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全校生徒がグラウンドに整列し、開会式の幕が上がる。
学園長による短い開会の辞が終わり、いよいよ体育祭の目玉の一つである選手宣誓の時間がやってきた。
「続きまして、選手代表、宣誓!代表、王立特異能力者統合学園一年、レオンハルト・アルヴァレイン!」
アナウンスと共に名前が呼ばれると、A組の列からレオンハルトが堂々とした足取りで前へ進み出る。
紅組の鉢巻をきりりと額に締めたその姿は、一国の王子としての威厳と、一人の学生としての若々しい活気に満ちていた。
彼が宣誓台に上ると、グラウンド中の視線が一斉に注がれる。
「すごいなあ、レオンハルトは……。ああいう場所に立つと、ほんまに王子様みたいや」
まふゆは隣に立つセリウスにそっと囁いた。兄を見つめるセリウスの瞳は、誇らしげに細められている。
「まあ兄さんは、ああやって大勢を率いるべき人だからね」
宣誓台の上で、レオンハルトは深く息を吸い込み、朗々とした声をグラウンドいっぱいに響かせた。
「宣誓!我々選手一同は、種族も、生まれも、力も超えて、ここに集いし仲間たちと共に、正々堂々、最後まで戦い抜くことを誓います!」
彼の力強い言葉が、生徒たちの胸にまっすぐに届く。
「時には競い合い、時には助け合い、この学園で得た絆の力を、今日このグラウンドで証明することを誓います!そして何より!この最高の祭りを、全員で、全力で楽しむことを誓います!」
最後にニカッと太陽のような笑顔を見せると、グラウンドは割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。その熱気は波のように広がり、生徒たちの士気を最高潮にまで高めていく。
「レオンハルト様……かっこいい……」
リリアは胸の前で両手を組み、うっとりとした表情でその姿を見つめていた。
憧れの人の晴れ姿は、彼女の目にキラキラと輝いて映る。その熱のこもった視線に、隣にいたシャノンがやれやれと肩をすくめた。
「すごい熱気やね。うちも、負けてられへんわ」
まふゆはぎゅっと拳を握りしめた。
レオンハルトの宣誓によって、学園全体が一つになった。
白檻会との戦いを乗り越えた今だからこそ、彼の言葉が持つ「絆」の重みが、より一層胸に響く。
宣誓を終えたレオンハルトが列に戻ってくると、仲間たちが口々に彼を称えた。
「さすがだな、兄さん」
「ふん。まあ、良かったんじゃないの?」
「はは、これくらい当然だろ!」
照れくさそうに笑うレオンハルト。
こうして、様々な想いを乗せた体育祭の火蓋が、今、切って落とされた。




