第28話 グッズと特許とDLC
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
思考3「さぁ特許の話だ。主人格が作ったシステムだが…どうするつもりだ?」
主人格「はい、あの…今俺の年齢で特許取るといらない注目を受けることになるし、変な大人がいっぱい現れると思うので…封印しようかなぁ…と…」
思考2「賛成」
思考4「もったいないが賛成」
思考5「今の段階では不利益の方が多いな」
思考6「こればっかりはしょうがないね…」
思考3「そうだな…一応技術ごと企業に売ってしまうことを考えたが…いや…ダメだなこちらもデメリットが大きすぎる。」
思考2「本来なら特許にあたる技術は即申請することが絶対的に必要だが…今回の技術に世間が追いつくには後10年以上は掛かる。あまりしたくはないことだが後回しだな。というか特許は出願日から1年6か月経つと、明細書や図面などが公開され、誰でも閲覧できるようになるという点が痛すぎる…そこがなければ即出願していたのに…」
主人格「これからはもう少し考えて行動しやす…」
思考2「金銭的な面を見ると本当にもったいない…」
思考4「それな、今かなりの金欠だから」
主人格「あ、そこなんだけど…ゲーム開発してる間にグッズとか売れないかな…?」
思考3「グッズ…なるほど…」
主人格「俺たちが今まで出したゲーム作品ってさ、ぶっちゃけそれなりに人気じゃん?だから売れると思うんだけど…」
思考3「ーー思考5、業者の選定、販路をどうするか考えてくれ」
思考5「もうしてる。ただどんなグッズでも新規イラストなどが必要だ。そこは主人格、頼むぞ」
主人格「ん?」
思考3「思考4『Fallen Remains』の商標登録はもう申請済みだったな?」
思考4「弁護士先生にお願いしてタイトルが決まった段階で終わらせている」
思考3「よし、『Fallen Remains』のグッズも作るぞ、『剣王』に関しては出版社との相談が必要になるがこちらは思考2よろしく頼む」
主人格「ちょっ…」
思考3「ではすぐに取り掛かるぞ!」
思考2〜6「了解」
主人格「うっす…?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と、俺が作ってしまったシステムをどうするかと、資金集め方法が決まったので俺は一葉さんの事務所に頑張って作り上げた3Dモデルだけを納品し(出来は死ぬほど良いので超高評価をもらえた)今回の依頼騒動は終わった。
本当…特許周りは現時点ではマジで申請する方が旨みがないんだよなぁ…もちろんいつでも申請できるように今まで開発したモノは思考達がまとめてるし、あとはもう申請するだけの状態にしてあるけれど、これらの特許に当たる技術達を申請するのは『エターナル』が完成した時だ。
そうしないとマジでヤッベェ事になるからな…
ぶっちゃけると今回俺が作ったシステムは現在ある技術でギリギリなんとか再現可能のラインなのだがそれでもこんなシステム、中学生が開発できるわけがない。
申請した瞬間俺の事を調べ出す悪い大人が増殖する。
商標登録の時点でもちょっと面倒だったのだ…それが特許技術ともなると…嫌すぎる…
というかそんな大人達に構っている時間は俺にはない。うーーん、今回はちゃんと反省だなぁ…
うっし!切り替えた!じゃあ、とりあえず家庭用ゲーム機にて発売するゲームの開発に集中しますか!
やるぞーーー!!!
