第58話 雷雲の頂と、雷霆の白虎
第58話 雷雲の頂と、雷霆の白虎
辺境の街アシュタルの東、小高い丘に広がる非公式クラン『絆紋亭』の拠点は、今日という日もまた、世界中のどの場所よりも優しく、そして奇跡のような調和に満ちた朝を迎えていた。
庭の中央にそびえ立つ精霊樹は、日を追うごとにその存在感を増し、今や拠点の絶対的な要として太く力強い幹を天へと伸ばしている。その豊かに茂った枝葉が朝の心地よい風に揺れるたび、チリン、チリンと微かな鈴の音のような魔力の波紋が広がり、庭全体を極上の癒やしのオーラで包み込んでいた。
「きゅるるーっ!」
「ウォンッ!」
「ピィィィッ!」
「ヒンッ♪」
「ルルゥッ♪」
「シャァンッ♪」
「きゅあぁっ♪」
「キュゥッ♪」
「ホゥッ♪」
「キュイィィッ♪」
「キュルルゥッ♪」
「パタパタッ♪」
「プゥゥッ♪」
「ピィッ♪」
「サララッ♪」
澄み切った青空を背景に、空色小竜のソラ、雷鳴の怪鳥ライ、黄金の天馬ルミナ、翡翠の風呼びシルフィ、星詠みの白梟ステラ、黄金の女王蜂メルティ、黄昏のグリフォンであるシエル、意思を持つ魔道具である銀色の空飛ぶ絨毯シルキー、焔の不死鳥の雛フィア、古の樹精リーファ、風呼びの巫女の末裔ウィンディ、そして先日仲間になったばかりの鏡の精霊ミラーが楽しげに上空を旋回している。ルミナの放つ神聖な黄金の光、ライの纏う青白い雷光、ソラの美しい空色の鱗、シルフィとウィンディが巻き起こすエメラルドグリーンのそよ風、ステラの星屑を散りばめたような銀色の羽ばたき、メルティの放つ黄金の鱗粉、シエルの夕空のような美しい翼、シルキーの滑らかな銀色の布地、フィアの放つ温かな炎の軌跡、リーファの放つ淡い翠色の光、そしてミラーの作り出す虹色の光のプリズムが交差し、まるで空に生きた巨大な芸術作品が描かれているかのようだった。
そんな賑やかな空の舞を地上から見上げながら、二匹の魔物が堂々たる足取りで庭を歩いていた。
銀色のウルフである『フェル』と、純白のポーションラビットである『ピコ』だ。
彼らは、俺が王都を追放され、この名もなき辺境の森にたどり着いたその日に、一番最初に俺の『絆紋』を受け入れ、共に歩み始めた最古参の相棒たちである。
フェルの銀色の毛並みは月明かりのように美しく気高い光を放ち、その体躯は一回りも二回りも大きくなり、森の王者のような風格を漂わせている。ピコもまた、その小さな体には信じられないほどの敏捷性と強靭な魔力を宿し、仲間たちを癒やす要として立派に成長を遂げていた。彼らの後ろを、瑠璃色の幼竜ラピス、紅蓮の精霊狐イグニス、大地の巨熊の幼獣ベル、幻影の小狐ファム、夢紡ぎの獏ネム、癒しの水妖精ディーネ、巨木の守護獣ウドといった幼い魔物や精霊たちが、よちよちと、しかし元気いっぱいに追いかけていた。フェルとピコは時折立ち止まり、幼い魔物たちが転ばないように優しく鼻先で促している。その姿は、この大家族の頼れる兄と姉そのものだった。
「フェル、ピコ。今日もみんなの面倒を見てくれてありがとうな。お前たちがいてくれるから、俺は安心してこの場所を守れるんだ」
俺ことレインは、縁側に腰掛けながら、足元にすり寄ってきた二匹の頭を順番に優しく撫でた。
「ウォンッ♪」
「キュイッ♪」
フェルは嬉しそうに目を細めて俺の手に頬をすり寄せ、ピコは自慢の長い耳をピクピクと動かして俺の膝の上に飛び乗ってきた。
「さて、みんなのお腹が空く前に、朝飯の準備をするか。今日は魔力農園の野菜がとびきり美味しく育っているはずだからな」
