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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第三十三話 はじめての体育祭
395/424

33-20




「きた!アンカーや!」


まふゆが叫ぶのと同時に、ミカゲがテイクオーバーゾーンに突入した。その驚異的な追い上げに、会場全体が興奮に包まれている。


「レオンハルト!」


ミカゲが短く叫ぶ。その声に応じて、レオンハルトが力強く走り出した。


ミカゲからレオンハルトへ。

黒い疾風から赤い獅子へ。

紅組の最後の望みを乗せたバトンが、完璧に渡った。




「うおおおおおっ!!」


バトンを受け取ったレオンハルトは、雄叫びを上げてスタートダッシュを切る。

王族としての威厳と、クラスのリーダーとしての責任感が、彼の全身から炎のように立ち上っていた。


「レオンハルト!やっちゃいなさい!」

「兄さん!追いつけるよ!」


シャノンとセリウスの声援が響き渡る。

しかし、トップを走る青組のアンカーとの差は、まだ50メートル近くある。

しかも、アンカーはトラックを2周。体力と精神力の勝負だ。


レオンハルトは、持ち前のパワフルな走りでぐんぐんと差を縮めていく。

1周目のホームストレートを通過する頃には、その差は半分以下の20メートルにまで詰まっていた。


「すごい……レオンハルト、速い……」


アリスが息をのむ。役目を終えたミカゲは、フィールドの内側から静かにレオンハルトの走りを見つめている。その表情は相変わらず読めないが、瞳の奥には確かな信頼の色が宿っていた。




そして、運命のファイナルラップ。

鐘の音がカンカンカン!と鳴り響く。


青組のアンカーも必死だ。最後の力を振り絞り、逃げ切りを図る。

しかし、レオンハルトの気迫はそれを上回っていた。仲間たちの応援を一身に受け、彼の足はさらに加速する。


「頑張って、レオンハルト様……っ!!」


リリアの悲鳴にも似た声援が、レオンハルトの背中を押す。




最終コーナー。ついにレオンハルトが青組のアンカーの背中を捉えた!

二人が並び、激しく競り合う。


「抜けぇぇぇっ!!」

「耐えろぉぉぉっ!!」


紅組の生徒と、青組の生徒の叫び。




レオンハルトは最後の力を振り絞り、内側から一気に前に出る!


そして、そのまま数メートルの差をつけ、歓声が渦巻くゴールテープへと飛び込んだ!




『ゴール!優勝は、大逆転で紅組ーっ!!』


アナウンスが響き渡ると同時に、わあああああ!という割れんばかりの歓声がグラウンドを揺るがした。


「やった……!やったー!!」

「レオンハルト様、すごーい!!」


まふゆとリリアは、涙を浮かべながら抱き合って喜んだ。


トラックでは、セリウスやシャノン、他のリレーメンバーが、倒れ込むレオンハルトの元へと駆け寄っていく。


劇的な逆転勝利。

紅組の総合優勝を決定づける、最高のフィナーレだった。




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