恋?
「は?だから出来ないよ」
「本当に?」
「しつこい」
確かに、ロゼはなにもしていないし、あの騎士が言っていただけだけど…
もし精霊と意思疎通が出来て、精霊がロゼの言うことをなんでも聞くとかになったら、王家を乗っ取るとか考えたらとんでもないことになる。
ロゼを隔離しないと…
…隔離なんて出来る?精霊が付いているのよ?ロゼに逆らえば、私が精霊なしになる…あれ?どうにもならない。ロゼを…ん?なんにもできないわ。ほっとくしかないのね。
キキはようやく、どうしようもないことに気が付いたらしい。
ロゼはキキの心配ごとより違うことを思っていた。
後2年かぁ、成人して王都に行ってまだ結婚していなかったら求婚してみようかな。女から求婚してもいいだろう。ジンがどこに住んでいるか聞いとくか。
ジンはいいやつだろう。私は男を見る目がないようだが精霊は違う。あんなにたくさんの精霊付きだものきっといい物件に違いない。
あれっ?でも私もたくさんの精霊付きだけど、いい物件でもないかもしれない。精霊が言うには魔力がおいしいとか甘いと言う。そんなの生まれ付きだものね。ジンも生まれ付きか、悪いことを考えていないだけだ。
じゃあ普通か…
金貨が好きだと言ったら笑われたな。みんな好きだろうに。なんか冷めてきた。
ジンがギルド長室に戻ってきた。
「今いる全員取得したぞ。いとも簡単に。俺もすんなり理解できた。一応取得は出来ていたが完璧ではなかった。不思議だな。しかしなんか納得したよ、王都にいる騎士の練習生の中にピストル弾を扱える者がいて、教えてもらおうとしたが全然理解出来なかった。理由はこれか」
ジンはロゼを見る。
見てんじゃねーよ。
「やっぱり君は不思議だな。王都へ来ないか。色々と話がしたい」
求婚は却下。やめだ。
「もういいのか、じゃあ俺は帰る。キキ、明日はキキの工房に行ったらいいのか?」
「え?ええ、私の工房に…」
ロゼはジンを素通りする。
「俺を無視するのか?」
ジンはニヤリとしながらロゼの腕を取ろうとする。
「触るなよ。俺を怒らしたら精霊なしになるぞ」
ロゼはニヤリとする。
「い、いや、まあそうだな、王都に遊びに来たかったら案内するぞ」
ジンは両手を上げている。
「その時は、よろしく頼む」
ロゼはにっこりと笑い、さっさとずらかる。長居は無用だ。
ジンから精霊を離せるわけがない。ものすごく好かれているのだ。でもそんなことジンは知る由もない。いい脅し文句になっただろう。俺を王都に引っ張って、どうしようと言うのだ。貴族の見世物にでもして出世でもしたいのか。お断りだ。
さっきの話はキシたちの事だろう。無事に合格して元気でいるようだ。ちょっと話をしたいが今は精霊の事を探られそうで面倒だな。
ギルドを出てアパートに帰る。
確かにいい男だったが、取り立て何がいいってわけではない。私は面食いじゃないし、一目惚れなんてしない。まっ優しくしてくれた人にはもれなく好感を持ち、そしてザリには騙された。
でも、いきなり求婚ってなんであんなこと思ったのか…。
『あの男、白ちゃんいたよね』水の精霊がいう。
白ちゃん…がいたらなに?
『白ちゃんいたら好きになる』緑の精霊がいう。
どういうこと?白ちゃんいたら好きになる?
『白ちゃんのお願いみんな聞くよねー』時の精霊がいう。
白ちゃん好き、みんなお願いを聞く…さっきもレオンの精霊にお願いして…
白ちゃんてもしかしてけっこうヤバイの?
『ヤバイよ、ヤバイよ~』いやいや、
もしかして、魅了的なことが出来るとか?
まあ、さっきのレオンのことだって私が魅了させて言わせたと言われればそうなるな。じゃあジンの場合も…ジンの魅了に掛かって結婚したいとか思ったのかな?
なんでそんなこと思ったのか?魅了されると好きになるの?すぐ冷めたけど。
『あの男の白ちゃんは小さい子だったもの。うちの白ちゃんに敵うわけないよぉ』
なるほど、光の大きさで優越があるのね。
となると、あの男はわざと私の目をじっと見たな。なんか近いなって思ったんだよ。自分の魅了で好意を持たせて洗い浚い言わせようとしていたって訳だ。いかん、今更ムカついてきた!!どうしてくれようこの怒り!!
やっぱり、初対面でいい顔してくる奴はロクな奴がいない。気を付けよう。
はぁようやく、中級ポーションの講習が受けられる。あっ魔石も掘り起こしに行かないと。また春になったら埋めに行こう。
次の日にキキの工房に訪れる。キキの弟子は思ったより少なく才能がまあまあないと認めないようだった。私は才能を認めてもらえているようだ。
「当り前じゃない。ピストル弾を発案したってだけで才能ありありよ!」
自分で考えたわけではないが、ま、いっか。
ロゼは優秀なのになぜ低級の取得が遅かったのか。それは、赤・青・黄のポーションを同時進行しているからである。水の精霊と契約しているとされるロゼは青のポーションを作れさえすればいいのである。
しかし、赤も黄もと欲張って取得しようとして遅くなっているのだ。もちろん、赤と黄のポーションは正式な取得は出来ない。
しかしながら、青と黄のポーションの配合は出来ているが赤がまだ不完全なので低級ポーションはまだ取得していないと思っていたのだ。
中級もそのノリだろう。
残りの冬はキキの所で講習を受けたり、レイジュ様の所の温泉に浸かりに行ったり、エトたちとご飯に行ったりして平和に過ごしていた。
ピストル弾の講習もあれから、すんなり取得出来るようになり、月一にはロゼの銀行に金貨が支払われた。これから王都や他の街でも講習が開かれるたびにロゼに金貨が支払われることになる。もう働かなくてもいいご身分だ。
ジンは暇なのかあれから「鍛えてやる」とアパートの7階まで押しかけてきた。
毎度水圧で1階まで放り投げている。
「あーははははは!お前はムチャクチャだな!!」
落ちて足が変な方向に曲がっているのに豪快に笑っている。
「俺はすぐにケガは治るんだ、昔からな。ははは!」
でしょうね、だから落としている。
もう来るな。
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