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白の少女はこの世界に愛される  作者: 有氏ゆず
第二十五話 人形
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25-2




「え、えっと……その、な」


アリスの純粋な眼差しを受けて、まふゆはどう説明したものかと必死に頭を巡らせる。

恋愛という複雑な感情の機微を、まだ感情そのものが芽生えたばかりのアリスに、どうすれば伝わるだろうか。


まふゆはベッドから降り、アリスと視線を合わせるように屈み込んだ。

そして、できるだけ簡単な言葉を選び、ゆっくりと話し始める。


「あのな、アリスさん。昨日うち、後夜祭でミカゲと……一緒に踊ったやろ?」

「うん。くるくるしてた。きれいだった」


アリスがこくりと頷く。


「……その時、ミカゲがうちのこと……『特別』やって、言うてくれたんよ」

「とくべつ……?」


アリスが不思議そうに首を傾げる。


「うん。ええと……アリスさんにとって、うちが『特別』みたいに、かな。他の誰でもなくて、うちがいいって。それで、うちもね、ミカゲが『特別』やなって思ったんよ」


まふゆは自分の胸にそっと手を当てる。そこには、じんわりとした温かい感情が満ちている。


「ミカゲと一緒にいると、心臓がどきどきして、あったかくなって……嬉しくなるんよ。もっと一緒にいたいなって思う。そういう、一番『特別』な人同士になることを、……『恋人』って言うんよ」


アリスは黙ってまふゆの話を聞いていたが、やがてぽつりと言った。


「……じゃあ、まふゆとミカゲは、一番とくべつ、になったの?」

「……うん」


まふゆは照れくささで頬を染めながらも、はっきりと頷いた。

その返事を聞いて、アリスはふむ、と何かを考えるように少しだけ黙り込む。




そして、次の瞬間、まふゆの手を両手でぎゅっと握りしめた。


「よかったね、まふゆ」


その声には、まだ感情の抑揚は少ない。けれど、その瞳の奥には、確かに友人の幸せを喜ぶ、優しい光が灯っていた。

飾り気のない真っ直ぐな祝福に、まふゆの胸はじーんと熱くなる。


「……ありがとう、アリスさん」


嬉しい気持ちと、少しの気恥ずかしさ。

まふゆはアリスを優しく抱きしめながら、この小さな友人に一番に報告できたことを、心から嬉しく思うのだった。




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