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【異世界編】クロネコメイド ボーの受難と三重生活。

ボーこと、ココノエ・サトはお嬢様である。


サツマ生まれのサツマ育ち。

だが実家は、獣人の多い紀伊島に領地を持つ古い家であり、領地へ帰れば彼女は今でも「サト姫」と呼ばれる立場にあった。


領地ではいつでも沢山のリボンがついたフリフリのお洋服をお洋服を着せられて

領地を走り回る。


クロネコ種特有の高い身体能力を持ち、幼いころから屋敷を抜け出しては野山を駆け回るお転婆娘。

その一方で、山ほど付けられた家庭教師の成果により、国内外の複数言語を操る語学の才を身につけた。


家は当然、その才を政略結婚の道具にしようとした。


サトは逃げた。


行き先は、軍学校だった。


種族による高い運動神経と高い言語能力、特殊部隊に選抜され帝国の紛争や、

反乱の鎮圧、防諜作戦に従事した、順調に出世し、自分の部隊も持たされた、




現在の彼女の任務は、菊池西郷家伯爵夫人――吉野千尋の観察である。


表向きは通いメイド。

夕食を作り、娘のあやを保育園へ迎えに行き、屋敷の雑務をこなす。


裏では、千尋の生態に関する報告書を地球情報調査室へ提出する。


そして夜になると、なぜかソファーやベッドの上で捕獲され、千尋に全身をモフられる。


帝国軍情報局は、この任務を極めて重要な対地球人観察任務と位置づけている。

だがサト本人は、最近その建前を少し疑い始めていた。



「ボー いい子、いい子」

「お嬢様ぁ、やめてくださいまし~……っ」

首を丁寧に撫でるあやちゃん、

あわれ、千尋のエリート教育により、モフりストの才能が娘のあやちゃんに開花したようだ。


「あや、デュアルアタックだ!!」

「千尋はベットにダイビング、ボーの背後を取る」


3人とも笑っている、そこへ旦那がベットルームに入ってくる。

「もうあやちゃんは寝るじかんだよ、ボーが嫌がっているから、もうやめて上げて」


流石に旦那は、娘の教育に悪いと判断したのだろう。


「え、もう少しいいでしょ、ボーの勤務時間あと2時間あるのに…」


「雇用契約にモフられは入っていないんだよ、千尋

あと、ボー何か言わないといけないことがあるのでは?」


「はい、ありがとうございます旦那様

奥様、お嬢様、2か月後に 1週間ほどお暇を頂きたく存じます。

妹の結婚がありまして、紀伊島に」

「え? ボー実家こっちじゃなかったけ?ボー妹もいるんだ」


ボーと旦那は思った、妹もロックオンされた…?もしかして?


「いろいろありまして、ですねえ…」


千尋は眉にしわを寄せて、ボーに目線を合わせて、顔をもみくちゃにする。


「そうだ!!、代打でこの前見たボーのそっくりさん呼べないかしら…」


地球情報調査室で慌てて代打の選考が行われたのは、また別の話。


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