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再びギルド長

 ロゼは面倒くさいと思ったのか、早口でまくし立てた。


3人の親たちはロゼの早口に唖然としている。まるで用意をしていたかのような言い回しだ。

 用意をしていたのだ。所詮、親など金に目が眩むものだ。いつかこうなることは想定済みだ。だからレオンに責任を取ってもらうべく、許可を張り巡らしたのだ。


「今日はもうなしだ。ギルド長と親たちで話をする。おまえらは依頼でも受けていろ」

 ロゼは3人にそう言うと、冒険者ギルドに歩き出した。

親たちもそれに素直に従う。



 エトは複雑だった。心配して様子を見に来てくれたのだろうとは思えなかった。その証拠に父とは一度も目が合わない。まるでエトのことなどいないかのように父は歩いている。


 昔の父ちゃんはこんなじゃなかった…僕が緑の精霊付になったばかりに…



「なんだ、またおまえか…今日はなんだ」

レオンに事の流れを話す。

「それで、俺にどうしろという…」

レオンは面倒そうにロゼを見る。


 面倒くさいのはこっちである。薬草はこの街のためでもあるのだぞ。ちょっとは協力をしろ!魔石の請求を半分くらいにしてやろうかと思ったが全額請求してやる!


「錬金術や魔術具の職人でも弟子でなければ、その内容は引継がれないはずだ。俺がエトに任せた事も同じことだ。親であろうと弟子でなければ教えられない。それをこの親たちにも分からせてくれ」


 ロゼは若い自分の言うことは聞かずとも、えらい人であるギルド長の言葉なら聞くものであると、思っている。前世から人とはそういうものだ。


「あ~わかったかな?そういう事だ。これでいいか?」

レオンはロゼが正しいと肯定している。

「親たちも納得しているな?」

はい、終わりと言わんばかりだ。


ロゼは親たちの顔を見るが納得しているようには見えない。

「言いたいことがないのであれば、次からは処罰があるな?ギルド長」

ロゼは最後のひと押しをする。

「んっああ、そうだな。罰金刑だな。あ~勝手に固有資産であると認められている技術を垣間見る行為は処罰に値する。決まりがあるな」


親たちがザワつく。


「エトの父親、マトだったか?あんたは何している?俺の許可なくエトに合う権利は与えていない」

レオンはエトの父親に向き直る。


「子供に合うために許可が必要などとおかしい!今まで育ててきたのは俺だぞ!俺の息子を弟子にしたいのなら、支度金をよこせ!!」


 あ~あ、言っちゃった…。

 弟子になるのに支度金など必要ない。そもそも本人からの要望だ。

 そもそもなぜ、金がそんなにいるのか…


 マトの店は今や息子たちが継いでいる。所謂オーダーメイドの靴屋だったのを大量生産型に変更して大成功をした靴屋だ。

 下町と言え、靴はオーダーメイドが支流だった。そのため手作りの靴は高い。成人になって初めて新調するのだ。子供は親や兄弟のお下がりに修復を繰り返して使っているのだ。靴屋も修復で食べているようなものだ。

 それをマトの息子たちが住民の靴の平均を出し番号を振って、型を作った。同じ物を多く作り安く売ったのだ。新しい靴が今までの3分の1の金額で買えるようになった。裕福でない下町の人たちにとっては安く手に入る靴は有難いのだ。

 それは画期的なことだった。なので、お金には困っていないはずである。


「あんたの靴屋は繁盛しているんだろう?なんでそんなに金はいる?」

ロゼの言葉にマトは言葉に詰まる。


「俺は反対したんだ。靴はその人に合ったものを作る。本人の足型を取ってぴったりの靴を作るんだ。それが靴屋だ。それなのにあいつら、成功したからって、古いだの儲けがないだの…俺をバカにして…」

マトは下を向いて悔しさに震えている。


「は?それがエトを農家に売ったこととなにが関係してくるんだ?」


「あいつらは最近になって育てた恩も忘れて出て行った。繁華街で大きな店を出すって。俺たち親を置いて出て行ったんだ!今から3男に靴職人にしようと思ったがすでに職を決めて結婚するって出て行った。4男は間引き中だ。来年は王都に行くと言う。5人も子供を作ったのに、エトだけになってしまった。

 エトは緑の精霊付だ。いくらでも野菜や果物を精製出来るだろう?農家に養子に出せば、支度金が入るはずだった。エトも得意な所で働いた方がいいだろう」


 マトは自分の老後を息子たちの誰かに見てもらい、自由になる金がほしかった。そう言っているようだ。言い訳をつらつらと話すが、エトの方を見ようともしない。


「エトは魔力切れを起こすほど、酷使されていたんだぞ?支度金とやらがいくらしたのか知らないが、かわいそうだとは思わなかったのか?」


 マトは下を向いていてどんな表情をしているかは分からなかった。


「はあ、今は見習いだから儲けはないだろうが、来年・再来年と儲けは出てきていただろう。エトの意見を聞いて、この俺に弟子として家から通わせていたら普通に儲けの3分の1くらいは家に入れていたと思うがな」

「え?」

ロゼの言葉にマトは顔を上げ初めてエトを見た。


「もう遅いけどな」

後は、エトが許すかどうかだが俺の知ったことではない。


マトは忠告済みということもあり、罰金刑金貨1枚だ。


 わお、けっこう高い。10万円だ。


よかったと思っていただけたら評価☆を頂けると励みになります(^_-)-☆

よろしくお願いします(^◇^)

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