第36話 説教!!!
ちゅんちゅん、という小鳥の鳴く声が聞こえてく……ん?小鳥の鳴く声??
瞬時に意識が窓の外から差し込む日差しに向けられる。今の今までかけらも動いていなかった体勢を急に変えて窓の方を向いたからかビキッという嫌な音がしたが今は一旦無視をする。というか無視しないといけない。
「え゛」
なんか窓の外が明るいんですけど…うそじゃん?窓から視線を戻し目の前のモニターの右下に表示されている時刻を確認する。嘘じゃん、嘘であってくれよ。頼む…頼むよ…
「6時24分………」
俺はゆっくりと作業用として買ったクソ高い椅子から立ち上がり…
一旦深呼吸をした。落ち着け俺!とりあえず落ち着け………って無理だ!?
「まずい!!!あと1分でしずこさんが来る!!」
ままままままずはpcの電源を落として部屋の電気を消して!!
ガチャリ
「………終わった」
玄関のドアが開く音がした。これは確実にしずこさんが来ましたね!!
どうする!どうする俺!!というかなんでこんな時間まで集中してたんだよ!おかしいだろ!何時間アニメ描いてんだよ!バカかよ!バカだよ!!バカだわ!!!
というかものすごくおしっこ行きたいんだが!?あと喉も渇きまくってる!?
なにこれ嘘じゃん人間として忘れちゃいけない部分のアラートを見逃してしまってるじゃん!?
あわわわわわどどどどっどうしたら!?
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思考3「子供か」
主人格「子供だよ!?」
思考5「そういえばそうだったな主人自身は大人のつもりなようだが細かい部分は体の年齢に引っ張られてるからたまに幼い面が顔を出してしまうからな」
主人格「え゛?そうなの?」
思考2「気づいてなかったのか…」
ECHO「これがバカというものなのですね。記憶」
主人格「なんかECHOが辛辣になってる!?じゃなくてみんなどうしたらいい?」
思考4「寝てたが尿意で目が覚めたとでもいえばいいだろ」
主人格「しずこさんに嘘はつきたく無い!!」
思考3「胸を張っていうな。というか主人格のそれは嘘をつきたくないではなくて、しずこさんに嘘は通じないから嫌だと言っているだけだろ」
思考4「徹夜したせいで主人格の思考力が落ちてすごいことになってる。ここまで無様なのは久々」
主人格「無様!?あ…やばい尿意が…」
思考3「諦めて行ってこい。あとついでに怒られてこい」
主人格「う、裏切りものぉ……。あ、やばいガチで漏れる」
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いい朝だな!!おはようみんな!!時刻は午後5時!!夕方だ!!
いやぁ朝の事件は酷いものでしたね…おしっこに行った時にしずこさんに寝ていないことがばれ(目が合った瞬間徹夜しましたね?と言われた)とりあえず直ぐに寝てくださいとすごく平坦な声で言われ、トイレから出てお水を飲んでから直ぐにベッドに入り睡眠をとって…
起きたのが先ほどの事である。
いやはや…これおそらく下の階に降りた瞬間お説教タイムだよな。
「翠ちゃんは……」
あ、しずこさんと翠ちゃんの話し声がかすかにのでいらっしゃいますね……
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思考4「早く言って怒られてこい」
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ぐ、ぐぬぬぬ
ええぇい!覚悟を決めろ漢、榊裕一よ!!いざゆかん!!!
