第57話 立ち上がる南東
南東諸侯連合は、静かに動き始めた。
「再建計画、提出済み」
ユーリが報告する。
「担保率三割へ引き上げ」
「監査受入れ」
「準備金積立開始」
私は頷く。
「限定接続は?」
「承認待ちです」
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市場は、まだ冷たい。
「保証がない」
「危険だ」
南東信用証は、低い価格で取引される。
だが――
止まってはいない。
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南東本部。
リア・ゼンナーは、机に向かっていた。
「保証はない」
彼女は言う。
「だからこそ、自分たちで積む」
「市場は信じません」
側近が言う。
「信じさせる」
彼女の声は静かだ。
「毎週公開する」
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第一週。
準備金積立報告。
第二週。
担保契約更新。
第三週。
外部監査結果、公開。
市場は、疑いながら見る。
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ヴァルハイム。
ソフィアが呟く。
「……本気ですね」
エレナが答える。
「保証がない方が、強い」
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北方同盟。
「南東、持つか」
ヘンリクが問う。
「流通量は微増」
「では見守る」
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辺境伯領。
カイルが言う。
「時間がかかります」
「ええ」
私は答える。
「それが価格です」
「中央なら、一瞬で止められた」
「そして依存を生む」
沈黙。
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四週間後。
南東信用証の価格が、わずかに戻る。
流通量、微増。
保証はない。
だが実体が積まれている。
市場は、徐々に区別し始める。
“見せない信用”と
“積む信用”。
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夜。
私は、報告書を閉じる。
分散は、遅い。
だが――
強制しない。
南東は、救われなかった。
だが、立っている。
ユーリが小さく言う。
「……成功ですか」
「まだ」
私は答える。
「立ち続けられるかどうか」
窓の外、灯りが増えている。
信用は、保証ではない。
行動だ。
中央を作らなかった。
だから――
立ち上がる余地が残った。
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