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追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜  作者: 盆ちゃん


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第60話 魔境の遺跡と、幻の魔導書

第60話 魔境の遺跡と、幻の魔導書

 辺境の街アシュタルの東、小高い丘に広がる非公式クラン『絆紋亭』の拠点は、今日という日もまた、世界中のどの場所よりも優しく、そして奇跡のような調和に満ちた朝を迎えていた。

 庭の中央にそびえ立つ精霊樹は、日を追うごとにその存在感を増し、今や拠点の絶対的な要として太く力強い幹を天へと伸ばしている。その豊かに茂った枝葉が朝の心地よい風に揺れるたび、チリン、チリンと微かな鈴の音のような魔力の波紋が広がり、庭全体を極上の癒やしのオーラで包み込んでいた。

「きゅるるーっ!」

「ウォンッ!」

「ピィィィッ!」

「ヒンッ♪」

「ルルゥッ♪」

「シャァンッ♪」

「きゅあぁっ♪」

「キュゥッ♪」

「ホゥッ♪」

「キュイィィッ♪」

「キュルルゥッ♪」

「パタパタッ♪」

「プゥゥッ♪」

「ピィッ♪」

「サララッ♪」

「グルォォォッ!」

「ウォォォン……♪」

 澄み切った青空を背景に、空色小竜のソラ、雷鳴の怪鳥ライ、黄金の天馬ルミナ、翡翠の風呼びシルフィ、星詠みの白梟ステラ、黄金の女王蜂メルティ、黄昏のグリフォンであるシエル、意思を持つ魔道具である銀色の空飛ぶ絨毯シルキー、焔の不死鳥の雛フィア、古の樹精リーファ、風呼びの巫女の末裔ウィンディ、鏡の精霊ミラー、雷霆の白虎ライト、そして先日仲間になったばかりの氷狼の皇子シリウスが楽しげに上空を旋回、あるいは地上を駆け巡っている。ルミナの放つ神聖な黄金の光、ライとライトの纏う青白い雷光、ソラの美しい空色の鱗、シルフィとウィンディが巻き起こすエメラルドグリーンのそよ風、ステラの星屑を散りばめたような銀色の羽ばたき、メルティの放つ黄金の鱗粉、シエルの夕空のような美しい翼、シルキーの滑らかな銀色の布地、フィアの放つ温かな炎の軌跡、リーファの放つ淡い翠色の光、ミラーの作り出す虹色の光のプリズム、そしてシリウスの放つ冷涼な銀色の光が交差し、まるで空と地上に生きた巨大な芸術作品が描かれているかのようだった。

 そんな賑やかな光景を縁側から見守りながら、二匹の魔物が堂々たる足取りで庭を歩いていた。

 銀色のウルフである『フェル』と、純白のポーションラビットである『ピコ』だ。

 彼らは、俺が王都を追放され、この名もなき辺境の森にたどり着いたその日に、一番最初に俺の『絆紋』を受け入れ、共に歩み始めた最古参の相棒たちである。

 フェルの銀色の毛並みは月明かりのように美しく気高い光を放ち、その体躯は一回りも二回りも大きくなり、森の王者のような風格を漂わせている。ピコもまた、その小さな体には信じられないほどの敏捷性と強靭な魔力を宿し、仲間たちを癒やす要として立派に成長を遂げていた。彼らの後ろを、瑠璃色の幼竜ラピス、紅蓮の精霊狐イグニス、大地の巨熊の幼獣ベル、幻影の小狐ファム、夢紡ぎの獏ネム、癒しの水妖精ディーネ、巨木の守護獣ウドといった幼い魔物や精霊たちが、よちよちと、しかし元気いっぱいに追いかけていた。フェルとピコは時折立ち止まり、幼い魔物たちが転ばないように優しく鼻先で促している。その姿は、この大家族の頼れる兄と姉そのものだった。

