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断罪された悪役令嬢ですが、帳簿を燃やした王都が先に滅びそうです 〜追放先の辺境で実務改革を始めたら、国家より信用が強くなりました〜  作者: 篠宮しずく


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第102話 戦わない戦い

海が、閉じた。


---


外洋帝国の戦艦が、


港の入口を塞ぐ。


---


ゆっくりと。


---


だが、確実に。


---


「封鎖する」


---


その一言で、


すべてが終わった。


---


船が出られない。


---


船が入れない。


---


物流が止まる。


---


市場が止まる。


---


「……ここまでやるか」


---


マルクが呟く。


---


港は静まり返る。


---


どれだけ制度を作っても、


関係ない。


---


運べなければ、


成立しない。


---


ユーリが震える。


---


「……全部止まります」


---


事実だった。


---


分散も。


---


中央も。


---


すべてが。


---


「終わりだな」


---


誰かが言う。


---


反論はない。


---


リゼットが唇を噛む。


---


「ここまで来て…」


---


悔しさ。


---


怒り。


---


だが、どうにもならない。


---


力だ。


---


単純で、


圧倒的な。


---


アーネストは黙って海を見る。


---


戦艦。


---


巨大な壁。


---


(勝てない)


---


その現実を、


受け入れる。


---


だから。


---


「戦わない」


---


小さく言う。


---


ユーリが振り向く。


---


「え?」


---


マルクが眉をひそめる。


---


「何言ってんだ」


---


アーネストは言う。


---


「戦えば負ける」


---


沈黙。


---


「力には勝てない」


---


リゼットが言う。


---


「じゃあどうするの」


---


アーネストは答える。


---


「使わせる」


---


空気が止まる。


---


「……は?」


---


マルクが言う。


---


「外洋の力を?」


---


アーネストは頷く。


---


「そうだ」


---


ユーリが混乱する。


---


「でも…敵ですよ?」


---


「敵じゃない」


---


アーネストは言う。


---


「手段だ」


---


沈黙。


---


リゼットが目を細める。


---


「つまり」


---


「外洋を使う?」


---


アーネストは頷く。


---


「選択の中に入れる」


---


ユーリが息を呑む。


---


「……制度に組み込む?」


---


「そうだ」


---


外洋を排除するのではない。


---


中央も排除しない。


---


全部、


使う。


---


マルクが言う。


---


「それで勝てるのか?」


---


アーネストは答える。


---


「勝たない」


---


沈黙。


---


「選ばせる」


---


静寂。


---


「世界に」


---


「どれを使うか」


---


「決めさせる」


---


リゼットの目が変わる。


---


「……それ」


---


「最初からやってたことじゃない」


---


「違う」


---


アーネストは言う。


---


「今回は」


---


「全部、見える状態でやる」


---


沈黙。


---


中央の隠蔽。


---


外洋の力。


---


分散の自由。


---


全部見せる。


---


全部並べる。


---


「それで選ばせる」


---


ユーリが呟く。


---


「……それって」


---


「市場に全部投げるってこと?」


---


アーネストは頷く。


---


「そうだ」


---


マルクが笑う。


---


「無責任だな」


---


「違う」


---


リゼットが言う。


---


「一番責任がある」


---


沈黙。


---


「誰も決めない」


---


「だから全員が決める」


---


その言葉に、


空気が変わる。


---


港。


---


戦艦が塞ぐ。


---


だが。


---


「この契約、外洋でいく」


---


「こっちは分散」


---


「これは中央」


---


選択が生まれる。


---


止まっているはずの場所で。


---


動き始める。


---


封鎖されても、


完全には止まらない。


---


ユーリが言う。


---


「……動いてます」


---


マルクが頷く。


---


「全部じゃねえがな」


---


リゼットが呟く。


---


「でも選ばれてる」


---


アーネストは海を見る。


---


戦艦。


---


だがそれも、


選択の一つに過ぎない。


---


「それでいい」


---


静かに言う。


---


「勝つ必要はない」


---


「残ればいい」


---


沈黙。


---


そして。


---


ユーリが言う。


---


「……反応が来てます」


---


全員が振り向く。


---


「各地で」


---


「選択が分かれてます」


---


中央を選ぶ場所。


---


外洋を選ぶ場所。


---


分散を選ぶ場所。


---


世界が


分かれる。


---


マルクが呟く。


---


「分断か」


---


アーネストは言う。


---


「違う」


---


「分散だ」


---


静寂。


---


その時。


---


ユーリが固まる。


---


「……外洋が」


---


空気が凍る。


---


「反応しました」


---


沈黙。


---


「“選択そのもの”を」


---


「禁止すると」


---


完全な静寂。


---


リゼットが呟く。


---


「……そこまでやる?」


---


アーネストは海を見る。


---


静かに。


---


「来るな」


---


これは、


最後の一手。


---


選択を奪うか。


---


守るか。


---


世界は、


今決まる。

ここでついに「戦わない」という選択が出てきました。


力に対抗するのではなく、

その中でどう生き残るか。


そして今度は「選択そのもの」が狙われています。


ここがこの章の本当の核心です。


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

面白いと感じていただけたら、ぜひブックマークと評価で応援していただけると嬉しいです。


次話、選択は守られるのか、それとも消されるのか。

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