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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第三十一話 少女は学園に愛される
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31-13




ガンツによるシステムダウンがもたらした混乱は、広大な坑道全体に及んでいた。


あちこちで続いていた戦闘は急速に終息へと向かい、代わりに響くのは白檻会兵士たちの降伏を告げる声と、解放されたエルフたちの喜びの嗚咽、そしてドワーフたちの誇らしげな鬨の声だった。


まふゆ、ミカゲ、アリスの三人が、指定された合流地点である最も大きな空洞にたどり着いた時、そこには既に仲間たちの姿があった。




「まふゆ!アリス!」


一番に気づいたレオンハルトが、土埃と汗にまみれた顔をほころばせて駆け寄ってくる。その声に、他のメンバーも次々と振り返った。


「無事だったんだな、二人とも!」

「まふゆん!アリリン!心配したんだよぉ!」

「全く……手間かけさせんじゃないわよ、バカ!」


セリウスが安堵の息をつき、リリアが目に涙を浮かべて飛びついてくる。シャノンは憎まれ口を叩きながらも、その金色の瞳は心配の色で揺れていた。


教師たちも、ガレオスが豪快に笑い、イリヤが優しく微笑み、ローゼリアが「よく頑張ったわねぇ」と頭を撫でてくれる。


「みんな……!よかった、無事で……!」


仲間たちの顔ぶれを見て、張り詰めていた緊張の糸がぷつりと切れた。

まふゆの瞳から、こらえていた涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。


隣で手を握っていたアリスも、その場の温かい空気に安堵したのか、まふゆの服の裾をぎゅっと握りしめたまま、小さく頷いた。


レオンハルトは、まふゆの隣に立つミカゲに視線を移し、その肩を力強く叩いた。


「……よくやったな、ミカゲ」


その一言には、叱咤した時の厳しさとは違う、友への信頼と労いが込められていた。ミカゲは何も言わず、ただ小さく頷き返す。


その表情は、いつもの無表情とは少し違い、どこか憑き物が落ちたような穏やかさを湛えていた。




セリウスが周囲を見渡し、改めて口を開く。


「敵兵のほとんどは制圧した。魔導機もガンツ先生たちが全て破壊してくれたよ」

「囚われていたエルフの方々も、全員保護しました。酷い怪我をされた方はいません」


イリヤが報告を引き継ぐ。


悪夢のような組織の完全なる崩壊。

それは、種族も立場も越えて、たった二人の仲間を救うために集った、名もなき英雄たちの手によって成し遂げられたのだ。


「……終わったんやね」


まふゆが呟いた言葉は、その場にいた全員の想いを代弁していた。


長かった戦いが、ついに幕を下ろした。

夜明けの光が、崩れた坑道の入り口から差し込み、彼らの新たな始まりを静かに照らし始めていた。




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