俺がそう呟くと、フェルとピコは力強く鳴き、ラピスやベルたちを連れて水路の方へと遊びに行かせてくれた。
* * *
一階の広々とした厨房へと降りると、そこにはすでに見習い魔導士のエリス、仕立屋のリナ、元王都特級密偵のシオン、元宮廷料理人のセシル、元聖騎士のフレア、天才錬金術師のノエル、流浪の精霊弓士ライラ、猫耳の行商人ミーア、元Sランク冒険者の剣聖シルヴィア、元宮廷魔導水質管理官のアクア、流浪の吟遊詩人カノン、風呼びの巫女の末裔ウィンディ、そしてミラーがエプロン姿で立ち、手際よく調理を進めていた。
「あ、レイン様! おはようございますっ!」
「レインさん、おはようございます。今朝も魔力農園のお野菜がキラキラしてますよ。今日はミラーさんが小さな光の屈折を利用して、オーブンの熱を均等にしてくれているんです!」
「皆さん、おはようございます! 今朝のメニューは、特製の魔力小麦で作った『焼きたてのバタークロワッサン』に、アクアさんの浄水で煮込んだ『野菜たっぷりのミネストローネ』、そしてメルティちゃんの『黄金の霊蜜』をかけた季節のフルーツサラダですよ!」
「私も、微力ながらフルーツをカットするのをお手伝いさせていただいております!」
「ふふっ、人間の料理というのは、見ていてとても興味深いですね。香ばしいバターの匂いとトマトの香りがたまりません」
「レイン様、おはようございますニャ! 今日も朝からごちそうですニャ!」
「剣の修行の前に、この素晴らしい朝食をいただけるのは至福だな」
厨房いっぱいに広がるのは、クロワッサンがこんがりと焼き上がる匂いと、ミネストローネの甘く濃厚な香りが暴力的なまでに食欲をそそる匂いだ。セシルが加わったことで、俺の『料理』スキルや『植物知識』との相乗効果が生まれ、そこに伝説のエリクサーの主原料でもある『黄金の霊蜜』、さらにはアクアが魔法で極限まで不純物を取り除いた『究極の浄水』が加わっている。
女戦士のアイラ、少女魔導士のルウ、老薬師のゴット、ドワーフの若き職人ドーラもリビングに集まり、「いただきます」の合図と共に賑やかな朝食が始まった。
「んんっ!? なんだこれ!? このクロワッサン、サクサクで中からバターがじゅわっと染み出してくるぞ! ミネストローネの酸味と合わさって、無限に食えちまうよ!」
アイラが豪快に頬張りながら、信じられないというように目を輝かせる。
「本当によ……セシルが来てから毎朝驚かされてるけど、今日のこれも別格ね。フルーツサラダの爽やかさが尋常じゃないわ。お肌の調子もまた一瞬で最高になっちゃった」
ルウもうっとりとした表情を浮かべて、スープを口に運ぶ。
「このバターのコクとトマトの酸味のバランス……王都の宮廷料理ですら、これには足元にも及びません。涙が出るほど美味しいです……!」
フレアは、美しい顔をほころばせながら、信じられないものを見るような目でクロワッサンを噛み締めていた。
「……美味しい。ただただ、美味しい……。呪いの痛みもなく、信頼できる仲間たちと囲む温かい食卓が、こんなにも心を震わせるものだったなんて……」
シルヴィアは、自身の切り分けた野菜が入ったスープを食べながら、感動の大粒の涙をポロポロとこぼしていた。
「ほっほっほ、伝説の霊蜜を使ったフルーツサラダを朝から食うなど、王族が見たら卒倒するじゃろうな。寿命がさらに十年は延びた気分じゃわい」
ゴットも満足そうに髭を撫でて笑う。
