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ジュリエッタ

「ジュリエッタ急にすまないな」

夫であるトールはジュリエッタに抱擁をする。

 4人はジュリエッタの部屋に通されるが、侍女もお付きのメイドも予定にない訪問でピリついている。


 こっちも予定のなかった仕事を任されて困惑中だ。


 ジュリエッタは王家の血筋、隣国の姫君だったお方だ。金色の髪に一筋の紫の髪がまじり、濃い紫の瞳。凛として美しい。背は長身で兄上と並ぶとほぼ同じか高いくらいだろう。


「だんな様、今日は体調が優れません。ですので…」

早く帰れと言わんばかりに追い出そうとする。

「義姉上、あなたが自分には子供がもう一人いるとおっしゃったのですよ。会いたくはないのですか?」

「もちろん、会いたいと思っています」

目を伏せる。これにみんな騙される。

「ならば、ご自身で捜せばよろしいのでは?居場所はご存じでしょう?」

俺は騙されない。

「わ、わたくしには…」

「一人でこの城を出て一人で戻ってこられた。義姉上なら子供一人くらい連れて来られるでしょう」

「そ…」

 下を向いて口を閉ざす。周りの侍女たちがもうこの辺で…と言葉を挟む。

この女いつもこれだ、弱いフリをして周りに自分の味方を配置する。


「また、だんまりですか?侍女たちは下がりなさい。」

え?と、でも、などと言っている。俺も馬鹿にされたものだ。

「下がれといったのが聞こえなかったか」

侍女たちは、さっと動き、部屋から出ていく。やれば出来るのだ。

「お、おい。バール、おまえさっきからなにを…」

「兄さんは黙っていてもらおう。これは俺が指揮している。そうですね。兄さん?」

兄さんとは、幼少の呼び方だ。バールは力が入ると幼少呼びになる。


「義姉上、もうだんまりは通用しません。あなたには本当にひどい目に合わされてきました。あなたが家出をしていた5年間、私はあなたの捜索にかかりっきり、そして体調不調で素材集めに、今度は子供?いいかげんにしてもらえませんか?私はあなた方夫婦の奴隷ですか?」

「おい!バール!!」

トールはバールの胸ぐらを掴む。

「なんです?事実でしょう。自身の身くらい自身で処理してくれよ」

「おまえ…」

バールはトールに突風を出して振り払う。


「義姉上が話せないのでしたら、もうこの件は終わりです。自分で迎えにいくかすればいい、こんな身内の下らない件、私は降りる」

「おまえ、公爵の私の妻になんてこと言うのだ!」

ぶっ飛んでしりもちを突いているトールに威厳はない。

「私も降ります」「私も」

長男と次男が揃って言う。


 ジュリエッタは今、自分の周りに味方がいないことをようやく理解した。


「ジョニルバール様、大変申し訳ございませんでした。私は私のことしか見えていませんでした。私が居なかった5年間、あなたが捜していたなんて知りませんでした。素材の件も子供の件も、だんな様が捜してくださっているとばかり。だんな様に甘えていたと思っていました」

ジュリエッタは立ち上がり、深々と頭を下げた。


「兄上が自身で捜すわけがないでしょ。外に漏れても困る。プライドだけは高い兄上ですから、身内の恥は身内で、私が犠牲になりましたよ」


「恥ですか…」

「恥でしょう。妻が家出なんて、しかも不倫、大スキャンダルですけど。しかも子供まで!あなたは子供を見つけてどうするおつもりですか?誰の子と言うつもりですか?後のことをどう考えておられますか?」


 バールは畳みかける。ジュリエッタは、夫、長男、次男に助けを求めるように見るが誰もなにも言わない。

 誰も助けてはくれない。


「私はどうすれば…」


「家出の時から話してもらいますよ。私の15年を返していただく」


 15年、そんなに長く私は無知だったのですね。



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よろしくお願いします(^◇^)

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