あ、あとグッズね、売れるといいなぁ…
あ、そうだせっかくなら油絵とか挑戦してみたいんよね。油絵で描いた『Fallen Remains』のボス戦の絵とかすごい額で売れそうだし
そうして3ヶ月経ちました。
季節は秋、というかもうほぼ冬に差し掛かった頃である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
思考3「軽量化がここまで難しいモノだとは…」
思考5「搭載するAIシステム自体は完成したが…このままでは現在一般家庭に多く普及している某有名会社が開発した家庭用ゲーム機の処理力ではまともに起動すらできん…」
思考2「シナリオは完成してる」
思考4「キャラクターも完成してる。容量の問題で今回はボイス量が最低限だったため速攻で声優さんのレコーディングも終わった」
思考3「…徐々に軽量化出来ているんだが…このままではあと数ヶ月かかるな…」
主人格「いや、数ヶ月で出来るんだ…すげぇな…」
思考3「グッズも販売開始した所だし収益もまだ上がってきていない。残りの資金はまだあるがこのまま『エターナル』のために使い続けていくと…あと4年で限界が来るペースだな…」
主人格「4年は持つんだ…」
思考3「主人格…私たちは将来的にゲーム機を量産して販売する必要があるんだぞ?4年後とはいえ研究段階、作成段階で資金が尽きる可能性があるのはかなりまずいぞ…」
主人格「ーーーた、確かに…」
思考3「ただ『Fallen Remains』が日本及び翻訳版を出してはいないのに海外で爆発的に売れたおかげでかなりの額が入ってきており、今までに出したゲーム達もまだまだ売り上げているので現状はまだ安心できるが…資金はあればあるだけいい」
思考5「『剣王』もコミックス第1巻が凄い勢いで売れているが…それでも雀の涙だからな…いや世間的には大金なんだが…」
思考4「だからこそお金を稼げる手段はたくさんあった方がいい。」
思考2「なので家庭用ゲーム機用にだすゲームの開発を急いでいるんだ。」
主人格「な、なるほど…ならさ?俺が思いついた『Fallen Remains』のDLCとか実装してる暇ないかな?」
思考2〜6「それは話が別」
思考3「どんな内容だ?」
主人格「いやその… 『Fallen Remains』ってさ『天災級魔王種』よりも上の奴ら出してなかったじゃん?だから『天災級魔王種』の一個上『神災級魔王種』を出そうと思って…」
思考4「いや、1人じゃ倒せないだろ」
主人格「うん、だから協力モードを出そうと思って」
思考3「私たちは構わないが…いいのか?世界観的に…?いやまて…あの『神災級魔王種』ならば…」
主人格「うん、思考3が想像したそいつ。『神災級魔王種 アイン=ノヴァ』出そうか」
思考5「そいつ『エターナル』の正式サービスが始まってから数年経ってようやく実装する『レイドボス』じゃなかったか?」
思考2「倒されてもいいのか?」
主人格「いや、完全に倒されないようにするよ。『アイン=ノヴァ』』の同一体の一体を倒す感じで」
思考3「…なるほど設定的には矛盾点はないな。だが今現時点で私、思考3と思考5は家庭用ゲームのAI作りがある。そのため今手が空いている思考2、4、6にお願いする事になるが大丈夫か?」
思考2、4、6「大丈夫」
思考3「なら決まりだ。よろしく頼む。……それにしても主人格よ、最近は出てくるアイデアの量が凄まじいな」
思考2「確かに、すごいな」
思考6「あ〜多分翠ちゃんのおかげだろうね〜彼女と一緒にいる時は主人格の脳内から『エターナル』のことが少し離れているから新しいアイデアが入る隙間が出来てるんだろうね。うん、いい事だよ」
主人格「………」
思考4「照れてて草」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
照れてねぇよ…
「裕一?どうしたの?難しい顔して…」
「あー、いやなんでもないよ?それより今日の晩御飯はなに?」
昨日は肉じゃがだったけど今日はなんだろうなぁ…いやまぁなんでも嬉しいんだけどね。しずこさんと翠ちゃんが作ってくれるご飯はなんでも美味しいし
「んー?今日はシチューよ?」
「し、白ごはんはありますか!?」
「ふふっ、ちゃんと炊いてるわよ」
「さっすが!!」
俺白ごはんとシチューを一緒に食べるの好きなんだよね!というか同志はいっぱいいると思う!美味しいから!ほんとにござるかぁ〜?と思っている人いたら一度試してみてよ!美味しいから!あ、舌が合わなかった人はごめんね!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
思考4「めちゃくちゃ胃袋掴まれてて草」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんか思考4からいらん思念が飛んできたな…
と、そんなことを考えていると翠ちゃんがシチューを盛ったお皿を持ってテーブルにやってきた。
「ほら、食べましょ。」
「うーす、しずこさん、翠ちゃん!いつもご馳走ありがとうございます!じゃあ!いっただきまーーーす」
「「はい、どうぞ」」
いつも通り2人に感謝を伝えて俺はスプーンを握り絶品のシチューを食べ始めた。わっふ!超うめぇ!!