テラスでは、魔物たちもそれぞれに用意された特製の朝食を夢中で食べている。ラピスやイグニス、ベル、ファム、ネム、ディーネ、フィア、リーファ、ウド、ミラーといった幼い仲間たちや精霊たちには、セシルが特別に消化の良い特製ミルク煮込みに霊蜜を垂らしてくれており、顔を突っ込んで美味しそうに頬張っていた。ソラやライ、ルミナたちも、上質な魔物肉や果実を存分に堪能している。ダイヤはたっぷりの魔力草を幸せそうに咀嚼し、ステラとシエルは専用に用意された極上の肉片を優雅に啄んでいた。シルキーは、俺たちが食事を楽しむ様子を、興味深そうに空中からパタパタと見守っている。
* * *
和やかな朝食を終え、食後のハーブティーを楽しんでいた時のことだ。
ドーラが、顔を煤だらけにしながら工房から飛び出してきた。
「レインさん! ちょっと頼みがあるんだが!」
「どうしたんだ、ドーラ。そんなに慌てて」
俺が尋ねると、ドーラは息を切らしながら説明を始めた。
「新しい武器の鍛造に、どうしても『雷雲の頂』で採れる『紫電の魔石』が必要なんだ。でも、あそこは一年中雷が落ちてる危険地帯で、普通の冒険者じゃ近寄ることもできないらしい」
「雷雲の頂……。確かにあそこは強烈な雷属性の魔力場だ。雷に耐性のある魔物しか生息していない」
シオンが密偵としての冷静な知識を披露する。
「紫電の魔石か。あれがあれば、強力な雷属性の魔道具が作れるぞ」
ノエルが丸い眼鏡を光らせた。
「常に雷が落ちてる山なんて、考えただけで髪の毛が逆立ちそうだわ」
ルウが杖を握りしめて身震いした。
「ドーラの頼みなら、一肌脱ぐしかないね! よっしゃ、その魔石、アタシがガツンと掘り出してやるよ!」
アイラが戦斧を背負い直して立ち上がる。
「私も行きます。雷の試練など、私の聖剣で打ち払ってみせます!」
フレアも力強く頷く。
「雷鳴の響く山なら、私の弓も役に立つでしょう。同行させてください」
ライラが白銀の弓を手に取った。
「俺も行こう。どんな過酷な環境であれ、我が剣の冴えを鈍らせることはない」
シルヴィアが大剣を背負って立ち上がった。
「よし、決まりだ。今回の探索パーティーは俺、アイラ、ルウ、フレア、シオン、シルヴィア、そしてライラだ。魔物は、雷に耐性のあるライ、そして空からの索敵にシルキーとソラを連れて行く。エリス、ゴットさん、ドーラ、ノエル、セシル、アクア、カノン、ウィンディ、ミーア、ミラーたちは、拠点の防衛と留守番をお願いできるか?」
「はいっ! ティタンと一緒に、拠点の外周防衛システムを完璧にしておきます!」
エリスが元気よく頷き、ノエルも「雷の直撃を防ぐ特製の避雷針を持たせます!」と眼鏡を光らせた。
こうして、紫電の魔石を求め、俺たちはアシュタルの北西に位置する『雷雲の頂』へと出発した。
* * *
アシュタルの街から馬車とフェルの背、シルキーの飛翔を駆使して数時間。
視界が開けると、山頂が常に分厚い雷雲に覆われ、絶え間なく稲妻が走る『雷雲の頂』がその威容を現した。ノエルが作ってくれた避雷針を装備しながら、俺たちは山道へと足を踏み入れる。
「うわぁ……本当にずっと雷が鳴ってるわ。空気がビリビリして、肌が痛いくらい」
ルウが周囲を警戒しながら杖を構える。
「ライ、上空の雷を少し散らしてくれ。シオン、空からの索敵はシルキーとソラに任せて、地上の警戒を。フェルとピコは、異常な魔力の発生源を探ってくれ」
「ピィィィッ!」
「了解です。クロ、影の探知を」
「にゃっ!」
「ウォンッ!」
「キュイッ!」
ライが雷雲に向かって飛び立ち、自身の雷の魔力で落雷を誘導し、俺たちへの直撃を防いでくれる。フェルとピコの案内で、俺たちは雷鳴轟く山を慎重に登っていった。
