少年の親たち
冒険者ギルドに着くと、レオンが待ち構えていた。
「間引きはもう終わったのか?」
ロゼが尋ねる。
「そんなわけあるか!俺は近くまで引率して帰ってきたんだ。4か月もギルドを留守に出来ないからな」
「ふーん。で、なにしてる?そんなところで」
レオンは受付にいた。いつもは2階にあるギルド長室にいるはずである。
「ロゼを待っていたんだ。その子は?ブラウンの髪に緑の瞳、特徴が合うな。親が探している。見つけたと思ったらおまえが飯屋に連れ込んだと探していた兵士からギルト職員に連絡が入ってな。兵士はおまえを知っていたようだから様子を見ていたんだと。食い終わったらギルドに来ると思ってな」
門番の兵士や見回り兵士などは、なんだかんだとお世話になっております。
「なるほど、正解だったな」
にっこり笑うロゼ。
「迷子を拾ったのか?」
「いや、この子は自主的に俺の弟子になりたいそうだ。俺も弟子にしてもいい」
「はぁ?弟子?なんの弟子だよ?」
「そのことで話がある。上で話せるか?」
「いいだろう。親には見つかったと連絡して置くぞ」
「ああ」
3人はギルド長室に向かう。
「なあ、ロゼ今からでも間引きに行ってくれんか?上級者もいるが心もとない」
「こんな若造にたよるなよ。5年あったのになんで準備してないんだ」
「ぐっそれを言われると…」
レオンはこの5年なんの対策も講じていなかったことを言い当てられてしまった。
ギルド長室に入り、念のため人払いをしてもらう。
「で?弟子ってなんだ」
飯屋で話した内容をレオンに伝えた。
「調べよう。エトと言ったか?その子の話が事実ならば養子縁組は出来ない。しばらくギルドで保護しよう。で、ロゼの薬草の引継ぎの話を進めてもいいんだな?ギルドとしても助かる」
「ああ、構わない」
ロゼは案外うまくいきそうだと胸を撫でおろす。
「それで…その引継ぎ内容だがギルドも参加していいか?」
レオンは上目遣いで聞いて来た。
「いいわけないだろ!俺が苦労して見つけた薬草の群生地だ。弟子にならないと教えん!しかも一人だ!」
「だ、だろうな。そうだよな。わかっている。怒るなよ…」
エトの両親と里親候補が冒険者ギルドにやってきた。ちょうどいい、両親がそろっている。とロゼが思っていると。
「ロゼ、口出しするなよ。ギルド長の俺から話を通すからな!」
レオンからクギを刺されてしまった。ロゼはレオンの後ろで待機させてもらう。
「エト!!お前無事だったのか!よかった。攫われたのかと思ったぞ」
エトの両親がエトに抱きつく。
「本当にありがとうございました。今日はこれで帰らせてもらいます」
さっさと帰ろうとするエトの両親とその里親候補。
「いや、待ってくれ。ギルトの人間が動いているんだ。色々と調書を取らねばならん。今日はエトをギルトで預かるとする」
レオンが威厳たっぷりに言い放つ。かっこいいではないか。
「えっでも、事件性はないんでしょ?エトも疲れているでしょうし、明日にでもエトをギルドに向かわせますから」
と、連れて行こうとする。
「事件性がないとは言ってはおらん。疲れているのであればギルドで宿を手配する。そこで休めばいい。往復させる方が疲れるだろう。これは命令だ。あんた達の承諾は必要ない」
命令と聞いて無理やり連れて帰るわけには行かなくなり、渋々承諾する。レオンはエトを奥の席に座らせると親たちを椅子に座らせた。
「少し話をしよう。そちらの方は?」
レオンは里親候補に視線を向けた。
「え…言う必要があるのですか?」
「は?一緒に迎えにきたのだから調書に書かねばならん。言う必要はある」
「そうですか、わかりました。この方達はエトの里親になる方です。心配して一緒に来てくださいました。」
「里親?坊主を里子に出すのか?」
知っているくせに白々しい。
「はい。エトは緑の精霊と契約していまして農家の方が向いているのではないかと…エトは5男ですし、うちの靴屋はもう継ぐ者がいるので」
「そうでしたか。で、どこの農家の人かな?」
レオンはやさしく笑顔で対応している。
気持ち悪いな。
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