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紫姫の捜索

 くっ…目と鼻の先とはこのことだ。

ジュリエッタの故郷は隣国だ。家出をしたことを知っているのか匿っているのか分からず下手なことも言えず、秘密裏に探り、初恋の君まで追い詰めたがその者はすでに婚姻しており匿っている感じでもなかった。

 ジュリエッタの交友関係などもそんなになく、逃げるなら北か南か。端から端まで捜し、島の方まで捜索し、もう死んでいるのではないかというくらいに見つからなかった。


 それが、王都から南に2つ行った街のユロラン?!

 まったくあの女、やってくれる!!


 そしてまた俺は甘かった。男と住んでいた場所まで聞き出せたのなら簡単だと、今でもそこに住んでいるだろう。すぐに見つかるだろうと思っていたのだ。



 次男のジョニバディルイとユロランに向かう。一気に転移は出来ない。魔力切れを起こす。所々に転移場所を設けている。数回ほど転移すればユロランに着く。

 転移後は、住んでいた町を馬車で移動する。ずいぶんと貧しい町だ。所謂下町だ。

義姉上はこんな所に5年も住んでいたのか…あんなお姫様がよくこんな臭いもするような下町で我慢が出来たものだ。


「ディルイこの辺だ。花屋はあるか?」

「叔父上、この辺りのはずですが…聞いてきます」


 ディルイは長男のデェルスより出来る男だ。こんな使いパシリをさせておくなんて兄上はなにを考えているのか…。次期頭首はディルイが向いている。それは誰もがわかっていることなのに。ま、俺には関係ない。俺も早く兄上から逃げよう。ジュリエッタのように。

 俺は、ジュリエッタのように戻りはしないがな。


 ディルイは八百屋の主人に話を聞いているようだ。

「花屋の子供?ミルのことだろう。やっぱりミルの母親はいいとこのお嬢様だったわけか」

 はははっと笑っている。まさか、公爵家の若奥様だったとは思うまい。


 八百屋の主人は、ジュリエッタが現れた時のことを話してくれた。

女は急に花屋のジョセフという男の妻になっていた。名はリタ。婚約とか結婚するとかの話もなにもなかった。

 急にいたと、しばらくして子供が産まれていたと、もう前の事で覚えていないと、でも何年かして病で死んだ、と聞いているが葬式はしていない事は覚えている。たぶん逃げられたのだろう、という。


 花屋はどうした、と聞くと、ああ、とバツの悪そうな顔をした。

「ひどい生活を強いられていてね、ミルは逃げたんだ」という。


 またか…母が母なら子も逃げるのか。

 今どこにいるのかはわからない、と父親もその後突然消えた、と父親はいい、

 子供はどこに行った!もういい加減にしてくれ!!


「リタも逃げるならミルも一緒に連れていけばよかったのにと思うよ。本当にひどい生活だったから」


 ミルの生年月日、特徴、どこに逃げたのかとにかく情報がほしい。


 そのリタが反省して捜していると告げると八百屋の主人は快くおしえてくれた。

やっぱり生きていたんだなと、笑った。


 ミルの生年月日は、詳しくは忘れたが2554年の秋だという。近所のルーイも同じ年の夏だったから覚えていると。髪は銀髪で瞳は紫、濃かったと。

出ていったのはたぶん、10歳くらいのころ。スラリと背の高い子だよと。


 さすが、ジュリエッタの子だな。背が高いのか。


「ああリタも背が高かったが、ジョセフも背が高かった。ミルはジョセフ似かな、ははは」


 ジョセフは高身長と。

 そのルーイにも話を聞きたいと家を教えてもらう。

「花屋のお向かいだいよ。雑貨屋だ。でもルーイは婿に行ったのではなかったかな」

 と教えてくれた。


 お礼に10銀貨を渡すと喜んだ。

「おお、ありがたい。本当はミルのことでお金をもらいたくないが生活が苦しくてね。助かるよ」


 人のよさそうな主人だった。そのミルのことをひどく心配していた。

父親の仕打ちや扱いに何度も注意をしていたと、あの子はしっかりした子だったからどこかで生きている、保護してほしいと、言われなくても保護する。


 そのために、動いているのだ。あのクソ夫婦の前に突き出してやる。

 いや、そのミルには責任はないな、八つ当たりはやめよう。



 雑貨屋に行く。雑貨屋の主人は隠居していた。店は息子に任せ夫婦で近所の農園を手伝っているのだとか、その農園に行く。近くといっても街から外れて馬車で1時間ほどかかる。

 冬でも農家はすることがあるのかと不思議だったが、なにやら人が住めそうな大きなテントの中に火を焚き空気を温かくして野菜を育てていた。


「テントの中は温かいな、このようにすれば冬でも野菜が育つのか」と感心していると、「どなたかね?」ブラウンの髪に少し白髪が混じった男が話かけてきた。


「ああ、済まない。人を捜している。花屋のミルという女の子だ。なにか知っているかい?」

「ああ、あの子か…」

 八百屋の主人と同じことをまた説明する。

 あの子の父親は、それはひどかった。という話をまた聞かされる。父親の話はどうでもいいのだが、ミルの話にはその父親の話をしないと進まないようだった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 50代のおばちゃんという前歴(?)が、やたら話に絡んで前に出るわけでもなく、かといって「作者、その設定忘れてんじゃ?」というほど長らくそういう面が描かれないわけでもなくというのが、なかなか…
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