やがて、山頂付近の開けた岩場に出た。
そこには、岩肌に紫色の結晶がいくつも露出していた。
「あれが紫電の魔石……! ドーラが言っていた通りの美しさだわ」
フレアが感嘆の声を上げる。
だが、その魔石を採取しようと近づいた瞬間、落雷よりも鋭い咆哮が響き渡った。
「ガァァァァッ!!」
岩陰から現れたのは、全身に青白い稲妻を纏う巨大な白い虎——Aランク相当の『サンダー・ホワイトタイガー』だった。
その背中には無数の槍のような毛が逆立ち、威嚇のたびにバチバチと放電している。
「あれは……雷霆の白虎! この山の主が、魔石を守っているのね!」
ルウが杖を構える。
「どうやら、あの白虎はかなり気が立っているようだ。このままじゃ、魔石を採るどころじゃないぞ!」
アイラが戦斧を力強く握りしめた。
(……来るな……ここは、私の場所だ……)
俺の脳内に、白虎の威嚇の声が『絆紋』を通じて流れ込んできた。
「させない!! みんな、あの白虎を落ち着かせるぞ!」
俺が叫ぶより早く、俺の最古参の相棒たちが動いていた。
「ウォォォンッ!!」
「キュイッ!!」
銀色の閃光と、純白の弾丸が、雷鳴を引き裂いて駆け抜けた。
フェルは目にも留まらぬ速度で白虎の側面に回り込み、自身も雷光を纏って白虎の雷撃を相殺する。
『白銀の迅雷』!
雷を纏ったフェルの強烈な突進が、白虎の体勢を崩す。
そして、フェルが作った隙を見逃さず、ピコが驚異的な跳躍力で空高く舞い上がった。ピコの体から、俺の『野戦調薬』の魔力を受け継いだ浄化と破壊の光が溢れ出す。
『浄化の月面蹴り(ホーリー・ムーン・キック)』!
空中で体を捻り、光を纏った強烈な両足蹴りが、白虎の脳天にクリーンヒットする。ドゴォォォンッ!という轟音と共に、白虎が大きくよろめく。
「レインの相棒たちにばかり、いい格好はさせないよ! オラァッ!!」
アイラが戦斧に闘気を纏わせ、跳躍して白虎の足元を薙ぎ払う。
「聖なる光よ、雷雲を打ち払え!『ホーリー・スラッシュ』!」
フレアの聖剣が眩い光を放ち、白虎の雷撃を浄化の光で切り裂く。
「私の魔法で凍りつきなさい!『ブリザード・ランス』!」
ルウの放った無数の氷の槍が、白虎の動きを封じる。
「絶技・白銀の飛燕!!」
シルヴィアの放った神速の斬撃が、白虎の体表の放電を切り刻む。
「シオン、ライラ! 今だ!」
「了解です! クロ、影縛り!」
「にゃぁっ!」
シオンが跳躍し、白虎の死角から短剣を突き立てる。クロが『シャドウ・バインド』で動きを完全に封じ込めた。
「精霊の連なり矢!!」
ライラの放った無数の光の矢が、白虎の周囲の地面を打ち抜き、逃げ道を塞いだ。
「ガァァァァッ……!!」
悲鳴を上げ、雷霆の白虎はついに地面に倒れ伏した。
* * *
「ふぅ……これで少しは大人しくなるな」
俺が武器を収めると、仲間たちも安堵の息を吐いた。
俺はすぐさま、倒れ込んでいる白虎の元へと駆け寄った。
「大丈夫か? 怪我はないか?」
「グルゥゥ……」
白虎は、まだ警戒した目で俺たちを睨んでいた。
「俺はレイン。絆紋亭のマスターだ。お前を傷つけるつもりはない」
俺は両手を広げ、右手の甲にある翠色の痣――『絆紋』の光を限界まで解放した。
翠色の温かな波紋が、雷雲の空気を押し退けるように広がり、白虎の体を優しく包み込む。
俺はノエルの作ってくれた特製の超回復ポーションを取り出し、絆紋の光と共に白虎に注ぎ込んだ。