「あ、そうだ。裕一、私明日テレビに出る事になってるから帰ってくるの遅くなるの、だからちゃんとしずこおばさまの言う事聞いて悪さしないようにね?」
「了解…って俺悪さした事ないんだけど…」
「ん」
翠ちゃんはそう言って俺がプレゼントした髪飾りと腕時計である『Chrona』を順番に指差してアピールしてきた。
「……」
「わかったようね?気持ちはほんっとうに嬉しいけどやり過ぎないようにってことよ?」
なんか年下の弟を宥めるような言い方されてるんだけど…
「大丈夫よ翠ちゃん?裕一くんが暴走するのは翠ちゃん関係の事だけだから」
キッチンからしずこさんの落ち着いた声でそう言われた。
……なまじ前科があるから否定しづれぇ…
「…そうなの?」
あ、まずい、今の翠ちゃんの表情から察するに翠ちゃんのドSスイッチが入った…。最悪だ…こうなると面倒なんだよ、取り敢えず早く終わるように適当に返事をしておこう、長引くと疲れるし
「そうかもねー」
「あら…?ゆーいちぃー?顔、赤くなってるよ?ふふっ」
「…うるさい」
なんで俺は精神年齢がかけ離れた子に揶揄われてるんだ…おかしい…ここは一つ大人の余裕を出さなければ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
思考4「無理だろ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うるさいぞ!?思考4!!
見てろ?ちゃんとやり返すから
「…そんなこと言いつつ翠ちゃんも顔赤いぞ」
「それはないわよ、顔色くらい余裕でコントロールできるし」
「…」
そうだった…この子天才子役だった…。突発的な事には死ぬほど弱いけどそれ以外には死ぬほど強いんだよ翠ちゃん…
というか顔色のコントロールってなんだよ…意味わかんないよ…どうやったらそんなことできるようになるんだよ…
まぁ、今の翠ちゃんの発言から分かる通り翠ちゃんはガチの演技の天才である。4年しか活動していなかった子役活動期間だけで日本一の子役と呼ばれるくらいには化け物である。あ、ちなみに妹の瑠璃ちゃんは学習速度の天才だよ。あの子は学んだ事を即実行できるから。それも100%ね。
「ふふっ」
なんかすんごい嬉しそうに俺の事を見てくる翠ちゃんを必死で視界に入れないようにしながら頑張ってシチューを平らげましたとさ…2回お代わりした。
とても美味しかったです。
そんなことがあった次の日
「ごめんなさい!裕一!!やっちゃったかもしれないわ!?」
「なに!?びっくりした!?って、まって翠ちゃん!?落ち着いて!?」
夜9時になって今から家に行くと連絡があったので玄関で待っているとタクシーから降りてすぐさま玄関を開けて飛び込んできた翠ちゃんが俺に抱きつきながら死ぬほど慌ててる。とりあえず落ち着かせないと、と思い詳しく話を聞いてみる。
「ーーー時計のこと聞かれて咄嗟に婚約者がくれた物ですってテレビで言っちゃったわ!」
「……いや、べつに問題ないんじゃ?俺の名前が出たわけでもないんでしょ?」
名前が出てたら問題だったけど…てか確かに翠ちゃんは元女優さんで現在モデルさんだけど婚約者がバレたくらいどうって事ないんじゃ…
というか時計のことを聞かれたってどういうことだろ?翠ちゃんあの腕時計『Chrona』が世間にバレるのを死ぬほど怖がってるからうちにいる時とうちから自宅に帰る帰り道と自宅にいる時にしか装着してない筈なんだけど…
本当に何があったの???




