めて見た……!」
ファードも、目を丸くしていた。
「……いいな、ここ」
スターが、静かに、海を見つめながら、呟いた。
---
四人は、街に降り、辺りを歩き回った。
活気ある市場、賑やかな人々の声、潮風に揺れる旗。これまで訪れた、静かな村や、荒涼とした土地とは、まるで違う空気が流れていた。
「なんか、ワクワクする街だね!」
きあが、はしゃぎながら、あちこちを見て回る。
「食べ物も、美味しそうなのがいっぱい……!」
ファードも、屋台の匂いに、目を輝かせていた。
「僕、こういう、賑やかな場所、実は好きかもしれません」
ようたが、控えめに、それでも、嬉しそうに呟く。
---
街の外れ、少し小高い場所に、空き地があった。
「――ここ、どうかな」
スターが、その場所を指差す。
海が見渡せて、街からも、ほどよい距離。静かだけど、孤立しすぎてもいない、絶妙な立地だった。
「わぁ、いいね、ここ!」
きあが、真っ先に、賛成する。
「うん、僕も、ここがいいと思う!」
ファードも、大きく頷いた。
「僕も……ここなら、みんなで、いい家が作れそうな気がします」
ようたも、静かに、微笑んだ。
「――決まりだな」
スターが、満足げに、頷いた。
---
その夜、宿に泊まった四人は、興奮冷めやらぬ様子で、今後の計画を話し合っていた。
「家、どんな感じにする?」
「みんなの部屋、それぞれ欲しいよね」
「あと、庭も広めに取りたいです……!」
「海が見える窓、大きいのがいいな」
四人の声が、夜遅くまで、賑やかに響いていた。
窓の外には、遠く、街の灯りと、静かな波の音が、優しく重なっていた。
新しい居場所への一歩が、確かに、始まっていた。
ノシ




