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これからの生活

 来週からザリの工房に行くことになっている。今日は緑の日、あと4日。

次の日、朝3回目の鐘の音とともに出発した。昨日のことを考えれば1時間半は掛るだろう。


ロゼは森をずんずん進みながらこれからの説明をする。


「俺は来週からザリの工房に入るんだ。ザリには連絡して1日おきにしてもらった。

俺が工房に入るのは緑・火・風の日だ。時・土・水の日に引継ぎや攻撃魔法の訓練をする。その日以外勝手に森に入るのは禁止だ。わかったか?」


「え?じゃあ師匠がいない日は、なにをすればいいんですか?」

「適当に、ギルドで自分たちが出来る依頼をこなしたらいいだろう。お前たちはまだ見習いだし、世間知らずだ。今年はこれから一人で生活するためにどうすればいいか情報収集するんだな」

「情報収集ですか?」

エトは不満顔だ。


「そうだ。いきなり子供が一人で生活するのは大変だぞ。ひとつひとつ考えてみろ。洗濯は誰がする?洗濯にはなにが必要だ?食事はどうやってする?買い物は?肉や野菜はどこに売っている?いくらだ?ほかにも急に出来るのか?俺は家を出る前に色々情報収集してから出たぞ。エト、俺は薬草の引継ぎはするが生活習慣までの面倒は見ない。聞かれれば答えるが、受け身のままだと苦労するぞ」


 エトは、はっとする。今はギルド長の家にお世話になっている。食事も洗濯もやってもらっていて、なにも自分ではやっていない。来年の春にはギルドのアパートに移ることになっている。今のままでは確かになにも出来ない。


「ありがとうございます。しっかり情報収集して来年の春、独立したいと思います」

「じゃあ俺も来年からギルドのアパートに移ろうかな。俺も3男で下にもまだ弟妹がいるからな。来年は14歳になるし、エトの近くにいた方がいいだろう?師匠」

なぜかミタまで師匠呼びになっている。


「なんでミタまで師匠なんだよ…まぁそうだな、エトはなにかと騙されそうだから誰かそばにいた方がいいかもしれん」

「師匠…僕そんなに頼りなさそうですか…?」


「じゃあ俺もアパートに移る!アニキたちがうるさいし、昨日もらった1銀貨2枚だって盗られたからな!俺も来年までに情報収集して独立します!師匠!!」

 

ウキもアパートに移ることを宣言した。


「師匠と言いたいだけだろう。いいけど…」

「「「よろしくお願いします!」」」


 3人にはまず、道を覚えてもらう。あとは特に引継ぎはない。大体の引継ぎは緑の精霊にお願いしている。ロゼの精霊とエトの精霊がなにかおでことおでこを合わせている。この光景は、ピストル弾の講習のときもよく見かけた。精霊同士が思いを継げることで同じような感覚が身に付くようなのだ。

 もちろんそれだけではうまく扱えないからセドのように取得に時間の掛るものが出てくるのだが。


「みんな、道をちゃんと覚えろよ、エトは薬草の種類に名前だな。ギルドのフロアの奥に薬草辞典がある。あれを熟読してくれ。後、売る金額。足元見られないようにしろよ。今まで俺が決めていた単価をおしえるから。精霊の力を借りて薬草を育てていることは重要なんだもう少し高くしてもいいかもな。安売りするなよ!俺はギルドのアパートの7階にいるから1年は相談にのるぞ」


「ありがとうございます。でも…1年だけですか?」

「もうすぐ成人だろう?甘えるな。さっき自立しますって宣言したばかりだろう。些細なことも相談しに来てもいい、来年までな。でもエトなら大丈夫だよ」


「はい、わかりました。頑張ります」

エトはあの農家に比べればどんな仕事も出来る気がしていた。来年までだが、師匠がいることはありがたかった。


「ミタとウキはまず、剣と弓で小さい魔獣を狩ってこい!それから魔法だな」


「え?剣と弓?魔法をおしえてくれるんじゃなかったのかよ!」

ウキが叫ぶ。どうやら剣と弓は苦手のようだ。


「俺も最初は剣と弓を覚えてからの魔法だぞ。やっぱり魔獣に対して恐怖心が出るからな、近くまで行って狩ってきて、初めて魔獣と戦えるんだ」

もっともらしいことを言ってみる。


「心配するな、最初は俺が相手になってやる。魔獣も俺が引率する。ラビット系の魔獣なら大丈夫だよ」


「「はーい…」」

2人は不満そうだが、覚えて損はない。


エトは薬草のあれこれを、ミタとウキは剣と弓を。

ロゼは、低級ポーションを。


それぞれ、訓練を始める。

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