表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/23

【異世界編】赴任先は異世界の魔法大学。初日の授業は『チェスト!』の否定から始まります。3

学食で昼食をとって、午後の授業がはじまる。


場所はサツマ帝立魔法大学から地下鉄で20分ほどの距離にある、鴨池かもいけ国際空港の外れ。もっとも、学生と職員は魔法の箒で飛行可能なため、移動に5分もかからない。

ここは魔法大学と帝国海軍が共用しているハンガー(格納庫)である。


そこに並べられているのは、初見の人には箒とは認識できない、潜水艦を狩る金属製のマシーン。

それが、松元魔法機工社製・対潜哨戒機『ほき-27』である。

基本は帝国製だが、地球の技術が至る所に取り入れられている。ハイブリッドの先進的戦闘マシーンだ。


スペックを見てみよう。

・乾燥重量:2,835kg

・最大離陸重量:12,935kg(機体強度による最大値。実際は操縦者の魔法制御能力による)

・乗員:1名が推奨される

・最大マナ搭載量:4,535kg(ドロップタンクは除く)


【武装】

・ブローニングM2重機関銃

・97式魚雷(帝国名:ゴッババ短魚雷) 最大6基

・ヤマドイ空対空ミサイル(SR-AAM) 最大6発


【センサー】

・ソノブイランチャー

・MADセンサー

・ディッピングソーナー


【情報処理システム】

・マナ・サブエージェントシステム


この世界において、魔法を使える人材は30人に1人の割合だ。しかし、マナ(圧縮し固形化された魔力)を動力として空を飛ぶには、操縦者に膨大な魔力制御能力が要求される。

そのため、魔法の箒(ほき-27)を操縦できる資質を持つ者は、帝国民1万人に1人しか現れない非常に貴重な人材である。


しかしなぜか、西郷の血筋には魔法制御能力の高い者が現れる。西郷が漂着した時には、すでに薩摩から漂着した住民が定着しており、西郷は先着の薩摩の者たちに魔法を習ったとされる。薩摩の血に何かしらの原因があるのかもしれない。


「それではブリーフィングを始めます」


私が声をかけると、受け持つ対潜科の生徒8人が集まった。


「今日のコースは鴨池空港を離陸後、錫山を駆け上がり、金峰山を目指し、吹上浜から東シナ海に出ます。久多島を見つけたら、そこを基準に南下。野間岬をかすめ、黒島を回り、東へ向かって竹島を周回。その後、錦江湾を北上して鴨池空港に帰投します。

今回は東シナ海のどこかに帝国の潜水艦が航行しています。それをみんなの力を合わせて発見してください」


「組み分けをします。


【Aチーム】

リーダー:島間しまま

対空哨戒:インギー

対潜哨戒:ウィリアム、若狭わかさ


【Bチーム】

リーダー:小瀬田こせだ

対空哨戒:クリオ

対潜哨戒:シドッチ、岩川


対空哨戒については、私がランダムで襲ってきます。全員の額に魔力波を撃たれたら、そのチームは潜水艦を見つけようとも失格です」


生徒たちは固まった。みな、千尋の実力を痛いほど知っているからだ。


「いやいや、無理だし、教官」


声を上げた彼女は、ユジュヌィ・オストロフ・ヤク・クリオ。

家名が長いので私も含め皆が下の名前の『クリオ』で呼んでいる。本人もそちらを希望している。


「クリオ!! 教官殿に向かって何という言葉遣いを!! 教官、申し訳ございませんでした」


リーダーの小瀬田が注意した後、私に謝罪する。

彼女は小瀬田愛子。帝国海軍の潜水艦で魔術火力支援業務中に魔法の素質を見出され、魔法大学校の2年から編入してきた。上下関係に厳しい。ちなみに彼女を発見してスカウトしたのは、私の旦那である。

ここは軍隊ではない魔法大学校だから、私はうるさく言うつもりはないけどね。


「ではハンデとして、フル爆装15トンでどう? ゴッババ8発にヤマドイ8発、マナドロップタンク・フルロード」


生徒たちは驚愕の表情で固まる。スペック上では飛べない重量だからだ。

しかし、整備員のおっちゃんたちはニヤニヤしながら張り切りだした。


「野郎ども、久々の吉野スペシャルだ!!」


「私のは、と・く・べ・つ、なのよ(ニヤリ)」


クリオは直観した。「これがシゴキなのか」と。

技術官僚の旦那を知っている

小瀬田は直感した。「これが(旦那の公私混同の)愛なのか」と。


この判断が、多くの人を救うことになるのだが。


     






ゴッババはネズミゴチ(魚)の鹿児島弁

ヤマドイはヤマドリの鹿児島弁

ほき は箒の鹿児島訛りです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