「で、何か弁明は?」
「あにょ…ふ、ふでがのりましてぇ…」
「それが徹夜の理由になるのは大人だけです。いえ、大人でも健康のために本来してはいけない行為です。それが子供の体ともなると…毒にしかならないと以前も説明したはずですよ?」
「は、はい…それはもちろん重々承知していりゅのですが…」
「あーあ、裕一がまた徹夜するとはね…もしかして身長が伸びなくてもいいのかしら?」
「そ、そんなことは…」
「どうせ裕一の事だから日本人の平均くらい…いやそれよりも下でもいいと思っていそうだけど…ほんとにそれでいいの?ヒール履いた私よりも身長高くならなくていいの?」
「い、いえ。もちろん翠ちゃんよりも高くなりたい所存ではあります!」
「「なら何で徹夜するのですか?/するのよ!」」
「う、うっす…」
滅茶苦茶詰められてる…た、たしゅけて…
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思考2「女性からの説教はしっかりと受けるべきだ」
思考3「同意。今回ばかりは主人格が悪い。あと女性からの説教で言い訳するほうが長引くから素直に聞いておけ」
思考5「まぁ私たちも今回止めなかった責任があるがな」
思考3「それはそうだな…よし、我々もしっかりと説教を受けよう」
思考4「えぇ…」
思考6「あははは」
思考2「というか翠ちゃんの身長の下りは翠ちゃんの私欲では??」
思考6「あ〜、好きな人の身長は自分よりも上が良いっていう乙女心だろうねぇ〜可愛らしい私欲だね」
思考3「それは置いておいて実際に徹夜は体への負荷が凄まじいため次からは止めるぞ。主人格」
主人格「あい…」
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「それで?今回は何を作ってたの?」
「んえ?」
「んえ?じゃなくて裕一がそこまで夢中になるなんてかなり珍しいじゃない。流石に気になるわよ…この腕時計の前例もあるし…」
翠ちゃんは椅子に座りながら脚を組みながら俺にそう問いかけ……あ、しずこさんの目線が翠ちゃんの脚にいってる…
「ーー翠ちゃん?」
急にしずこさんから名前を呼ばれて翠ちゃんはえ?私何かした!?という顔になり…自分の脚を見てハッとした表情になった。
「あ……えと……ちがうんですしずこおばさま…」
あ、しずこさんのターゲットが翠ちゃんに移った。やったぜ!
「以前も言いましたが…脚を組むという行為はモデルをされている翠ちゃんにはあまり良くありません。骨盤や背骨が傾いた姿勢になりやすいため、筋肉のバランスが偏ることがある。と説明しましたよね?短時間ならば問題ないですが…そのスムーズに脚を組む動作を見るに…頻繁に組んでいるんじゃありませんか?」
そ、そうなんだ…
「いや…その…い、以前撮影で脚を組んで撮る機会がありまして…思ったよりこの姿勢が楽だったのでつ、つい…」
「その癖は直ぐにやめましょうね?」
「はい!しずこおばさま!!」
翠ちゃんはそう言って凄まじい速さで脚を組むのをやめた。
ふむ…水色か…あまりにも慌てていたのか全力でパンツが見えていたな…眼福眼福
「裕一君?女性の下着を盗み見るような事はしないように。たまたま見えてしまったとしてもそのように顔に出してはいけませんよ?例え婚約者だとしても」
ば、ばれてるぅうう!?なんで!?俺そんなにすけべな顔しましたか!?なんで今の一瞬で気取られるの!?
