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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第三十三話 はじめての体育祭
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33-21




熱狂と興奮に満ちた一日が、夕暮れの穏やかな光に包まれ、終わりを告げようとしていた。

全生徒が再びグラウンドに整列し、閉会式が執り行われる。


『それでは、成績を発表します!』


アナウンスの声が響き、全員が固唾をのんで電光掲示板を見上げた。

リレーでの劇的な逆転劇。その結果は──。




『総合優勝、紅組ーっ!』


わああああっ!と、今日一番の大歓声が、紅組の生徒たちから巻き起こる。

A組もB組も関係なく、皆が肩を叩き合い、ハイタッチを交わして喜びを分かち合った。


「やったあ!みんなのおかげや!」


まふゆは隣に並ぶ仲間たちを見回し、満面の笑みを浮かべた。その顔は汗と土で少し汚れていたが、達成感でキラキラと輝いている。


「ああ。最高の気分だ」


レオンハルトが誇らしげに胸を張る。彼の隣では、セリウスも満足げな笑みを浮かべていた。


「ふんっ、まあ、あたしが活躍したから当然の結果よね」


シャノンはそっぽを向きながらも、その口元は緩みっぱなしだ。


「みんな、すごかった……」

「ミカゲっちもレオンハルト様も、めちゃくちゃかっこよかったよー!」


アリスとリリアも、興奮冷めやらぬ様子で目を輝かせている。ミカゲはそんな仲間たちの喧騒を、少しだけ離れた場所から静かに見ていたが、その瞳は常よりもわずかに和らいでいるように見えた。


表彰台に、紅組の代表としてレオンハルトが上がる。

学園長から優勝旗と大きな優勝カップを受け取ると、彼はそれを高々と掲げた。再び湧き上がる大歓声。


その光景は、生徒たちの胸に、忘れられない思い出として深く刻み込まれた。




閉会式の後、生徒たちはそれぞれの教室へと戻り、最後のホームルームが行われる。

A組の教室では、臨時担任であるガンツが、静かに教壇に立っていた。


「……貴様ら、よくやった。今日は存分に勝利の余韻に浸るがいい。だが、明日からはまた通常授業だ。浮かれて課題を忘れるような愚か者はいないと信じている」


ガンツらしい、素直じゃない労いの言葉に、教室からは笑いがこぼれる。

その視線は、どこかグラウンドの向こう、C組の担任がいるであろう方向を向き、満足げに細められていた。




ホームルームが終わり、生徒たちが帰り支度を始める。

まふゆは、友人たちと共に教室を出た。


「みんな、ほんまにお疲れ様!めっちゃ楽しい一日やったね!」

「ああ。だが、明日は筋肉痛で動けないかもしれん……」

「兄さんはしゃぎすぎだよ」


レオンハルトが情けない声を出すと、セリウスが呆れたようにため息をつく。そんなやり取りに、皆が笑い声を上げた。


夕焼けが学園の校舎を茜色に染め上げる。

彼らの長い一日は、最高の形で幕を下ろしたのだった。




第三十三話・了




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