第20章「質疑応答」
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今日も頑張って閲覧数を増やすため、上司や同僚の目をかいくぐって書いていこうと思います。
(╬゜◥益◤゜)⇒ \(*⌒0⌒)♪エイエイ、オー!!
第20章「質疑応答」
急に自分たちの背後から聞こえる声。
ランスロットは耳に声が入ると同時に主の影に隠れる。
そしてゆっくりと振り返る “彼女 ”に俺は続けて口を開く。
急いで公園に駆けつけた俺の肩は、小刻みに息をする。
「また不意打ち? 一回ぐらい正々堂々戦ったらどう?」
今まで月を薄っすらと覆い隠していた雲が去り、上空に生い茂る木々の間から降りてくる月明かり。
その明かりを纏った彼女は深々とかぶられている帽子を取り払った。
「なんのこと? 三錐君」
闇討ち事件の犯人とは思えないほどのキャシャな体形
帽子を取ったことであらわになった黒いショートヘアー
整った顔つき
その女性らしい姿が俺に誤解だと訴えかけてくる。
「この闇討ち事件の犯人は百合姫さん、あなたでしょう?」
「私? 私は…違うよ。今だって、新聞配達のアルバイトの途中にここに寄っただけで―」
「小人たち」
俺の発した言葉に、「え?」と困惑する百合姫。
「1ヶ月ぐらい前、俺が体育館で井口にボコられたの覚えてるか?」
「う、うん」
「あの時はお前、五離羅、千歳は俺を弁明することを言ってくれた。 おかげで俺は助かった。ありがとうな」
「別に気にしなくても、私は思ったことを言っただけだから」
「 “こんな小人ちゃんたちが悪いことをするようには見えない ”お前が言ったことだ」
まだ百合姫は分かっていないようだ。
俺は強く百合姫の目を見る。
「なんで “たち ”なんだ? お前だけがあの時、俺の持っている召喚獣を小人たちと言っていた。 俺は壇上にいたガーウィン以外は誰にも見せていない。 何で知ってたんだ? 俺の召喚獣が複数いることを」
やっと理解したようで百合姫の口は小さく「あっ」と言い、瞳は目に見えて動揺していた。
俺の推理を見たか!
まぁ推理したのはべディなんですけどね(笑)
「それは……井口先生に聞いたから」
この女とやつには援交の噂があったが、インテリ井口のヤロー、やっぱり自分の生徒に手を出してやがったか。
「なるほど。確かにお前とあのインテリとは、相当親密な関係だったって話だからな」
「そうだよ。 だから分か――」
「確かに教員ならこの学校で召喚獣をもらった10人に関しては、お前に教えることが出来る。 でも、教員は個人がどんな召喚獣を手に入れたかまでは認知してないんだよ。 現に東はリッチモンドが吸血鬼を持っていることをまったく知らなかった」
「そんな! だって先生は知ってた!?」
マズイ!と口を手で押さえる百合姫。
「自分から他の生徒の情報を聞いたって自白したな。 まぁ、あのインテリはどこぞの東と違って生徒からも人気があったから、数人は自分の召喚獣のことを言ったやつもいたかもな。 だが知っての通り、俺と井口は超~が2つ3つ付くほど仲が悪い。 自分の情報なんて渡すわけないだろ? つまり俺の召喚獣が複数いることを知っているのは、夏休み俺を闇討ちし、実際に見た犯人、お前だよ百合姫さん!」
徐々に追い詰めていく百合姫、苦々しい表情を覗かせる。
「私には…アリバイがある。」
「そもそも警察も私刑団のやつらも考え方が根本的に間違ってたんだ。 100人を闇討ち、100人だぞ1人じゃ無理だ。 お前には協力者がいた、そいつと分担して闇討ちをし続けた、それだけのことだ。 まだ言い逃れするなら、そのバイクの後ろに隠してる黒い木刀を警察に持っていこうぜ、リッチモンドの血が付いているはずだからな。 言っとくけど洗ったぐらいで血は完全には落ちない、ルミノール反応つってな、特殊な液をかけると一発で分かる」
たぶん!