すると、戦闘で負った傷がみるみるうちに再生し、白虎の青白い稲妻が落ち着きを取り戻していった。
「すごい……一瞬で、傷が癒えた……。それに、この温かい光……」
ルウが感嘆の声を漏らす。
「グルゥォォォ……♪」
苦しみが消えた白虎は、低く喉を鳴らして俺に頭を擦り寄せ、感謝の意を示した。
(あたたかい……。お前、強いな。そして、優しい。……私の負けだ)
俺の脳内に、白虎の落ち着いた声が『絆紋』を通じて流れ込んできた。
「俺たちは、この紫電の魔石が少し必要なだけだ。全部奪うつもりはない」
俺が微笑みかけると、白虎は立ち上がり、魔石の群生する場所を鼻先で示した。
「持って行け、と言っているのか?」
白虎が頷く。
「ありがとう。……もしよければ、うちのクランに来ないか? うちの庭には、お前みたいに強くて優しい仲間がたくさんいるぞ」
俺が手を差し出すと、アイラやルウ、フレアたちも温かく頷き、フェルやピコが優しく鳴き声を上げて歓迎の意を示した。
白虎は、俺の差し出した手と、温かい仲間たちの姿を見て、目を細めた。
「……グルゥッ!」
こうして、雷霆の白虎が、絆紋亭の新しい家族として加わることになった。名前は、その雷光から『ライト』と名付けた。
目的であった『紫電の魔石』も無事に採取し、俺たちは大満足でアシュタルの街へと帰還の途についた。
* * *
その日の夕暮れ。
新しい家族であるライトを連れて、俺たちはアシュタルの拠点へと帰還した。
拠点では、エリス、ゴット、ドーラ、ノエル、セシル、アクア、カノン、ウィンディ、ミラーたち、そして幼い魔物たちが温かく出迎えてくれ、新しい仲間の加入と、紫電の魔石の入手に拠点中が歓喜の声を上げた。ドーラは紫電の魔石を見て「これで最高の魔道具が作れる!」と狂喜乱舞し、ノエルと共に徹夜で工房にこもってしまった。
ライトは、拠点の中心にそびえる精霊樹を見て「こんなに強大で純粋な力を持った場所があるなんて!」と感動し、すぐにフェルやピコたちと打ち解けた。
そして夜。
庭の虹色の天蓋の下、精霊樹の優しい光に照らされながら、ライトの歓迎会が開かれた。
セシルは、今日も腕を振るい、極上の料理を作り上げた。魔力農園の野菜をたっぷり使った色鮮やかなテリーヌ、最高品質の肉の特大ステーキ、そしてマシロの氷室で冷やした、黄金の霊蜜をたっぷり使った絶品のフルーツパフェ。
「ライト! うちのクランへようこそ! これからは、アタシたちが背中を預け合う最高の仲間だ!」
アイラが木製ジョッキを高々と掲げる。
「グルォォォッ!」
ライトは、アイラの声に応えるように力強く咆哮し、極上のステーキを美味しそうに頬張っていた。
「……信じられないほど、穏やかで美しい時間だ。毎日が新しい発見と喜びに満ちているな」
シルヴィアが、ワイングラスを傾けながら、心からの笑顔を見せた。
「えへへ、私もこのクランに来てから、毎日が幸せでいっぱいですニャ!」
ミーアが猫耳をピンと立てて、幸せそうにデザートを堪能している。
テラスでは、フェルやピコ、ソラ、ライ、ルミナたち魔物組が、新しい仲間であるライトを囲んで歓迎し、ラピスやベル、ファム、ネム、ディーネ、フィア、リーファ、ミラーといった幼い仲間たちが、ライトの背中によじ登って遊んでいた。メルティは空中から黄金の鱗粉を振りまいて宴を彩り、シエルは精霊樹の枝から穏やかにその様子を見守り、シルキーは気持ちよさそうに空中を漂っている。シーナとミロが精霊の池から美しいハーモニーを響かせ、ライラとカノンの二つの竪琴が、かつてないほど美しく、そして壮大な音楽を奏でていた。
