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異世界の貴族に嫁入りした海自パイロット、魔法大学で潜水艦狩りを教えています なお旦那は初代皇帝西郷隆盛の玄孫です。  作者: なたろう


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【維新RTA編】超高速大政奉還14

慶応二年六月十一日。(1866年7月21日)


京へ、江戸の騒ぎの結果が届いた。


知らせは、薩摩の高速蒸気船と早馬を乗り継ぎ、異常な速さで運ばれた。


薩摩が十か条の要求を幕府に突きつけ、将軍家茂がそれを全面的に受け入れたこと。


十か条の要求の中身。


横須賀沖での西郷砲の発射。


西郷丸に錦の御旗が掲げられたこと。


そして、江戸から逃亡する覆面の東北藩士らが、焦土作戦と称して江戸に火を放ち、江戸の一部が火の海になったこと。


幕府側も、長州側も、戦う意味を失った。


戦は、止まった。



「薩摩に踊らされておる? 知っちょるわ」


高杉は笑った。


「だが、踊って京を燃やせば、幕府は京へ目を向ける。江戸の喉元に、別の刃が届く」


桂は眉をひそめた。


「その刃も薩摩のものだぞ」


「なら、薩摩が徳川を斬った後に、わしらが薩摩の背中を見るだけじゃ」


長州は、ただ踊らされたわけではない。


一部の者は、自分たちが囮であることを理解していた。


それでも、火をつけた。


薩摩に利用される屈辱より、幕府と会津を京に釘付けにする快感の方が勝ったからである。


長州という藩は、折れてもなお、そういう燃え方をする藩だった。


そして、気づいてしまった、


本物のエンフィールド銃と、自分たちが掴まされた偽物のエンフィールド銃の違いを。


王冠のマークのてっぺんに丸十字が偽物のエンフィールド銃には存在している


「さすがに、笑ったよ」

桂は報告を受けた時の事を思い出す。


本物と同じか超えている、優秀だ、これがあったから長州は暴れられた


大半の長州藩士が、薩摩製と知ってもなお、自分の相棒として一緒に


長州へ帰り、家宝として子孫に受け継いだ。



会津は何も知らなかった。


薩摩の謀も。

長州の一部が囮役を承知していたことも。

江戸湾へ向かう黒い艦隊のことも。


何も知らず、ただ御所を守るために戦った。


だからこそ、会津の戦いだけは本物であった。


大久保がもっとも信頼していたのは、会津の忠義であった。


会津は裏切らない。

会津は逃げない。

会津は御所を守る。


だからこそ、京を任せられる。


それは信頼であり、同時に利用であった。

新選組もまた、同じ理由で大久保から信頼されていた。


一橋慶喜は江戸開城の報とともに、大久保から新政府入りの打診の手紙を受け取った。

大阪に蒸気船を用意したから江戸にすぐ来てくれとのことだ。


薩摩が上手だったと認める一方、幕臣に語る。

「なるほどね、大久保が「新政府入り」を打診してきたということは、裏を返せば「薩摩も、徳川を完全に敵に回して日本を統治するだけの体力(資金・人材)はない」と白状したようなものだ」


「江戸を火の海にしたのは、東北の藩士とはいえ、原因を作ったのは薩摩だ、まあ花火大会の計画に夢中でそこまで考えて無かったんだろう。」


「新政府入り、よかろう。大政奉還、よかろう、

将軍家茂公には江戸で隠居していただく。

その代わり、新政府の『議長(総裁)』の席は私がもらう。さらに、大坂城と周辺の直轄領(徳川の財布)の管理権は、新政府の基本財産として私が引き続き差配する

薩摩が用意した船で江戸へ帰るぞ」



当時、京の人々はこれを「禁門の乱」と呼んだ。

だが後世の歴史家は、これを「禁門の変」と呼ぶ。

なぜなら、この夜の騒乱は京だけで終わらず、江戸幕府そのものを倒す引き金となったからである。

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