興味ない
ロゼは一夜にして1千万円を手に入れてご機嫌である。しばらくは薬草だけ摘んでゴロゴロしていようと思っていたら、乱暴に部屋の扉をノックする者がいる。セドだ。
「明日から間引きに向けて出発だぞ。用意は出来たのか?」
「いや、俺は参加しない」
「はぁ?うそだろう?なんで?」
棒読みだ。レオンに行って来いと言われたのだろう。
「間引きは自由参加だろ?」
「そうだけど、金もいいし、騎士試験も掛っているんだぞ!しかもおまえ、ピストル弾の発案者じゃないか!」
「騎士試験なんて興味ない。発案も関係ない」
「え?騎士になりたくないのか?」
「興味ない」
「明日の朝、迎えに来るから準備しとけよ!」
「だから参加しない。しつこいゾ」
いい加減、対応がいやになってきた。ここ2週間、いろんな奴らから誘ってきていた。すべてレオンの差し金だろう。しばらくセドとにらみ合いが続く。
「どんな条件なら参加するんだ?服屋のラミとのデート券か?それとも…」
「しつこい!!どんな条件でも参加しない!!」
セドを水圧で投げ飛ばした。
明日は階段に水の幕を張って部屋まで来られないようにしよう。
次の日、間引き団一行は森に出発した。何人か水の幕で溺れていたけど気にしない。間引き団は第1団と第2団に分れて出発する。第2団は10日後だ。少なくともすべての一行が戻ってくるのは4ヶ月掛ると説明を受けている。
夏の間中、森の中とかうんざりである。
しばらくは、ゴロゴロするのだー。
ロゼは久しぶりに昼過ぎまで寝ていた。
しばらく部屋の中でゴロゴロと精霊たちと過ごしていたが、さすがに飽きてきた。
冒険者ギルドに足を運んでみるとギルドの中は閑散としていて、めぼしい依頼もなかった。
間引きしている間は主要メンバーがいなくなるため、依頼も少なくなるようだ。間引きは成人のほとんどの冒険者が参加している。自由参加とはいえ参加しないと冒険者としての格が下がる。ギルド長の信頼も得にくい。ロゼに取ってなんのマイナスにもならない。レオンには間引きに参加すれば中級者になれるぞと言われたが、なんの特にもならいない階級など興味がなかった。
そもそも成人していないので、弾かれるのだが。
参加者はスズカにて参加者登録をする。その際に成人でないものは弾かれることになっている。未成年者が金ほしさに偽って参加させないためである。
ギルドに来ている者では、未成年者かいつもはいない女性が多い。この間引き時期になると男性の代わりに小遣い稼ぎに女性が来るようだ。
いつもは男性ばかりでなかなか入りづらいのかもしれない。
ピストル弾の関係で知り合いが多くなったロゼはなにかと話かけられた。
「間引きに参加していないの?」
「成人男性はみな参加するものよ」
「自分勝手に参加しないなんてこの街に住む権利はない」
など、はっきりと言う人もいれば、陰でコソコソと言う人もいる。
成人していません!と言いたいのを我慢した。あと2年の辛抱だ。
一人で錬金術の練習でもしていようとギルドを後にする。アパートに帰る途中また声を掛けられた。
また、なにか文句を言われるのかと振り返ると
「ロゼ、こんな所で何している?間引きは?」
今日1日で10回は聞かれた質問だ。
「ザリか。参加していない。以上だ」
「はぁ、そのようすだと同じことを何度も言われた感じだな。ハハ」
ザリは冬の間、錬金術を教えてくれていた師匠だ。
「そういうことだ。帰る」
「まあまあ、近くにおいしい飯屋がある。奢ってやるから食べに行こう」
ロゼはザリの後を付いていく。
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