「フェル、ピコ。今日もみんなの面倒を見てくれてありがとうな。お前たちがいてくれるから、俺は安心してこの場所を守れるんだ」

 俺ことレインは、縁側に腰掛けながら、足元にすり寄ってきた二匹の頭を順番に優しく撫でた。

「ウォンッ♪」

「キュイッ♪」

 フェルは嬉しそうに目を細めて俺の手に頬をすり寄せ、ピコは自慢の長い耳をピクピクと動かして俺の膝の上に飛び乗ってきた。

「さて、みんなのお腹が空く前に、朝飯の準備をするか。今日は魔力農園の野菜がとびきり美味しく育っているはずだからな」

 俺がそう呟くと、フェルとピコは力強く鳴き、ラピスやベルたちを連れて水路の方へと遊びに行かせてくれた。

   * * *

 一階の広々とした厨房へと降りると、そこにはすでに見習い魔導士のエリス、仕立屋のリナ、元王都特級密偵のシオン、元宮廷料理人のセシル、元聖騎士のフレア、天才錬金術師のノエル、流浪の精霊弓士ライラ、猫耳の行商人ミーア、元Sランク冒険者の剣聖シルヴィア、元宮廷魔導水質管理官のアクア、流浪の吟遊詩人カノン、風呼びの巫女の末裔ウィンディ、そしてミラーがエプロン姿で立ち、手際よく調理を進めていた。

「あ、レイン様! おはようございますっ!」

「レインさん、おはようございます。今朝も魔力農園のお野菜がキラキラしてますよ。今日はシリウスさんが氷の魔力で食材を絶妙に冷やしてくれて、サラダがとってもシャキシャキなんです!」

「皆さん、おはようございます! 今朝のメニューは、特製の魔力小麦で作った『焼きたてのふわふわロールパン』に、アクアさんの浄水と魔力農園の新鮮なカボチャを使った『濃厚パンプキンスープ』、そしてメルティちゃんの『黄金の霊蜜』をかけた冷製フルーツサラダですよ!」

「私も、微力ながらカボチャをマッシュするのをお手伝いさせていただいております!」

「ふふっ、人間の料理というのは、見ていてとても興味深いですね。甘いカボチャの匂いと焼きたてパンの香りがたまりません」

「レイン様、おはようございますニャ! 今日も朝からごちそうですニャ!」

「剣の修行の前に、この素晴らしい朝食をいただけるのは至福だな」

 厨房いっぱいに広がるのは、ロールパンがふっくらと焼き上がる匂いと、パンプキンスープの甘く濃厚な香りが暴力的なまでに食欲をそそる匂いだ。セシルが加わったことで、俺の『料理』スキルや『植物知識』との相乗効果が生まれ、そこに伝説のエリクサーの主原料でもある『黄金の霊蜜』、さらにはアクアが魔法で極限まで不純物を取り除いた『究極の浄水』が加わっている。

 女戦士のアイラ、少女魔導士のルウ、老薬師のゴット、ドワーフの若き職人ドーラもリビングに集まり、「いただきます」の合図と共に賑やかな朝食が始まった。

「んんっ!? なんだこれ!? このパンプキンスープ、カボチャの甘みが凝縮されてて、クリーミーで最高だぞ! ふわふわのロールパンを浸して食べると、無限に食えちまうよ!」

 アイラが豪快に頬張りながら、信じられないというように目を輝かせる。

「本当によ……セシルが来てから毎朝驚かされてるけど、今日のこれも別格ね。冷製フルーツサラダのシャキシャキ感が尋常じゃないわ。お肌の調子もまた一瞬で最高になっちゃった」

 ルウもうっとりとした表情を浮かべて、スープを口に運ぶ。

「このスープの甘みとパンの柔らかさのバランス……王都の宮廷料理ですら、これには足元にも及びません。涙が出るほど美味しいです……!」

 フレアは、美しい顔をほころばせながら、信じられないものを見るような目でパンを噛み締めていた。

「……美味しい。ただただ、美味しい……。呪いの痛みもなく、信頼できる仲間たちと囲む温かい食卓が、こんなにも心を震わせるものだったなんて……」

 シルヴィアは、自身の切り分けたフルーツが入ったサラダを食べながら、感動の大粒の涙をポロポロとこぼしていた。

「ほっほっほ、伝説の霊蜜を使ったフルーツサラダを朝から食うなど、王族が見たら卒倒するじゃろうな。寿命がさらに十年は延びた気分じゃわい」

 ゴットも満足そうに髭を撫でて笑う。

 テラスでは、魔物たちもそれぞれに用意された特製の朝食を夢中で食べている。ラピスやイグニス、ベル、ファム、ネム、ディーネ、フィア、リーファ、ウド、ミラーといった幼い仲間たちや精霊たちには、セシルが特別に消化の良い特製ミルク煮込みに霊蜜を垂らしてくれており、顔を突っ込んで美味しそうに頬張っていた。ソラやライ、ルミナ、ライト、シリウスたちも、上質な魔物肉や果実を存分に堪能している。ダイヤはたっぷりの魔力草を幸せそうに咀嚼し、ステラとシエルは専用に用意された極上の肉片を優雅に啄んでいた。シルキーは、俺たちが食事を楽しむ様子を、興味深そうに空中からパタパタと見守っている。

