第21話 打ち合わせと仕上げ作業
「では皆様お集まりいただけたようなので初めて行きます。改めまして…今回依頼をさせていただきました『you-1』と申します。本日はよろしくお願いいたします。」
腕時計を作り終わり数日たった本日。依頼を出した配信者さんたち個人間での交渉が終わり全体での打ち合わせが始まった。通話越しなんだけどね?リアルでの会議は今回Vtuberさんもいらっしゃるので遠慮しておいた。
あ、ちなみのyou-1っていうのは俺の活動名です。読み方はそのまんま「ゆーいち」かけらも捻ってないけれど本名と同じ方が慣れててスムーズに反応できるんだよね…
ネットでは本名に近い名前名乗らない方がいいんじゃ?と思われる事もあるけれど俺の場合将来的に起業することになるんで実名が絶対出るので捻った名前をつけてるって知られたら恥ずか死ぬっていう理由もあったりする。
「では、まず初めに今回プレイして頂くゲーム『Fallen Remains』の説明から行いたいと思います。今回、一葉さん、櫛名田さん、wawaさんにプレイして頂く『Fallen Remains』は所謂死にゲーと呼ばれているジャンルのゲームになります。おそらくここまでは知ってくださると思うのですが大丈夫でしょうか?」
「あ、だいじょうぶっす」
「こちらも把握できてます」
「っす…」
お、よかったちゃんと把握してくれてた。今返事してくれたのは上から櫛名田さん、wawaさん、一葉さんの順番だね。一応それぞれの方のマネージャーさんもいらっしゃるけど今回の打ち合わせの一番の目的は実際に配信してくれる配信者さんたちへの説明なのでマネージャーさんたちはミュート状態にして話だけ聞いている状態です。
「ではそちらを踏まえて私が作ったこの映像をご覧ください。あ、画面共有するので私の画面を見ていただければ大丈夫です」
俺はそう言って画面共有を開始し事前に思考5が作ってくれた宣伝用の映像を流し始める。まぁ宣伝用と言っても実際のプレイ映像をいい感じに編集して説明音声(ちょうどこの映像を作ってた時に塾にいた瑠璃ちゃんにお願いして録音した)を入れただけなんだけどね?
あ、後この宣伝用ムービーを作った理由は一つ。俺が説明するのが面倒だったからです。言葉だけでゲームの説明するのって難しいんだよね。地味に時間食うし
さて、3分ほどの映像なのでこの映像を流している間に俺は資料の確認でもしておこっと。
「なるほど…」
「へぇ…」
「……」
お、声を聞く感じしっかりと見てくれているようである。よかったー、作っておいて
あ、一応映像で流れていることの説明もしておこうかな?まず冒頭に迫力ある戦闘シーンを持ってきて中盤になると戦闘システムの説明、終盤にストーリーを簡単に説明してる感じだよ。
言ってしまえばよくある、ゲームのトレーラーだね。
お、映像が終わった。
「ご視聴ありがとうございます。どうでしょうか?ゲームの雰囲気は伝わったと思いますが…」
「あ、はいだいぶ掴めました。」
「「同じくです」」
「ありがとうございます。では現時点で質問などありますでしょうか?無ければ今回の依頼内容に移らせて頂きますが…」
「「「大丈夫です/っす」」
「ありがとうございます。では今回の依頼は簡単にいうと純粋にゲームを楽しんでいただければ大丈夫です。ただ、途中でゲームを更新して頂く可能性があるくらいで…」
「すみません、質問いいですか?」
「あ、はい櫛名田さん、どうぞ」
「うちのマネージャーからある程度聞いていたんでその辺りは把握してるんですが、本当にリアルタイムでの難易度調整なんて可能なんですか?」
おぉ、しっかり依頼内容知ってくれてたんだ。
「はい、可能です。ただやっぱり皆様側での更新作業は必要になるんですがそこはよろしくお願いします。」
「マジか…マジでできるのか…」
「はい、ただ調整するのはデス数が50回を超えたらなので一応カウントはお願いします。私の方でも数えはするんですけど配信的に画面に表示して頂く方が視聴者さんからもわかりやすいと思うので」
「わっかりました。あーーちょっとごめんなさいね?おい、一葉ぁ?お前一言も喋ってねぇけど大丈夫なんか?」
「うっす…」
「おい、なんだよその返事、テメェまさか資料の確認すらしてねぇんじゃねぇだろうな!?」
「…んなことはねぇっすよ?」
「wawa…判定」
「いやぁーギルティだねこれは」
あ、なんかメッセージ飛んできた。えーと一葉さんのマネージャーさん?んー何々?必ず後で説明しておきます。本当に申し訳ございません。わぁ…マネージャーさんって大変だなぁ…
「あはは…まぁ本番までに見ていただければ大丈夫です。」
と、こんな感じで打ち合わせは進んでいきました。正直ちょっと面白かったです(小並感)
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一時間後
「ふぃー、終わった終わった。これで後は明後日の本番を待つだけだね」
俺はつけていたイヤホンを外し息を吐いて大きく伸びをした。んー疲れたぜ。えっと今時間は午後7時か…、ご飯食べよ…
自室を出て階段を降りるといつも通りキッチンにはしずこさんがいる……なんか翠ちゃんもいるが気にせずに自分の席に着席し、自室を出る時に持ってきたタブレットを起動してメールの確認とSNSのDMの確認を行なっていく。
んーと?メールの方は『剣王』関係のことと株関係のことしかねぇな…じゃあ次はSNSの方を……
わぁ…相変わらずスッゲェなおい。
何々?「どうせ1人で作ってないんだろ!死ねカス!!」「嘘ついて褒められるの嬉しいの?きもいねー」「どこに住んでんだよ殺しに行くから教えろよ」
