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異世界の貴族に嫁入りした海自パイロット、魔法大学で潜水艦狩りを教えています なお旦那は初代皇帝西郷隆盛の玄孫です。  作者: なたろう


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【維新RTA編】超高速大政奉還12

太平次丸から降りた勝海舟は、横須賀へ向かった。


だが、町の様子がおかしい。


妙に人が多い。

漁師、町人、幕府役人。

それに、横浜からやって来たと思われる外国人の姿まである。


勝は近くの町人を捕まえた。


「……おい」


「へえ」


「何でこんなに人がいやがる」


町人が答える。


「へえ。何でも、明日、黒船が二里飛ぶ大砲を撃つとかで」


勝は黙った。


「あいつら……」


そして舌打ちした。




二日前、横浜の居留地では、グラバー商会の手の者が、酒場で何気なく話していた。


「三日後の正午、横須賀沖で面白いものが見られるらしい」


「何だ」


「サツマの黒船が、横須賀沖から金沢八景沖へ大砲を撃つそうだ、ジブラルタル、シンガポール、マカオに今度設置されると噂のな」


「金沢八景沖? 横須賀沖?から前に、先週新聞で見たやつか?」


「そうだ。二里飛ぶらしい」


「二里、だいたい9000ヤードか」


外国商人たちは笑った。


笑ったが、見に行くことにした。


商人という生き物は、嘘か本当か分からない儲け話と、嘘か本当か分からない大砲の話が大好きだからである。



江戸に噂を流していたのは、薩摩藩士・益満休之助を中心とする別働隊であった。


益満休之助。史実ならば、江戸市中を騒がせ、薩摩藩邸焼討事件の火種となる男である。


だがこの世界で、益満が撒いたのは火ではない。


噂であった。


「三日後、浦賀から金沢八景沖へ、薩摩の黒船が二里飛ぶ大砲を撃つらしい」


その一言は、江戸の町を火よりも早く走った。


その他沢山の薩摩藩士、薩摩の息がかかったものが

関東全体へと噂を流しまくった、



発射当日。


黒船の噂を知らぬ者など、江戸にも横浜にもいなかった。


大久保一蔵は、砲弾を一発しか撃つつもりがなかった。


だが、その一発を、できるだけ多くの目に見せるつもりだった。

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