第3クール ☆第10話:アイザル頂上決戦!!
弟子たちが旅立って、数日。
いつもより静かになった家の中で、あけびが、ふと言い出した。
「――なあ、暇だし、誰が一番強いか、はっきりさせない?」
「は?」
エナガが、怪訝な顔をする。
「いや、ずっと気になってたんだよね。師匠は別格として、僕とエナガとチア、誰が一番なんだろうって」
「――面白いこと言うな」
チアが、意外にも、乗り気な様子を見せた。
「俺は、負ける気しないが」
「あら、言うじゃない」
エナガも、不敵に笑う。
その様子を見ていた師匠が、うへへ、と笑った。
「いいじゃないか。私も混ぜてくれ」
「え、師匠も!?」
「たまには、こういうのも悪くないだろ。……ただし」
師匠は、指を一本立てた。
「デラードなし。素の実力だけで、勝負だ」
「「「――!」」」
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広々とした庭に、四人が向かい合う。
「ルールは、シンプル。……最後まで立ってた奴の勝ちだ」
師匠が、軽く杖を回しながら言う。
「行くわよ!」
エナガの号令と共に、戦いが始まった。
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真っ先に動いたのは、あけびだった。
「まずは、様子見!」
あけびが、素早くチアに向かって距離を詰める。
「――甘いな」
チアが、冷静に、ゼハス・メルダを展開する。無数の光のクロスが、あけびの周囲を切り裂いた。
「くっ……!」
だが、あけびは、その隙間を縫うように、なんとか懐に潜り込む。
「――アーク・ボルト!」
雷を纏った一撃が、チアの防御をわずかに揺らがせた。
「やるな」
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一方、エナガは、離れた場所から、冷静に戦況を見極めていた。
「……二人とも、消耗してきたわね」
エナガが、静かに、杖を構える。
「――ウィンズァイヤー」
圧倒的な風の奔流が、あけびとチア、両方を巻き込むように放たれた。
「な……!」
「くっ……!」
二人が、同時に、後方へと吹き飛ばされる。
「漁夫の利、いただき」
エナガが、不敵に笑った。
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だが、その隙を、じっと見ていた師匠が、静かに動いた。
「――お前も、隙だらけだぞ」
「なっ……!?」
いつの間にか、師匠は、エナガの目前に迫っていた。
「うそ……! 全然、気配がしなかった……!」
「まあ、これくらいはな」
師匠は、軽く杖を振るう。それだけで、エナガの足元が、大きく揺らいだ。
「くうっ……!」
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「――このままじゃ、まずいな」
体勢を立て直したチアが、あけびに、目配せをする。
「エナガ、一時休戦しよう。まずは、師匠をなんとかしないと」
「……いいわね、それ」
エナガも、悔しそうに、頷いた。
三人が、一斉に、師匠へと向き直る。
「――行くわよ!」
「僕も!」
「俺も加勢する」
三対一の構図が、出来上がった。
「うへへ……。仲良くなったな、お前ら」
師匠は、楽しそうに笑いながら、迎え撃つ体勢を取った。
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三人の連携攻撃が、次々と、師匠に襲いかかる。エナガの光線、あけびの連撃、チアの精密射撃――全てが、絶妙なタイミングで重なり合っていた。
「これは……!」
師匠が、初めて、わずかに、表情を引き締めた。
だが――
「――まだまだ、甘いな」
師匠の姿が、一瞬、ぶれた。
「な……!」
三人の攻撃は、全て、空を切っていた。
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しばらくの攻防の末――
「――はぁ……はぁ……」
三人とも、既に、肩で息をしていた。師匠だけが、涼しい顔で、その場に立っていた。
「まあ、こんなもんか」
「くっ……! やっぱり、勝てない……!」
あけびが、悔しそうに、地面に膝をつく。
「……次は、絶対、負けないから」
エナガも、荒く息をつきながら、呟いた。
「――ふん」
チアも、悔しそうに、拳を握りしめていた。
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「まあまあ、そう悔しがるな」
師匠が、笑いながら、三人に手を差し伸べる。
「お前ら、随分、腕を上げたよ。……この分なら、いつか、私を超える日も、そう遠くないかもな」
その言葉に、三人の表情が、少しだけ、緩んだ。
「――絶対、超えてやるわよ」
エナガが、不敵に笑う。
「その意気だ」
夕暮れの庭に、四人の、賑やかな笑い声が響いていた。
弟子たちがいない、静かな日々の中にも、確かな絆が、育まれていた。




