↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/5

向こうの私ってどんな感じ?

「じゃあ、さっちゃんよんでくるから。部屋の鍵は閉めといてね。ドアを開けるときは相手を確認すること」

留守番する子供に言い聞かせるようにいって、蓮美は出て行った。

初対面の少女と二人きりになってしまい椎那は困っていた。

彼女が誰だかは今までの行動で、向こうで誰なのかは予想がついていた。彼も椎那と一緒で持ち上がり(エスカレーター)組だったが、話したことはあるが…という程度なのと、初対面の女の子と何を話したらいいんだろうかと困惑していた。

「えーと…」

何を話したらよいのか悩んでいる椎那を見て、雅は吹きだした。

「やーね。とって喰ったりしないからそんなに緊張しないでよ。私は一条雅(いちじょうみやび)。パソコンと実験をこよなく愛する二年生よ」

持ってきていたノートパソコンを可愛く持ち上げた。化粧っ気がなく長い黒髪を左横で軽く結んでいる。

「改めまして、初瀬椎那です。別の世界の」

「本当に、彼女と似ているね」

「そうですか?女の子と似ているというのも複雑ですが…」

雅の言葉に苦笑する。

「あはは。見た目じゃなくて、まぁ、なんというか雰囲気?が似ているのよ。ねぇ、ここに来るきっかけみたいなものはあるの?」

「それが、何も…」

「来る直前はどうだったの?」

「蓮…あ、これは蓮美さんの向こうの世界の名前です。彼が窓を開けっ放しにしていたら、桜の花びらが風に乗って部屋に入ってきていたんですよ。彼はそれを楽しんでいましたが、掃除する身にもなれって閉めて振り返ったらここでした」

何か気になることがあるのか、雅は人差し指でこめかみを押した。

「なんとなくわかるような解らないような…。そういうの得意な知り合いに聞いてみるけど、期待しないでね」

曖昧な返答に、椎那は首を傾げる。

「一条さんが言っていることが、よく解らないんですが」

「大丈夫、私もわからないわ。なので、椎那君は気にしないでね」

解ってないと胸を張る雅に、椎那も苦笑を返すしかなかった。


「そういえば、向こうの私ってどんな感じ?」

「向こうのあなたは、一条雅樹という男性です。実験大好きな放浪癖がある人です。出席日数が足りなくて、僕の同級生になってます。一条さんもそうですか」

「うん。名前が違うけど私の経歴かと思ったよ。もしかして、学校休むようになったのって高等部から?」

椎那が頷くと雅は肩を竦める。彼女もまた、実験や旅やらで出席日数ギリギリの生活をして失敗したのだ。

「性差はあるけど、基本は一緒なのかな。そっか、あっちも苦労しているのか。さて、私がやれることもないし、あっち方面に詳しい知り合いんとこ行ってくるわ。何かわかったら、すぐに知らせるから。じゃあ、またね。あ、鍵はちゃんと閉めてね」

蓮美と似たようなこと言って、雅は部屋を出て行った。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。