完全に反論する言葉を失った百合姫。
そっと後ろに目を移した。
ラ「主様、この方には全て見抜かれているようです」
今まで主の影に隠れて、話を聞いていた小人が俺の前に出てくる。
会うのは2度目、月明かりよりも美しく、雪よりも透き通ったマリンブルーの髪がザッザッと歩くごとにサラサラと風になびく。
ランスロットは顔を上げ、下から冷たく俺の目を見据える。
ラ「小人たちの主よ。 それであなたはこれからどうするつもりですか? よもや、私たちを倒せるなどとでも思っているのですか?」
威圧するわけでもなく、ただ問いかける氷のような声。
言いよどむ俺にポケットの中からランスロットをバカにするような笑い声が聞こえてきた。
マ「グッヘッヘ。 よもや思っとるんじゃよ、これがのぉ~」
そして俺のポケットに隠れていたマーリンが顔だけピョコッと出す。
マーリンのニヤケ顔を見るなり、ランスロットの冷静な顔色がどんどんと驚きという色に変色していく。
ラ「老!?なぜあなたがここに!? ……そうか、そういうことですか。 私の代わりに…」
マ「ほぅ~すぐ理解したか。他のやつと違って、お主はお利口さんじゃの~♪ グッヘッヘ」
ラ「それで老、あなたが入ったことで私と同等に戦えるとお思いですか?」
マ「まだじゃ、お主と戦うのに戦力は多いにこしたはないからの~」
ラ「ライオネルのことですか?」
ランスロットの言葉にうれしそ~に、そして心からバカにしたような声のマーリン。
マ「残~念~。ハズレじゃ。 答えはのぉ~、LRUFIRE(転移方陣)」
マーリンは俺のポケットから急に手だけを出しその不可思議な言葉をはく。
そして持っていた杖を地面に向けた、すると急に黄緑色の光と共に、宙に浮かび上がる魔方陣。
「何これ、ランスロット!?」
ラ「クッ、まさか!? 飛ばすつもりか!」
モ「どこですの!? ランスロット!!」
極寒の寒さと体中の痛み、両方に耐えながら発する声。
既に10分が経過、声も擦れ始めたまさにそのとき、モルドレッドの前方が黄緑色の光に包まれたのだった。
モ「何ですの!?」
眩しいぐらいの光と奇妙な魔方陣、そしてモルドレッドの前に現れたのは2人の人間と、2匹の小人だった。
モルドレッドは自分の目の前に現れた人間を見て目を丸くする。
モ「用兵さん!? なんでここに」
「よっこらせ」そう言いながら俺のポケットからピョンと降りるマーリン。
俺はブレスレットをランスロットたちに向かって突き出す。
「出て来い! 俺の小人たち!」
そして俺の周囲に出てくる小人たち、モルドレッドを合わせ12人。
俺は百合姫とランスロットに向かって強く言い放った。
「悪いな、百合姫、ランスロット。 ライオネルなら、もう助けた!」
ライ「おねーちゃん!」
ライオネルは完全に呆気にとられているモルドレッドに抱きつく。
モ「ライオネル?……何で?」
ライ「用兵くんが助けにきてくれたんだよ~」
マ「感動の再会を邪魔して悪いがの~ライオネル、早いとこモルドレッドを治せ。 こんな傷だらけでは使い物にならん」
