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断罪された悪役令嬢ですが、帳簿を燃やした王都が先に滅びそうです 〜追放先の辺境で実務改革を始めたら、国家より信用が強くなりました〜  作者: 篠宮しずく


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第103話 選ばせろ

「選択は禁止する」


その言葉は、


これまでで一番重かった。


---


港。


---


外洋の監査官が、


一歩前に出る。


---


「すべての取引は」


---


「外洋保証を使用せよ」


---


沈黙。


---


「例外は認めない」


---


それは、


命令だった。


---


ざわめきが広がる。


---


「……つまり」


---


「全部外洋を使えってことか」


---


誰かが呟く。


---


「選ぶな、ってことだ」


---


別の誰かが答える。


---


静寂。


---


そして。


---


帳簿が閉じられる。


---


「分散、無効」


---


「中央、無効」


---


一つずつ。


---


消されていく。


---


選択肢が。


---


「……やめろ」


---


小さな声。


---


誰にも届かない。


---


「やめろ」


---


もう一度。


---


今度は、少しだけ強い。


---


監査官は見向きもしない。


---


「規則だ」


---


それだけ。


---


分散連合本部。


---


ユーリが叫ぶ。


---


「全部消されてます!」


---


「選択できません!」


---


マルクが机を叩く。


---


「やりすぎだ!」


---


リゼットは静かに言う。


---


「本気ね」


---


アーネストは窓の外を見る。


---


(ここまで来るか)


---


選択を消す。


---


それは。


---


分散を消すこと。


---


いや。


---


世界を


一つにすること。


---


「……どうする」


---


マルクが言う。


---


誰も答えない。


---


その時。


---


港から声が上がる。


---


「選ぶ」


---


全員が振り向く。


---


さっきの商人。


---


帳簿を開く。


---


外洋ではない。


---


分散。


---


「それを使う」


---


沈黙。


---


監査官が言う。


---


「無効だ」


---


「知ってる」


---


商人は答える。


---


「それでも使う」


---


静寂。


---


「……意味がない」


---


監査官が言う。


---


「成立しない」


---


「いい」


---


商人は言う。


---


「でも選ぶ」


---


沈黙。


---


その言葉は、


強かった。


---


理由ではない。


---


理屈でもない。


---


ただの意思。


---


「選ぶ」


---


それだけ。


---


そして。


---


もう一人。


---


「俺もだ」


---


また一人。


---


「俺も」


---


広がる。


---


小さな声。


---


だが確実に。


---


「選ぶ」


---


「選ぶ」


---


「選ぶ」


---


分散連合本部。


---


ユーリが震える。


---


「……増えてます」


---


マルクが笑う。


---


「止まらねえな」


---


リゼットが呟く。


---


「これが人ね」


---


アーネストは見る。


---


港。


---


選ばれている。


---


禁止されても。


---


成立しなくても。


---


選ばれている。


---


「……違う」


---


小さく言う。


---


ユーリが振り向く。


---


「え?」


---


「成立してる」


---


沈黙。


---


港。


---


選ばれた取引。


---


外洋が通さない。


---


だが。


---


別の場所で、


別の形で、


繋がる。


---


後付け。


---


別経路。


---


見えない流れ。


---


「繋がってる…」


---


ユーリが呟く。


---


止められない。


---


選択は、


流れを生む。


---


そして。


---


流れは、


止まらない。


---


監査官が初めて顔を上げる。


---


「……なぜだ」


---


理解できない。


---


ルールは守られている。


---


だが流れている。


---


矛盾。


---


リゼットが言う。


---


「止められないのよ」


---


「選択は」


---


静寂。


---


アーネストが言う。


---


「それが分散だ」


---


沈黙。


---


そして。


---


ユーリが震える声で言う。


---


「……拡大してます」


---


港だけではない。


---


各地で。


---


選ばれている。


---


中央でもない。


---


外洋でもない。


---


分散でもない。


---


「自分で決める」


---


それが広がる。


---


マルクが呟く。


---


「世界が選んでるな」


---


アーネストは頷く。


---


「そうだ」


---


リゼットが言う。


---


「もう止められない」


---


沈黙。


---


だが。


---


ユーリが固まる。


---


「……外洋が」


---


全員が振り向く。


---


「最終命令」


---


空気が凍る。


---


「違反者を」


---


「排除する、と」


---


完全な静寂。


---


選択か。


---


力か。


---


もう、


逃げ場はない。

ついに「選択そのもの」を巡る戦いになりました。


制度でもなく、通貨でもなく、

“人が選ぶかどうか”という一番根本の部分です。


ここまで来ると、もう勝敗は仕組みでは決まりません。


世界が何を選ぶか、それだけです。


面白いと思っていただけたら、ぜひブックマークと評価で応援していただけると嬉しいです。


次話、いよいよ最終衝突です。

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