などなど数々の暴言がいっぱい来ている。今日も今日とて豊作だねぇ
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思考4「草」
主人格「暇なんかね?」
思考3「まぁ言っていることは理解できるが…到底1人で出来ることではない事をやっているからな私達は」
思考4「それはそう」
思考5「で、今回もスルーか?」
主人格「え、うん。当たり前じゃん」
思考6「メンタル強いねぇ」
思考3「いや、主人格のこれはちょっと違うぞ…」
主人格「えー?違わないと思うけど?」
思考4「主人格、こういうことを送ってくる奴のことはどう考えてる?」
主人格「んー?えー?難しいな…そうだな…言葉にするなら…大切な人生という一分一秒も無駄にできない時間を無駄使いして他人を攻撃して悦に浸ってる阿呆?端的にいうなら…変な人?」
思考3「ふむ、やはりな…主人格はこういったことをする人間を同じ自分と同じ人間として認識すらしてないんだ。だからこういう感想が出てくる。」
思考4「要するに相手にしてない。だって自分と違う生き物だから。なにを言われてもダメージを受けない。例えば犬に吠えられた時大抵の人間は、この犬はどうしたんだろう?お腹すいたのかな?私のこと苦手なのかな?という様な感情になる。それとおんなじ。表面上は何が原因なんだろう?と考えはするけど少ししたら忘れてる。まさにこれ」
思考2「下手に訴えたりするより酷い」
主人格「えー?だって本当にどうでも良いし…訴えるより何か作ってお金儲けして早く『エターナル』作りたい」
思考5「だろうな、あぁ主人格どうやら料理ができた様だ。SNSのDMは閉じておけ、主人格は気にしなくてもしずこさんと翠ちゃんの目に入った際どうなるかわからん」
主人格「了解ー」
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思考5に言われた通りSNSの画面を消しチラリとキッチンを見ると翠ちゃんが出来上がった料理を持って来ているのが見える。
「ほら、ご飯できたんだからタブレット片付けなさい」
「うっす」
翠ちゃんにそう言われタブレットを片付ける。
「はいどーぞ、今日はしずこさん特製麻婆豆腐と餃子よ」
「いえーい」
ご飯はとても美味しかったです。
「よーし、やるぞー」
しずこさんが帰宅し、翠ちゃんも翠ちゃんのお父さんが仕事帰りに迎えに来て一緒に帰って行ったので現在家には俺1人。なので!!今から!!
「翠ちゃんにあげる腕時計の装飾を始めていきまーーす!!」
といっても宝石屋さんに依頼していた宝石をつけるだけなんだけどね?正直カットとかの加工も俺がやらないとなと思っていたんだが今回依頼したジュエリーショップさんが加工もしてくれるお店だったみたいでカットもお願いしたのだ。
ということなので作業量がものすごーーーく短くなりました!!
当初は徹夜するつもりだったんだけど…これなら寝れる!
作り終わって寝て午前11時くらいに翠ちゃんの家に行きプレゼントを渡すだけの簡単なミッションだ。瑠璃ちゃん曰く明日は家族みんなでお昼からお出掛けするそうなので午前11時はまだ家にいることもわかっている!いやはや…完璧な計画だ…
はい、では作業を始めていきます。まず届いた宝石の状態を確認!
「え、超綺麗…」
キッラキラなんだけど…さすが総額400万ほどの宝石達…マジで素晴らしい輝きだぜ…
さて、付けていくか…
「っし!集中!!」
ミスったらやばいからな!!
「ふぅ…」
できた…かなり集中していた気がする。チラリと作業室にある時計を見ると作業開始から一時間ほど経っている。おぉ…マジで集中してたんだな…まさか一時間経っているとは…
「けど、良いものができた!」
パールホワイトのカーボンファイバーと緑色に輝く宝石が見事に調和してる。そんで時計の裏側にはちゃんと刻印として「 For Sui, From You-1」と書いてある。しずこさんに翠ちゃんにプレゼントする為に腕時計作ってると伝えたら「これを入れなさい」とすごい優しい笑顔で言われたんだよね…
正直少し恥ずかしいが現在俺の部屋にて飾られている腕時計にも同じ様な刻印がされてるので気にしないことにした。
というか気にしたらなんかまずい気がする。
「じゃあ、次は動作チェックだな」
えっと、確かこいつの使い方は…
「同期開始start-up『Chrona』」
俺がそういった瞬間『Chrona』が起動した。よし、完璧だな。ちなみにこのセリフを言うのは初期設定を行うときだけなので普段は「起動」というだけで大丈夫だぜ!!
その後も最後のチェックを行い思考達の完璧という評価をもらってから事前に用意していた箱に初期化した『Chrona』を入れて俺はベッドにダイブした。
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思考3「やりすぎだろ思う者は手を挙げろ」
思考2「ノ」
思考4「ノ」
思考5「ノ」
思考6「あははは……」
思考2「我々は手作りの物と言っただけなのに…」
思考5「どうせ作るなら面白い物作りたいと言い出すとは…」
思考4「ばか」
思考3「まぁ止めきれなかった私たちにも非がある…いや私たちは所詮分割された思考なので決定権は主人格だからな…押し切られたらもう何もできん」
思考6「なるようになれー」
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