ライ「あっ、はい。 マリア像の慈悲」
マーリンに言われると、急いでライオネルは人形を取り出しモルドレッドの体にあてる。
すると、みるみるとモルドレッドの体から怪我という傷が、まるで最初から無かったかのように消えていく。
モ「用兵さん、何でわたくしを助けに来たのですの? わたくしは主を放って勝手な行動をとったのですわよ」
ライオネルの髪をいとおしそうに撫でながら、自分の行動を罰してくれと言わんばかりの発言。
俺は溜息を漏らす。
助けに来た理由って…何でこいつらは分からないんだ? 「仲間だからな! (キラッ)」そんな恥ずかしいことを何度も言えるかよ。
「別にお前を助けに来たわけじゃねーよ」
モ「でしたら、ライオネルを助けて、そのままわたくしのことなんか放っておけば――」
「モル、最初お前らのことハズレだって言ったの、覚えてるか?」
モ「え、ええ」
「急に証明してもらいたくなったんだよ。 だから俺に今日、ここで、証明して見せろ。 自分たちは最強の召喚獣だってこを!」
クスッ。モルドレッドは軽く笑い、口をもごもごと動かし、聞こえないような小さな声を呟いた。 “ ありがとう ”
完全に完治したモルドレッド、俺の前へ出るといつもの豪華な扇子を大きく広げた。
モ「まったく、まだ信じてなかったのですの? 仕方ありませんわね。 そこまでおっしゃられるのなら、お見せすることもやぶさかではありませんわ」
そしてパチンと閉じた扇子を剣に持ち替え、月に届くような勢いで高らかに掲げる。
モ「円卓の小人、Ⅹ番、サー・モルドレッド。 我が主の命に従い、敵を優雅に華麗に豪快に倒してごらんにいれますわ!!」
その様を一部始終見ていたランスロット。自分の不手際に俯きながら目を閉ざす。
ラ「主様、申し訳ありません。 私の考えが至らぬばかりに、無闇に敵の戦力を上げただけの結果になってしまいました。」
「ランスロットのせいじゃないよ。 それよりこれからどうするの?」
主の言葉にチラッと後ろの公園出口を見るランスロット。
しかし、ピクピク動くマーリンのとがった耳や、ニヤニヤと人をバカにしたようなマーリンの目がそれを見逃すわけもない。
マ「ランスロットよぉ~、逃げようなんぞ考えんことじゃ。 ほれっ、そこの林の中にカメラがセットしとる。 お主らが逃げたらすぐにでも警察に持っていこうかの~、そうなるとお主の主は……困った♪ 困った♪ 防ぐには分かるだろう~? ワシらに勝ってビデオカメラを破壊するしかな~い。 グッヘッヘ」
あぁ、胸が痛い。
どっちが悪党だか分からない。
ラ「戦いましょう。 主様」
「勝てるのランスロット?」
ラ「勝ちます、我が誇りと剣にかけて」
そのやり取りを目の前で聞き、冷ややかな目を送るガーウィン。
ガ「誇りねぇ~、少し見ない間に変わったなランスロット。 人質をとらなねぇと戦えない、そんなサビついた剣(心)じゃ俺たちには勝てないぜ!」
寒い、ガーウィンさん、台詞が寒すぎるよ。
今他人のフリをしたくてしかたないよ!
