【現代異世界編】音速の魔女と千尋の対潜箒ブートキャンプ2
俺は、対潜箒乗り階級は中尉 中村だ 中村平八
なんか今日は日本から箒乗りが来るらしい
日本というのは 140年前にひい爺さんが住んでいた場所よくわからないけど異世界?
世の中にはよくわからないことが沢山ある。
その箒のり箒に初めて乗ってから1週間だって、ふざけんなよ
幼稚園の先生じゃないんだよこっちは
ふぁあああ~~(大あくび)それにしても眠い
昨日は音速の魔女とレースをする予定だった、夜明けまで待ったが彼女は来なかった
ちなみに音速の魔女というのは、突然現れた、謎の女性箒乗りだ、
夜は「桜島チェスト」という走り屋の切り込み隊長をやっている
「桜島チェスト」の八といったら夜の薩摩帝国で知らないやつはモグリだぜ
もちろんポリに捕まったら、海軍なんかすぐに首だ
遅いポリにつかまったなら、よるのサツマ帝国では恥ずかしく生きてはいけない。
3日前だったか、勇気を振り絞って、音速の魔女に付き合ってくださいと声を掛けたんだ
そしたらレースであなたが勝ったらいいわよと言ってくれたんだ
でも絶対に俺では勝てない
昨日はどうしたのだろう、か音速の魔女 レース勝負したかったなあ
*
格納庫の前には、軍の制服のような着た女が立っていた。
回りには複数の男、あの人は箒の設計の西郷伯爵だ。
女は黒い髪を後ろでまとめ、対潜箒を見上げながら目を輝かせている。
「日本国海上自衛隊、吉野千尋三佐です。本日からよろしくお願いします」
三佐。聞きなれない階級だが佐?
俺より、ずっと階級が上じゃないか。
しかも思っていたより若い。
なんか、声が似ている、音速の魔女に
音速の魔女が異世界の箒に乗って1週間のはずがない。
「指導を担当する中村平八中尉です」
俺は敬礼した。
「箒に乗って一週間と聞いています。まずは基本飛行から始めます」
「はい。よろしくお願いします」
「ところで中村中尉、眠そうですね」
「昨夜、少し用事がありまして」
「夜更かしは身体に悪いですよ」
「ご忠告、痛み入ります」
*
あれ、こいつ、桜島なんとかの、あいつじゃね?八とか言ってたが、平八の八か?
なんか私に付き合ってくださいとか言ってたような
まさかねえ…
まあ、知らないふりをしておこう、面倒だし。
*
「あの空を飛んだ経験は?」
「こっちにきた一週間前にきたときに初めて箒にのって、一週間鍛錬をしていました」
「まあ対潜箒も、防空箒も、旅客箒も、街乗り箒も変わりがありません、基本動作をきちんとすれば
問題ないかと」
「それと、魔力量はどの程度ですか?」
初代皇帝と同程度。
そう答えたら、大騒ぎになるかもしれない。
下手をすれば、音速の魔女だと気づかれる。
「対潜箒を操縦するには問題ないと聞いていますが、詳しいことは、よく分かりません」
「そうですか。操縦に足りるのであれば十分です」
中村は格納庫の隅に置かれた、小型の箒を指さした。
丸みを帯びた機体に座席が二つ並び、武装も観測機器も取り付けられていない。
「まずは、こちらの複座練習箒で一緒に飛びましょう」
千尋は練習箒を見た。
次に、その隣に並んでいる対潜箒を見た。
短魚雷。
ディッピングソナー。
磁気探知機。
十二・七ミリ機銃。
そして妖精さん。
再び練習箒を見る。
「いや、対潜箒で問題ないでしょう」
「はい?」
「こんなの余裕ですよ」
「いや、それは……」
中村が困った顔で西郷を見る。
千尋は対潜箒の機体を撫でながら言った。
「旦那様が設計した箒で、一刻も早く飛びたくて」
「旦那様?」
彼は千尋と西郷を交互に見る。
菊池西郷伯爵家の人間なのか。
それも、伯爵本人を“旦那様”と呼べるほど近い立場。
「しかし、規則では……」
「私が責任を持つでごわす」
いつの間にか背後へ来ていた源吾がうれしそうに言った。
中村の逃げ道が塞がれた。いや同時に千尋の逃げ道も自ら塞いていたのかもしれない。
「……承知しました」
「やった」
千尋は小さく拳を握った。
こういう時だけ、千尋は自分の好奇心を通すために、菊池西郷家の名前を最大限に利用する。(ハッキングする)
「ただし!」
中村が声を張った。
「今日は離陸、直進、旋回、着陸までです。兵装や観測機器には絶対に触らないでください」
「はい」
千尋は満面の笑顔で答えた。
中村は、その笑顔を見て少し安心した。
聞き分けのいい人でよかった。
もちろん千尋は、対潜箒に乗った後で考えるつもりだった。
飛んでしまえば、こちらのものだ。