   * * *

 和やかな朝食を終え、食後のハーブティーを楽しんでいた時のことだ。

 ルウが、一枚の古ぼけた羊皮紙をテーブルの上に広げた。

「ねえレイン、ちょっとこれを見て。昨日、街の古道具屋の奥底で埃を被ってたのを見つけて買ってきたんだけど……」

「古い地図だな。どこかの遺跡か?」

 俺が覗き込むと、ノエルやエリスも興味深そうに集まってきた。

「ただの遺跡じゃないわ。アシュタルの南、深き魔境のさらに奥深くにあると言われる『星忘れの神殿』の地図よ。神話の時代に存在したとされる、あらゆる魔法の真理が記された『幻の魔導書』が隠されている場所……らしいわ」

「幻の魔導書……! それは魔導士の間でも伝説となっている存在です! それに記された知識があれば、未知の魔法や魔道具が作れるかもしれません!」

 ノエルが丸い眼鏡をキラリと光らせて身を乗り出す。

「魔法の真理……! 私も、もっと魔法の勉強がしたいです!」

 エリスも目を輝かせる。

「なるほど、それは行く価値がありそうだな。だが、そんな伝説の場所なら、強力な防衛機構や魔物がいるんだろう?」

 俺の問いに、ルウは少し顔をしかめて頷いた。

「ええ。地図の端に警告文が書いてあるわ。『真理を求める者よ、星の試練を越えよ。さもなくば、永遠の虚無に沈むべし』って。強力な魔法生物や幻影が守っている可能性が高いわ」

「よっしゃ、そういうことならアタシの出番だ! どんな試練が出ようが、アタシの斧で粉砕してやるよ!」

 アイラが戦斧を背負い直して力強く立ち上がる。

「私も護衛として同行します。未知の試練から、レインさんたちを必ずお守りします!」

 フレアも聖剣の柄に手を添え、強い決意の瞳を見せた。

「遺跡の探索と罠の解除なら、私にお任せください。どんな精巧な罠も見破ってみせます」

 シオンが静かに短剣の柄を確認する。

「俺も行こう。どんな魔法生物であれ、我が剣で切り開いてみせる」

 シルヴィアが大剣を背負って頷いた。

「よし、決まりだ。今回の探索パーティーは俺、アイラ、ルウ、フレア、シオン、シルヴィア、そしてエリスも魔法の勉強のために同行するか? 魔物は、遺跡の防衛機構を無力化できそうなルリと、索敵に長けたフェルとピコ、そして空からの偵察にシルキーとソラを連れて行く。ゴットさん、ドーラ、ノエル、セシル、アクア、カノン、ウィンディ、ライラ、ミーア、ミラーたちは、拠点の防衛と留守番をお願いできるか?」