「ーーえ、えっち…」
「……」
顔を真っ赤にした翠ちゃんから非難の目が飛んでくるがこれは甘んじて受けよう…流石にここで言い訳したら拙いのは俺でもわかる。
「えっち、ではありません。翠ちゃん?私は何のために貴方に私の技術を教えたのでしたかしら?」
ま、またターゲットが翠ちゃんに行ったああああああ!!!びっくりしすぎて翠ちゃんの顔がまた私!?という感じになってる。
「あ、あの…その…裕一の側にいても問題ないくらいお淑やかで綺麗な人になれるようにと私がしずこおばさまに頼んだからで…」
そ、そうだったのか…知らなかった…
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思考6「ちなみに塾生のほとんどは知ってる」
思考3「そうなのか」
思考6「というか女の子組はほとんどしずこさんの弟子だよ。」
主人格「そうなの!?」
思考6「そうだよ?最初の弟子は翠ちゃんだったけど翠ちゃんが弟子入りしてから翠ちゃんの所作?とでもいえば良いのかな?佇まいがものすごく綺麗になってきたからそれを見た女の子達が一斉に弟子入りしたんだよね。」
思考3「……本当に知らなかった」
思考6「そのおかげでうちの塾の女子組はすんごいモテてるらしいよ?」
主人格「知らなかった…」
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いつのまにかうちの塾の子達がしずこさんの弟子になってた……
「そうね。その通りです。なのに…今の動きは何ですか?私は殿方に下着を見せつける動きを教えた覚えはありませんよ?」
「え、でも色仕掛けのやり方と男の人との夜の戦い方は教えていただいた気が…」
「ーーん?」
「いえ!何でもないです!!!」
ちょっと待ってくれ?しずこさん?アンタなんてもの教えてんだ???ま、まぁ今はいいや…取り敢えずターゲットは移ったし俺は自室に帰るとしますか…
「そこのもう自分は関係ないなと思っている裕一君は2階から作っていたものを持ってくるように。私もチェックします」
「……うっす」
全力でバレてたので素直に返事をして2階に上がりデータを丸ごと写したタブレットを持ってくる。まぁちょうどいい機会か…
本当に作りたいから作ったアニメだ。1話だけを完成させるのは直ぐにできたけど何というか…動きがぬるぬるしすぎていて気持ち悪かったので作り直したんだよね。その後もずっと修正に修正を重ねてたせいでこんな時間になったし。しかも効果音やセリフもついてないアニメだが…一般の方の意見も聞いてみたいし…
うん、ちゃんと評価してもらおう!
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思考3「一般の人と言っていいのかこの2人は」
思考2「……怪しいラインだ」
思考4「そういえば思考6がしずこさんのこと調べてなかった?」
思考6「調べたけどしずこさんが由緒正しいお家柄の方だという情報しか出てこなかったよ?まぁしずこさん自身旦那さんと駆け落ちしてるみたいでそのお家とはもう連絡とってないみたいだけど」
思考4「駆け落ち…?」
思考2「ものすごく気になる…」
主人格「ガチで気になる情報持ってこないでよ…」
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き、気を取り直して下の階に降りてきたのでしょんぼりしてる翠ちゃんと今は俺にお茶を入れてくれているしずこさんに俺が徹夜で何を作っていたのかを話し始めることにした。
「えっと、アニメを作ってました!」
「アニメですか…」
「アニメ?」
「うん、アニメです。昨日の夜に俺の担当編集さんから言われちゃってね…裕一先生1人でアニメ作ってみませんかって」
「1人で?」
「……」
「とりあえず、音声…あー声優さんの声とか効果音はないし色もついてない白黒だし途中までしか作れてないけど見てほしいなぁ…とか思ったり思わなかったり…」
「アニメはあまり詳しくないですが見させていただきます」
「私も見るわ」
はい、というわけでタブレットを操作し2人で見てもらうことになりました。
え?結果は?って?
はははは俺の今の現状を見ればわかると思うよ。この全ての作業を封じられて完全に手持ち無沙汰になって翠ちゃんに膝枕してもらいながらテレビを見ているところを見ればね…
あまりにも出来が良すぎる。やり過ぎ。こんなの作った後なんだから今日はゆっくり休みなさい!
それにしてもすごい動きですね…。ほんとに…音がなくてこの迫力なんて…。すごすぎる…
などなどアニメを流して言われ……
今日は作業が禁止になりました…ぴえん
ps昨日メッセージで翠ちゃんに頼んでいた闘魂注入はしずこさんと翠ちゃんの両方から頂きました。しずこさんもここ最近の俺の気の緩みようが気になっていたようです…それにしても…
2人とも攻撃力がたけぇ…なんか体の内部まで痛みが届いたんだけど…これなんて技術??