ランスロットはガーウィンを強く見返す、その目には一切の後ろめたさは感じられない。
ラ「ガーウィン、私は何も変わってはいない。 あなたたちのまとめ役だった昔も、敵である今現在も…。 もしそれでも変わったと言うのであれば、それはあなたの見る目、視点が変わっただけのこと、元よりこの身は召喚に応じただけの獣なのだ。変わりようもない。 そして獣はその信念にのみ動く」
ガ「信念だと?」
ラ「ええ、あなた方と同じ、ただ己が主のために」
ランスロットの張り詰めた弦のような心。今にも切れてしまいそうなのに、漆黒の瞳の中には決して折れることのない信念が宿っていた。
これが今から戦う敵か…。
マ「さぁ、これでダンナの言っとった状況は完成した。ここからはダンナ次第、保険があるからといって油断するなよ~、相手はランスロットじゃ。油断は即、負けを意味する」
「ああ、分かってる。 よくやったマーリン」
深夜の公園、辺りが真っ暗な中、1つポツーンと立っている外灯。
そのスポットライトの下、対峙する2人の人間。
この一歩を踏み出せばもう戻れない。
寒さではなく恐怖によって笑う膝。
心なしか冷たい夜風も俺の周りにまとわり付いて息をするのを妨げているようだった。 まるで自分自身が自分の所有物じゃない感覚。
ベディヴィエールはジッと正面の敵を見据えながら、後ろにいる主に向かって口を開く。
ベデ「誰しも最初の戦は足が震える、自分もそうでした。 大丈夫です主、夏休みの修行中に自分たちが言ったことを思い出してください」
× ×
「あー、力関係?」
修行開始から一週間。
もう止めたくて仕方が無い俺に、モルドレッドが優雅に薄っぺらいA4用紙を扇ぎながら涼しい顔で俺がダウンしているベッドに近づいてくる。
モ「そうですわ。わたくしたちを用いるにあたって、やはり用兵さんには知っておいてもらったほうがよいと思い、トリスタン、ディナダン、ベディヴィエールと共に作りましたの」
手渡された紙に目を通す。そこには強い順に上から小人の名前が書かれていた。
① トリスタン ② ガーウィン ③ モルドレッド!? ④ ガラハット ⑤ パーシバル ⑥ ベイリン ⑦ ベディヴィエール ⑧ ユーウェン ⑨ ライオネル ⑩ ケイ ⑪ ディナダン ゴミマーリン
モ「武器を持ってただ殴りあうだけなら、その順位で――」
「待て! お前はベイリンやパーシィより強いのか?」
俺の安直な質問にポカーンと口を開けたままのモルドレッド。
モ「ええ、戦いで彼女たちに負けたことはありませんわ」
え~? こんな扇子を扇いでる女が、あの戦闘狂の2人よりも強いと?
「お前ら、外見と強さがまったくもって合ってねーな。」
モルドレッドはやれやれと、その長い紫の髪を左右に揺らす。
モ「外見と中身が釣り合っていないなど人間社会ではよくあることではなくて? だから用兵さんは馬鹿なんですわ、そしてモテないんですわ」
「…馬鹿じゃないもん、それにモテないのは今関係ないもん、馬鹿って言うほうが馬鹿だもん」
モ「それでは用兵さんは3回言ったので3バカですわね。」
「3バカだと…。 ほ、他3人をゆすって自分を3番目に書けって言ったんだろ! ゆすりは犯罪だぞ!! 死刑になっちまえ! クソエレガントぉ!!」
モ「何ですって!?」
またか…3人は馴れた手つきで主とモルドレッドを仲裁させるのだった。
そして殺気立った2匹の猛獣が会話の出来るレベルまで落ち着くと、トリスタンが話を戻す。
ト「さっきモルも言ったが、これはただ殴りあっただけならっていう順位だ」
俺の「どう違うんだ?」という疑問形の目に、ベディヴィエールはここからは自分が話すとモノクルをクイと上げる。
ベデ「トリスタンの言うとおりです。 召喚獣同士の戦いで、殴り合いだけで勝敗が決することはまずありません。 大抵は持っている能力で優劣がつきます。 ゆえに今から主は自分たちの特性・性格・能力を知っていってください。 そして知ってください、自分たちの主に求められる素養は “戦う ”ことではなく “選択する ”こと。 状況、相手によって自分たちを使い分けることができたのなら――」
× ×
そうだったな。
俺は公園中に響くように腹から声を出す。
「俺たちは絶対に負けない!!」
ベデ「そうです。 自信を持ってください。 あなたは自分たち全員の、ご主人なのだから」
他の小人たちもベディヴィエールと同じ意見だと小さな背中で語った。
その背中は心強く、勇気が俺に伝染しているようだった。
俺は強く一歩を踏み出す。
「マーリン以外、全員戻れ!」
強く言い放ち、小人たちは俺のブレスレットに帰る。
そしてその行動が2人の戦いの汽笛となり、俺の一世一代の幕は今開かれたのだった。
閲覧ありがとうございました。
そして私のステルス作戦は今始まった。