「はいっ! ティタンと一緒に、拠点の外周防衛システムを完璧にしておきます!」

 ノエルが元気よく頷き、ミーアも「お留守番しながら、お宝を入れる袋をたくさん用意しておきますニャ!」と猫耳を揺らした。

 こうして、幻の魔導書を求めて、俺たちはアシュタルの南に広がる深き魔境へと出発した。

   * * *

 アシュタルの街から馬車とフェルの背、そしてシルキーの飛翔を駆使して数時間。

 鬱蒼とした魔境を抜け、ルウの地図を頼りに進んでいくと、切り立った崖の奥に、星々の意匠が刻まれた巨大な石造りの門が現れた。ここが『星忘れの神殿』だ。

 門からは、古めかしくも強大な魔力の波動が感じられる。

「うわぁ……すごい魔力。それに、なんだか荘厳な雰囲気がするわね」

 ルウが杖を構えながら、慎重に門をくぐる。

「シオン、空からの索敵はシルキーとソラに任せて、地上の警戒と罠の探知を頼む。フェルとピコは、異常な魔力の発生源を探ってくれ」

「了解です。クロ、影の探知を広げて」

「にゃっ!」

「ウォンッ!」

「キュイッ!」

 俺たちはシオンとクロの案内で、巧妙に仕掛けられた魔法陣や落とし穴の罠を次々と回避しながら、神殿の深部へと進んでいった。

 やがて、巨大なドーム状の広間へと辿り着いた。広間の天井には、満天の星空を模した美しい魔法陣が描かれており、中央には一つの台座が置かれている。

 そしてその台座の上に、淡い光を放つ分厚い書物——『幻の魔導書』が安置されていた。

「これよ! これが幻の魔導書……魔法の真理だわ!」

 ルウが目を輝かせて駆け寄ろうとした、その時だった。

「ガシャンッ!」

 広間の四隅に設置された石像が突如として動き出した。

 星の意匠が施された重厚な石の鎧を纏い、星の光を宿した巨大な槍を構える四体の魔法生物——『スターライト・ガーディアン(星光の守護兵)』だ。

「チッ、試練のお出ましってわけかい! アタシの斧の錆にしてやるよ!」

 アイラが戦斧を構える。

「気をつけてください! あれはただのゴーレムじゃない、星の魔力で強化された強力な守護兵です!」

 エリスが警告する。

 その言葉通り、ガーディアンたちは槍から無数の星の光弾を放ち、広間中に弾幕を張って俺たちの動きを封じようとしてきた。

「させません!『ホーリー・シールド』!」

 フレアが聖剣を掲げて神聖な光の盾を展開し、迫り来る光弾を弾き返す。

「アイラ、ルウ、シルヴィア! ガーディアンの本体を叩け! ルリ、空中から強靭な糸で奴らの機動力を奪え! シオン、フェル、ピコ! 隙を作れ!」

「任せな! オラァッ!!『旋風大車輪』!」

 アイラが戦斧を大回転させ、光弾を強引に断ち切りながら突進する。

「星の光ごと焼き尽くしなさい!『フレイム・バースト』!」

 ルウの放った灼熱の炎が、ガーディアンの関節部分を焼き焦がす。

「はぁぁぁッ!!『絶技・白銀の飛燕』!!」

 シルヴィアの大剣が空気を切り裂き、一体のガーディアンの槍を真っ二つに斬り落とす。

「カチカチッ!」

 ルリが天井から急降下し、自身の強靭な『宝石の糸』をガーディアンたちに絡みつかせ、その動きを完全に封じ込める。

「了解です! クロ、影縛り!」

「にゃぁっ!」

 シオンが跳躍し、ガーディアンの装甲の継ぎ目に短剣を突き立てる。クロが『シャドウ・バインド』で動きを遅延させる。

「ウォォォンッ!!」

「キュイッ!!」

 フェルが雷を纏った突進でガーディアンの脚を粉砕し、ピコが浄化の光を纏った『ホーリー・ムーン・キック』で魔力中枢を正確に破壊する。

 圧倒的な連携の前に、四体のスターライト・ガーディアンは数分で完全に沈黙し、ただの石塊へと変わった。

   * * *

「ふぅ……手強かったけど、みんなのおかげで無傷だ。よし、魔導書を確認しよう」

 俺が武器を収めると、ルウとエリスが真っ先に中央の台座へと駆け寄った。

 台座に安置されていた分厚い書物を手に取ると、表紙には複雑な星の図形が描かれ、微かな魔力の光を放っている。

「これが……『幻の魔導書』! すごいわ、見たこともない魔法の理論や術式がぎっしり書き込まれてる!」

 ルウが震える手でページをめくり、興奮の声を上げる。

「すごいです……! これを研究すれば、魔法の腕がもっと上がるかもしれません!」

 エリスも歓喜する。

 その時だった。

「……ん? なんだ、この感覚は?」

 俺の右手の甲の『絆紋』が、微かに、しかし確かな温もりを伴って光り始めた。

 その光は、ルウの持つ『幻の魔導書』に向かって伸びていく。

「え……? 魔導書が……光ってる?」

 ルウが驚いて一歩下がる。

 すると、まるで意思を持っているかのように、魔導書がふわりと宙に浮き上がった。そして、パラパラとページをめくりながら、俺の目の前に浮かんだのだ。

(……あたたかい……。長い間、ここで真理を求める者を待っていた……。あなたが、私を開いてくれたの?)

