金策
ミルは精霊に頼めばどこにでも行けるし、どの国にも行ける。しかし、真っ当な生活をしたいミルはプレートがほしい。
さすがに日陰の人生なんていやだ。しかも親のせいで。
どうしたものか。とりあえず、市場や買い物で知り合った大人たちに愛想よくした。情報を得るためだ。元々愛想良くはしていた。それが仕事をするというものだ。
前世から女性の仕事はほぼ愛嬌を振りまくことだと思っている。18歳から働いていたが真顔で働いていたら無愛想だのあの人は冷たいとさんざん言われた。仕事をしているときに笑えるか!とも思っていたがやっぱり女性は笑顔なのだ。この世界でもやはり笑顔は効く。行き交う人に笑顔で挨拶、声かけ、あざといかわいく交渉もした。
笑顔って大事
情報を得るための行動だったのだが、仕入れもうまくいくようになっていた。それから半年もすると以前かそれ以上に売れ筋を売ってもらえていた。しかも相場より少し安く、みんなに同情を引いてもらい優先して仕入れさせてもらった。
あざといって万国共通
こんないい人達をだまして申し訳なく思う。が、私も生きて行かなきゃいけないので、そこは許してほしい。安く仕入れて高く売る。これは商人の鉄則。なんちゃって。しかし、花屋は多少色が付くことになるが私には入ってこない。ジョセフが喜ぶだけだが、それが狙いでもある。店に余裕が出てくれば、ジョセフの財布の紐にも緩みが出るだろう。
そこでまた、50代まで生きた前世スキル発動だ。
大人達に混ざって仕入れし、あざとさ爆発の交渉が出来たのも50代前世記憶に他ならない。恥も外聞もむし、むし、むーしである。もちろん、ミルの可愛い顔もプラス。
そして、花の仕入れに成功したなら、近所での食材の買い物にも発動させるだろう。ジョセフの財布の紐も緩み予算が増えた。お肉や野菜の値段もまけてもらう。
しかし、買う量はあまり変わらない。実のところ色々とまた精霊にお願いしている。
ふふふっ
洗濯をしている近くに小さな菜園を作り緑子ちゃんとつっちーにお願いして野菜を育ててもらっている。
種を貰って植えたところみるみる育った。種はもちろんあざとかわいくねだった。そして育った野菜たちは時ちゃんに預けている。
肉は洗濯している間に小さな小動物を狩っていた。水のさんに協力してもらい水圧でスパンと一振りだ。最初は食べる為だと言ってもかわいい野ウサギだったりすると躊躇されたが、そこは50代のおばさん、すぐ慣れた。顔と内臓以外は全部食べます。顔部分はちゃんと埋葬して合唱する。
まったく動物をさばけなかったが、家から遠く離れた肉屋まで行き、値段の相場やさばく方法を教わった。この半年で少々大きな獣でもさばけるようになっていた。
しかし、まったく買わないわけにはいかない。ジョセフに買っていないことがバレるかもしれないからだ。いつもの量を安く買い、時ちゃんから野菜や肉と取り出し、調理し食卓に並べる。少し豪華になった食卓を見てジョセフも上機嫌だ。
おつりはその日にきっちり、毎回ジョセフに返すことになっている。
もちろん、安くしてもらった金額と時ちゃんから取り出した食材の金額を引いてだ。
この国の通貨はベニーだ。
1ベニーは銅貨1枚で100円の価値がある。
この国に1~10円の価値観はない。
1ベニー銅貨1枚 価値100円(銅貨に1と書いてある)1円ほどの大きさ
裏には省略した王家の紋章が描かれている。
5ベニー銅貨1枚 価値500円(銅貨に5と書いてある)1ベニーと同じ大きさ
裏には省略した王家の紋章が描かれている。
10ベニー銀貨1枚 価値1000円(銀貨に1と書いてある)100円ほどの大きさ
裏にはこの国の城が描かれている。
50ベニー銀貨1枚 価値5000円(銀貨に5と書いてある)10ベニーより一回り大きい
裏にはこの国の城が描かれている。
100ベニー銀貨1枚 価値1万円(銀貨に10と書いてある)500円ほどの大きさ
裏には正式な王家の紋章が描かれている。
1000ベニー金貨1枚 価値10万円(金貨に1と書いてある)500円ほどの大きさ
裏にはこの国の王が描かれている。
銅貨2枚・銀貨3枚・金貨1枚がこの国で使用できる通貨である。裏に絵が描かれているのは目が見えない人への配慮だろう。
ミルは最初のころ、日本との価値観が合わずパニックになっていた。銅が小銭、銀が札と考えれば、すぐになれることが出来た。金貨は滅多にお目にかかることがないため、ミルの憧れになっている。いつか金貨で部屋をいっぱいにするのだ。
金貨の裏には国王が描かれている。代が変わるたびに金貨のみ回収され次世代の王に代わる。歴代の王の金貨はマニアの中で価値が上がり、プレミア化としている。
数代前の金貨ならば、価値が上がることを予測して家で保管している者もいるが、初代や2代目となるとほとんど回収され記念館などに展示する用しか残っていない。
現王は86代目、マクシミリアン・ルクセルボルン王である。
プレミア関係なく稀にみるイケメン王として女性に大人気だ。そのため、一時期金貨が品薄になることが発生した。慌てた財務省関係者は王族グッズなるものを発売。瞬く間に人気商品なり、このことが他国にも知れ渡り人気がうなぎ上りになる。他国からの観光としても多いに賑わうこととなった。現王は経済王とも言われるようになり国民から愛されている。
国民が王族の姿身を用いることなど以前では不敬とされていたが、これも時代が変わったということだとされている。
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