13話 パラレルですかい?
なんかめんどい話になりますが、基本的に何も考えなくて大丈夫です。
詩乃ver
ニシくんは半べそをかきながらケイにしがみつく。
「旦那ぁ!あっしのこと覚えてないんですかい?」
「うん、ごめんね?西くんのこと、思い出せるように努力するよ」
謝罪の意と、慰めのために西くんの肩に手を置くケイ。
「こんなの旦那じゃない!もっと目が腐ってて目が合うと『あ?殺すぞ?』とか言いつつ助けてくれる旦那じゃない!それとあっしは西じゃなくて西条ですよ旦那!ほら!」
「...本当に前の僕ってどんな人だったの?」
「...西条?じゃあ君が西条組のトップ?」
話を聞いていたネコくんが、何か知ってるように話に割って入る。
「へ?ネコの姉御、うちの組の知ってるんですかい?」
「姉御って...知ってるも何もアズマと一緒に潜入してたんだよ。バンジョーの襲撃にあっておじきと龍さんしかもう生きてないけど...」
「...まあ、お天道様に背を向けて生きて来た人間たちですから。あっしを含めて楽には死ねないですね。おじきと龍さんに関しては本当にありがとうございやす」
「あいつはまだ15歳だから、悪いことはまだ何もしてない。あいつだけでも真っ当に生きて欲しいっておじきが言ってたよ?まさかそれがニシくんだったなんて...」
肩を落とすニシくんにネコくんが優しく声をかける。
「...でもそうなると旦那が組の仇取ってくれたってことじゃないですか!やっぱり旦那は流石だぜ!」
急に明るくなり、ケイの手を取って感謝する。
ニシくんはケイ系の人物みたい(アホ系)
「ちょーっと待った」
「どうしたんですか、菜奈さん」
「うん、なんかゴタゴタで詳しく聞けてなかったけど、アズマくんとニシくんって本当に知り合い?」
「何を言うんですか高橋の姉御!俺の顔に刻まれた傷が旦那の証拠です!」
「うーん、でも君とアズマくんっていつ知り合ったの?」
「みなさんの学校が燃える2週間ぐらい前でさぁ」
「え?その時が最初なの?」
「へい、そこから1週間ぐらい一緒に行動して、旦那がいなくなったと思ったらみなさんの学校が燃えてやした。あっしはてっきり旦那が燃やしたもんだと...」
「僕、燃やしそうな人だったの...?」
どこか噛み合わない会話をしながら、詳しい話を聞いていく。
ニシくんとケイはパンデミック発生後に会って、感染者の力を使って調子に乗ってたニシくんをケイが初対面でボッコボコにしたらしい。
彼が話すケイの人物像はたしかに同一人物に聞こえるが、どうしても、私たちの知っているケイより残酷にも聞こえる。残酷というか、容赦がない感じ...
「なるほど、ニシくんが嘘ついてるとは思えないわね...でも、ありえないのよ。ニシくんが一緒にいたと言ってる期間中は、アズマくん学校にいたもの。それにまだパンダに噛まれてないから感染者のニシくんに勝てるとも思えないし...」
「...ふむ、ちょっといいですか?」
全員がハツメちゃんの方を見る。
ハツメちゃんの手には球体のようなものがあった。
あれは...
「これ、タイムマシンなんですけど、もしかしたらニシ氏が会ったアズマ氏は別の時間軸から来たアズマ氏かも知れません」
「...すいやせん、あっし高校出てないんでもう少し分かりやすくお願いできやす?」
そこからハツメちゃんはパラレルワールドについて話してくれた。
「こほん、例えば今から私が手を挙げます」
そう言いながら右手を上げるハツメちゃん。
「今は右手でしたが、左手を上げた場合の世界もあるということです」
「「「?」」」
「まあ、一つの行動で無数に分岐していくってことですね。ニシ氏が会ったアズマ氏は、我々の知ってるアズマ氏より荒んだ世界線から分岐点に戻ってきたのかも知れません」
「「「?」」」
「誰か1人でもパラレルアズマ氏に会ってたら確証が持てるのですが...」
パラレルね...未来から過去に戻って、未来について知ってるようなケイなんて会ったことーーー
「あ、あー!!!」
全員が驚いたように私を見る。う、いきなり大声を出したのが恥ずかしい。
「どうしたの詩乃ちゃん?」
「私、会ってるかも...パラレルのケイに」
「「「ええっ!?」」」
一体いつなんだ!?
(すっとぼけ)