 俺の脳内に、古風な中にも純粋な知識欲を感じさせる、静かな感情が流れ込んできた。

「……意思を持っているのか?」

 俺が驚いて尋ねると、ルウが目を丸くして答えた。

「魔女の作った最高級の魔道具は、長年の魔力の蓄積によって『疑似的なアニマ』を宿すことがあるって聞いたことがあるけど……まさか魔導書自体が意思を持つなんて!」

「そうか。長い間、暗い神殿で退屈だったな。……俺の魔力が心地いいのか?」

 俺が絆紋の光を優しく流し込むと、魔導書は嬉しそうにページを揺らし、俺にすり寄るように浮遊した。

(はい。あたたかくて、深い知識の匂いがします。私、あなたと一緒にもっと多くの真理を学びたい!)

「よし、わかった。帰る場所がないなら、うちのクランに来い。うちには魔法を学びたいルウやエリス、それに色々な仲間がいるぞ」

 俺がそう言うと、フェルやピコ、ルリたちも優しく鳴き声を上げて歓迎の意を示した。

 幻の魔導書は嬉しそうにパタパタとページを動かし、俺の周りをくるくると飛び回った。

 こうして、意思を持つ魔導書が、絆紋亭の新しい家族として加わることになった。名前は、その星のような光から『ステラリス』と名付けた。

   * * *

 その日の夕暮れ。

 新しい家族であるステラリスを連れて、俺たちはアシュタルの拠点へと帰還した。

 拠点では、ゴット、ドーラ、ノエル、セシル、アクア、カノン、ウィンディ、ミーア、ミラー、ライラたち、そして幼い魔物たちが温かく出迎えてくれ、新しい仲間と魔導書の無事に拠点中が歓喜の声を上げた。特にノエルとエリス、ルウは、持ち帰った魔導書ステラリスを見て「これで新しい魔法が作れる!」と徹夜の研究を始めていた。

 そして夜。

 庭の虹色の天蓋の下、精霊樹の優しい光に照らされながら、ステラリスの歓迎会が開かれた。

 セシルは、今日も腕を振るい、極上の料理を作り上げた。魔力農園の野菜をたっぷり使った色鮮やかな星型キッシュ、最高品質の肉の特大ロースト、そしてマシロの氷室で冷やした、黄金の霊蜜をたっぷり使った絶品の星屑ゼリー。

「ステラリス! うちのクランへようこそ! これからは、アタシたちが背中を預け合う最高の仲間だ!」

 アイラが木製ジョッキを高々と掲げる。

 ステラリスは、アイラの声に応えるように優雅に宙を舞い、ルウやエリスの肩にふわりと乗って親睦を深めていた。

「……信じられないほど、穏やかで美しい時間だ。毎日が新しい発見と喜びに満ちているな」

 シルヴィアが、ワイングラスを傾けながら、心からの笑顔を見せた。

「えへへ、私もこのクランに来てから、毎日が幸せでいっぱいですニャ!」

 ミーアが猫耳をピンと立てて、幸せそうにデザートを堪能している。

 テラスでは、フェルやピコ、ソラ、ライ、ルミナたち魔物組が、新しい仲間であるステラリスを囲んで歓迎し、ラピスやイグニス、ベル、ファム、ネム、ディーネ、フィア、リーファ、ミラーといった幼い仲間たちが、ステラリスのページが光るのを不思議そうに眺めていた。メルティは空中から黄金の鱗粉を振りまいて宴を彩り、シエルは精霊樹の枝から穏やかにその様子を見守り、シルキーは気持ちよさそうに空中を漂っている。シーナとミロが精霊の池から美しいハーモニーを響かせ、ライラとカノンの二つの竪琴がその場をさらに華やかにしていた。

 賑やかで、優しくて、誰もが誰かを必要とし、誰もが誰かに感謝している場所。

 王都で「足手まとい」と呼ばれ、すべてを失った俺の周りには、今、これほどまでに頼もしく、温かい家族たちがいる。

 急ぐ必要なんてない。俺たちの絆は、どんな魔導書にも記されていない真理となり、この辺境の地で永遠に輝き続けていくのだから。

 星降る夜の下、笑い声と美しい音楽が、いつまでも絶えることなく響き渡っていた。

【現在のステータス】

名前:レイン

職業:冒険者(クラン『絆紋亭』マスター)

