森の薬草園
ぐるぐる歩くこと昼1の鐘の音。薄っすらと昼の鐘の音が鳴っているのが聞こえている。昨日の夜に作った道なき道に説明をしながら子供たちの足に合わせ、歩いていたので、2時間ほどかかってしまったようだ。
ロゼも子供だが鍛えていたし、精神は大人なので耐えられているが、しっかり13歳の子たちは、こちらの世界の子でも根性がない。「疲れた~」だの「まだ~」など文句が多い。それは、ミタとウキに限るが。
エトは一回あの農場での出来事があった為、根性が据わっている。ミタとウキが甘ちゃんなのは仕方がない。
「ほれ、着いたぞ。ここだ。毎日通うんだぞ」
「はあーーやっと着いたのかーー」
「毎日――?」
「ここが…すごい、薬草だらけだ…」
三者三様なコメントで、驚いている。
昨日、ちょっと植えた薬草たちはぐんっと成長してまさに群生地になっていた。
緑の精霊たちがドヤ顔をしている。後で褒めておこう。
昼飯は2人分しか用意がなかったが、適当に魔獣を狩って捌いて食べた。本当は離れた場所で収納をしていた魔獣を取り出しただけなのだが、ミタとウキは大きな関心を示した。
道すがら魔石が埋まっていること、この群生地にも魔石が埋められていること、魔石が埋められている箇所に木札があって全部で27個あると説明した。
「じゃあ俺たちは必要ないんじゃないの?」
ミタとウキはこんなところまで何にしに来たのかと思う。
「毎日だぞ?なにかあるか分からない。森では3人1組で動くのは鉄則だ。しかもエトがなにかで倒れたりしたら誰もエトを助けられない。それに絶対に収入はあるわけだし、歩けば足も鍛えられる。歩いているだけで疲れた~とか言っていただろう。冒険者は歩くのが仕事だぞ。そんなんで他の仕事だって出来ないぞ」
「うッ…」2人は顔をしかめる。
3人1組が鉄則とか歩くのが冒険者の仕事かは知らないが無理やり納得させる。
「まあ、しばらくは護衛をして鍛えるのはいいんじゃないか。エトの手伝いをしながらな。成人になったらまた考えも変わるさ」
ロゼは、今だけでいいと言う。
「今だけでいいの?」
ウキが聞いた。
「冒険者はずっと続けていく職業じゃない。冒険者をしながら将来どうするか金をためながら考える時間だ。他の奴らだって、食堂の子と結婚して料理人を目指したり、騎士を目指して王都に行っている。
エトもずっとこの薬草採取をすることはない。違う目標が出来れば緑付の子を見つけて引き継ぎをすればいい。俺がそうしたように」
エトはこの仕事をずっとするつもりだった。それが辞めてもいいと言われてしまった。
「ずっと続けてはいけないんですか?」
エトは不安そうに聞いた。
「いや、続けたければ続ければいいんじゃないか?でも飽きるぞ?」
ロゼは飽きたのだ。
「え?師匠は飽きたから辞めるんですか?」
「いや…こんなことずっと続けていくのは飽きるだろう。やっていればわかる。飽きないのであれば、ずっとやっていればいい。エトの自由だ。護衛は信用できるものにしろよ。乗っ取られるぞ」
この1年は面倒を見るが後のことは知らん。ノータッチだ。どうせ、緑の精霊がいないとすぐに萎れると思うが、他の奴らは本当に自然に出来た群生と思うだろうからな。まっしばらくはこれで食えるんじゃないかな。後は、レオンに丸投げだ。レオン、街の為に頑張ってくれ!
その日は、みんな疲れたようで、薬草を採取して帰宅する。薬草の代金を全額あげてもいいが、今日はなにもしていないので1銀貨2枚20ベニーを給金として3人に渡す。それでも3人は喜んだ。いつもは1銀貨と5銅貨1枚ぐらいしかならないらしい。つまり15ベニーくらいの給金しかなく、それをすべて親に取られるのだ。
今日から15ベニーは貯金しろよとロゼは言った。親には5ベニーで十分だと言う。
ロゼは、自分で貯金することも教えた。
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