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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第三十三話 はじめての体育祭
378/424

33-3




全校生徒がグラウンドに整列し、開会式の幕が上がる。


学園長による短い開会の辞が終わり、いよいよ体育祭の目玉の一つである選手宣誓の時間がやってきた。




「続きまして、選手代表、宣誓!代表、王立特異能力者統合学園一年、レオンハルト・アルヴァレイン!」


アナウンスと共に名前が呼ばれると、A組の列からレオンハルトが堂々とした足取りで前へ進み出る。


紅組の鉢巻をきりりと額に締めたその姿は、一国の王子としての威厳と、一人の学生としての若々しい活気に満ちていた。

彼が宣誓台に上ると、グラウンド中の視線が一斉に注がれる。


「すごいなあ、レオンハルトは……。ああいう場所に立つと、ほんまに王子様みたいや」


まふゆは隣に立つセリウスにそっと囁いた。兄を見つめるセリウスの瞳は、誇らしげに細められている。


「まあ兄さんは、ああやって大勢を率いるべき人だからね」


宣誓台の上で、レオンハルトは深く息を吸い込み、朗々とした声をグラウンドいっぱいに響かせた。


「宣誓!我々選手一同は、種族も、生まれも、力も超えて、ここに集いし仲間たちと共に、正々堂々、最後まで戦い抜くことを誓います!」


彼の力強い言葉が、生徒たちの胸にまっすぐに届く。


「時には競い合い、時には助け合い、この学園で得た絆の力を、今日このグラウンドで証明することを誓います!そして何より!この最高の祭りを、全員で、全力で楽しむことを誓います!」


最後にニカッと太陽のような笑顔を見せると、グラウンドは割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。その熱気は波のように広がり、生徒たちの士気を最高潮にまで高めていく。


「レオンハルト様……かっこいい……」


リリアは胸の前で両手を組み、うっとりとした表情でその姿を見つめていた。

憧れの人の晴れ姿は、彼女の目にキラキラと輝いて映る。その熱のこもった視線に、隣にいたシャノンがやれやれと肩をすくめた。


「すごい熱気やね。うちも、負けてられへんわ」


まふゆはぎゅっと拳を握りしめた。

レオンハルトの宣誓によって、学園全体が一つになった。


白檻会との戦いを乗り越えた今だからこそ、彼の言葉が持つ「絆」の重みが、より一層胸に響く。




宣誓を終えたレオンハルトが列に戻ってくると、仲間たちが口々に彼を称えた。


「さすがだな、兄さん」

「ふん。まあ、良かったんじゃないの?」

「はは、これくらい当然だろ!」


照れくさそうに笑うレオンハルト。


こうして、様々な想いを乗せた体育祭の火蓋が、今、切って落とされた。




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