称号:追放されし者 / 魔物に愛されし者 / 辺境の癒し手 / 森の守護者 / 大地の開拓者 / 導きの光 / 豊穣の主 / 呪い打ち砕く者 / 悪夢を晴らす者 / 浄水の守り手 / 炎を鎮める者 / 迷いを導く者 / 風を浄化する者 / 幻影を打ち払う者 / 雷を従える者 / 氷を溶かす者 / 真理を導く者

Lv:59(※スターライト・ガーディアンの群れ討伐と魔導書との絆によりアップ)

HP:610 / 610

MP:410 / 410

【スキル】

・生活魔法 Lv.10(極まる)

・剣術 Lv.4

・解体 Lv.8

・野営技術 Lv.10(極まる)

・野戦調薬 Lv.10(極まる)

・植物知識 Lv.10(極まる)

・建築・修繕 Lv.10(極まる)

・鑑定 Lv.9

・気配察知 Lv.10(極まる)

・魔導知識 Lv.10(極まる)

・料理 Lv.10(極まる)

【固有スキル】

絆紋きずなもん:対象の魔物(および心を持つ存在)と心を通わせ、警戒心を解き放つ。集った魔物たちと精霊樹の魔力を調和させ、巨大な隠蔽と浄化の絶対結界を形成している。

【クラン『絆紋亭』メンバー】

空色小竜ソラ:絆レベル5

・銀色のウルフ(フェル):絆レベル5

・ポーションラビット(ピコ):絆レベル5

・クリスタル・ゲッコー(ルチル):絆レベル5

・スピリット・フォーン(ミエル):絆レベル5

・クリア・スライム(スイ):絆レベル5

宝石蜘蛛ルリ:絆レベル5

・雷鳴の怪鳥ライ:絆レベル5

・シャドウ・キャット(クロ):絆レベル5

・水妖のミロ:絆レベル5

・氷雪の幻獣マシロ:絆レベル5

・黄金の天馬ルミナ:絆レベル5

・花纏いの黒豹フロリア:絆レベル5

・月影の白蛇ルナ:絆レベル5

・人魚の少女シーナ:絆レベル5

・瑠璃色の幼竜ラピス:絆レベル5

・紅蓮の精霊狐イグニス:絆レベル5

・翡翠の風呼び(シルフィ):絆レベル5

・大地の巨熊の幼獣ベル:絆レベル5

・心優しきゴーレム(ティタン):絆レベル5

・虹水晶の巨亀ダイヤ:絆レベル5

・星詠みの白梟ステラ:絆レベル5

・幻影の小狐ファム:絆レベル5

・黄金の女王蜂メルティ:絆レベル5

・黄昏のグリフォン(シエル):絆レベル5

・銀色の空飛ぶ絨毯シルキー:絆レベル5

・夢紡ぎのネム:絆レベル5

・癒しの水妖精ディーネ:絆レベル5

・焔の不死鳥のフィア:絆レベル5

・古の樹精リーファ:絆レベル5

・巨木の守護獣ウド:絆レベル5

・鏡の精霊ミラー:絆レベル5

・雷霆の白虎ライト:絆レベル5(※絆深化)

・氷狼の皇子シリウス:絆レベル4(※絆深化)

・幻の魔導書ステラリス:新規合流 / 絆レベル3

・ウールシープの群れおよび森の小動物たち

・アイラ(女戦士・正式なクラン協力者)

・ルウ(魔導士・正式なクラン協力者)

・ゴット(薬師・正式なクラン協力者)

・エリス(見習い魔導士・クランメンバー)

・ドーラ(ドワーフの若き職人・クラン専属建築士兼鍛冶師)

・リナ(服飾職人・クラン専属仕立屋)

・シオン(元王都特級密偵・クラン専属防衛担当)

・セシル(元宮廷料理人・クラン専属料理人)

・フレア(元聖騎士・クラン専属護衛担当)

・ノエル(天才錬金術師・クラン専属錬金術師)

・ライラ(流浪の精霊弓士・クラン専属狩人)

・ミーア(猫耳の行商人・クラン専属商人)

・シルヴィア(元Sランク冒険者の剣聖・クラン専属剣術指南役)

・アクア(元宮廷魔導水質管理官・クラン専属水場管理係)

・カノン(流浪の吟遊詩人・クラン専属音楽家)

・ウィンディ(風呼びの巫女の末裔・クラン専属風使い)

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 【安全第一】死に戻り商人の異世界スローライフ~万能魔法と『リトライ』を駆使して完璧な物流網とインフラを整備し、のんびり隠居を目指します~

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