表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/87

14歳になった秋

「なにをイライラしている」

ロゼの隣の部屋にて魔獣素材の査定中である。


「いや、すまん…」

「例の女の子が見つからないのか?」

好奇心で聞いてみる。

「ああ、見つからないがそういうことではない。見つける気も今はない」

ローブの男はベッドの脇に座り、ため息を吐く。


「見つけてほしいと願う母親に腹が立つ!なんで今頃言ってきたのだ!」

「どういうことだ?」

ロゼは自分の母のことが聞けることがうれしい。


「10年だぞ!子供が3人もいて恋をしたかったからと庶民の男に惚れて、暴力を振るわれたからと今度はその子供も置いて帰ってきたのだ。そして、今になって子供を捜せと、ふざけているのか!」


子供が3人?思っていたのと違う展開

「子供が3人いたのか?」

「そうだ。それを捨てて庶民の男に走ったのだ。ひどいだろう?」

「ひどいな…」

元々結婚していてジョセフの元へ行ったのか。変わっているな。

そして私を置いて逃げた…連れてってくれればよかったのに


「どうして子供を置いて逃げたんだ?」


「知らん。自分勝手だからだろう」

ローブの男は立ち上がる。

「はあ、言いたいこと言えてすっきりした。悪いな」

「いや、俺はおもしろいが…」

成人後に「私でした~」って言ったら怒るだろうな…


「面白がるな!こっちは大変なんだ!」


金貨を置いて素材を回収して消えた。



 キキの仕事はほぼロゼがしていた。今度はザリ印ではなくキキ印になった。

ザリと違うのは、ロゼの素材の丁寧なカットや細やかな調合もあるが、やはりキキの仕上げの素晴らしさだろう。

 その2つが重なりなんとも効果抜群の中級ポーションが完成されていた。

なので割高だ。それでも売れる。

近辺都市に毎日配送されても間に合わないほど売れた。


もちろん、ロゼにも給金が上乗せされる。


 こんな割のいい仕事はない。丁寧に仕事をしているだけで高い給金が手に入る。

日本で仕事をしているときはどんなに丁寧な仕事をしても誰も褒めてくれないし、給金も上がらない。経理事務だったからね。当たり前だけど。


 たまに仕上げをロゼがしていたが、それは他の弟子たちと違いがなく普通のポーションが出来るだけだった。なにが違うかわからない。


 そんなこんなで夏は過ぎていく。たまにエトたちと森に入って魔獣を狩ったり、キャンプをしたり、歳相当なことをして遊んで過ごした。


 秋になりロゼは14歳になった。14歳もなると顔に土や煤を付けて腰に布を巻いていても女とバレた。

 エトたちには、夏頃から気になっていたと言われた。暑かったので水浴びをして遊んだのがまずかったか。服は着ていたんだが


 冒険者たちからもバレていたようだ。誰もなにも指摘してこなかった。大人だ。

レオンからも、もう小汚くする必要はないぞと言われた。

 顔に煤や土を付けない状態で歩くのは逆に恥ずかしかった。スッピンで歩くのと同じ事だと言ったがそれは違うと全否定された。


髪も煤や油を取り、サラシも付けずに歩くようになると流石にびっくりされた。


「なんだよ。もうバレているんだろう?なんでびっくりしている?」


 別にドレスを着てギルドに来ている訳ではない。キキが着ていたような、ゆったりとした白いブラウスと裾の広いガウチョパンツを履いている。もちろんキキに頼んで下着も購入済みだ。ガウチョパンツはユロランで貰ったスカートをキキに作り直してもらった。貰ったスカートの丈は既に短かったが、ガウチョパンツにすれば丁度いい丈になった。胸はどうやらぺたんこだと思われていたようだ。男と思われようとしていたのに、成長期の胸をそのままにしている訳ないだろう。


 歳もなんとなく若いのかなと思われている。

レオンの態度を見ればそう思うだろうな。


「あ~ロゼ、俺には娘がいる、来年の春に王都にいくんだが…その一緒にいけばどうだろうか?俺が後見人になるぞ。アカデミーも受けられる。」


レオンに娘がいるのか、意外だな。結婚していたのか、意外だな。


「そうか、じゃあそうさせで貰おうかな」

 にっこりと笑うロゼは、ロゼに取ってはいつも通りだが、女性の恰好をしたロゼでは、周りの男どもの反応がまったく違った。


 以前ロゼは男の子ぽく見えるように煤で眉を太くしちょっと鼻筋に薄く伸ばしてメイクをしていた。今はスッピンだ。煤で少し眉を整え、まつ毛にも少し煤を付けた。銀髪の毛でよく見えなかった長いまつ毛がくっきり露わになった。スッピン風だ。

 真っ白なきめ細かな肌には特になにもすることはない、紅を差さずともピンク色のくちびる、まだ短いが肩にかかった銀髪に青が混ざっている髪はユルフワ系だ。

単に天パなだけだけど。濃い青の瞳に見つめられると男どもはぽ~となった。


「なんだ。どうした?」

「あ~ロゼ!しゃべるな!おまえしゃべんなかったらめちゃかわいい!」

ムカイだ。褒めているのかけなしているのかわからん。

まあ、褒めているんだろう。


レオンが娘を連れてきた。どこかで見た事があるなと思っていたらルキだった。

「あんたロゼ?女だったの!だましたわね!!」

と言われた。


 最近よく言われる。だましてはいないだろう。なにも言わなかっただけだ。

しかし、はっきり口で言ってくるルキは好きだな。


「ルキ久しぶりだな。レオンの娘だったのか。全然にてないな。よかったな」

どういう意味だ、と聞こえたがどうでもいい

「ルキも王都に行くのか?一緒に錬金のアカデミーを受けるのか?」



 自分より背は高いが、にこっと笑う煤が取れたロゼの顔はまだ幼さが残る。

たしかまだ成人前だった。詳しくは知らないが親から逃げていると言っていたらしい。この歳でどんな目に合ってきたのか。


ルキはアイスでも食べながら女同士話しでもしようかと思う。



よかったと思っていただけたら評価☆を頂けると励みになります(^_-)-☆

よろしくお願いします(^◇^)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