賑やかで、優しくて、誰もが誰かを必要とし、誰もが誰かに感謝している場所。
王都で「足手まとい」と呼ばれ、すべてを失った俺の周りには、今、これほどまでに頼もしく、温かい家族たちがいる。
急ぐ必要なんてない。俺たちの絆は、どんな落雷にも負けず、この辺境の地で永遠に温かく輝き続けていくのだから。
星降る夜の下、笑い声と美しい音楽が、いつまでも絶えることなく響き渡っていた。
【現在のステータス】
名前:レイン
職業:冒険者(クラン『絆紋亭』マスター)
称号:追放されし者 / 魔物に愛されし者 / 辺境の癒し手 / 森の守護者 / 大地の開拓者 / 導きの光 / 豊穣の主 / 呪い打ち砕く者 / 悪夢を晴らす者 / 浄水の守り手 / 炎を鎮める者 / 迷いを導く者 / 風を浄化する者 / 幻影を打ち払う者 / 雷を従える者
Lv:57(※雷霆の白虎との手合わせによりアップ)
HP:590 / 590
MP:390 / 390
【スキル】
・生活魔法 Lv.10(極まる)
・剣術 Lv.4
・解体 Lv.8
・野営技術 Lv.10(極まる)
・野戦調薬 Lv.10(極まる)
・植物知識 Lv.10(極まる)
・建築・修繕 Lv.10(極まる)
・鑑定 Lv.9
・気配察知 Lv.10(極まる)
・魔導知識 Lv.10(極まる)
・料理 Lv.10(極まる)
【固有スキル】
・絆紋:対象の魔物(および心を持つ存在)と心を通わせ、警戒心を解き放つ。集った魔物たちと精霊樹の魔力を調和させ、巨大な隠蔽と浄化の絶対結界を形成している。
【クラン『絆紋亭』メンバー】
・空色小竜:絆レベル5
・銀色のウルフ(フェル):絆レベル5
・ポーションラビット(ピコ):絆レベル5
・クリスタル・ゲッコー(ルチル):絆レベル5
・スピリット・フォーン(ミエル):絆レベル5
・クリア・スライム(スイ):絆レベル5
・宝石蜘蛛:絆レベル5
・雷鳴の怪鳥:絆レベル5
・シャドウ・キャット(クロ):絆レベル5
・水妖の獺:絆レベル5
・氷雪の幻獣:絆レベル5
・黄金の天馬:絆レベル5
・花纏いの黒豹:絆レベル5
・月影の白蛇:絆レベル5
・人魚の少女:絆レベル5
・瑠璃色の幼竜:絆レベル5
・紅蓮の精霊狐:絆レベル5
・翡翠の風呼び(シルフィ):絆レベル5
・大地の巨熊の幼獣:絆レベル5
・心優しきゴーレム(ティタン):絆レベル5
・虹水晶の巨亀:絆レベル5
・星詠みの白梟:絆レベル5
・幻影の小狐:絆レベル5
・黄金の女王蜂:絆レベル5
・黄昏のグリフォン(シエル):絆レベル5
・銀色の空飛ぶ絨毯:絆レベル5
・夢紡ぎの獏:絆レベル5
・癒しの水妖精:絆レベル5
・焔の不死鳥の雛:絆レベル5
・古の樹精:絆レベル5
・巨木の守護獣:絆レベル5
・鏡の精霊:絆レベル4(※絆深化)
・雷霆の白虎:新規合流 / 絆レベル3
・ウールシープの群れおよび森の小動物たち
・アイラ(女戦士・正式なクラン協力者)
・ルウ(魔導士・正式なクラン協力者)
・ゴット(薬師・正式なクラン協力者)
・エリス(見習い魔導士・クランメンバー)
・ドーラ(ドワーフの若き職人・クラン専属建築士兼鍛冶師)
・リナ(服飾職人・クラン専属仕立屋)
・シオン(元王都特級密偵・クラン専属防衛担当)
・セシル(元宮廷料理人・クラン専属料理人)
・フレア(元聖騎士・クラン専属護衛担当)
・ノエル(天才錬金術師・クラン専属錬金術師)
・ライラ(流浪の精霊弓士・クラン専属狩人)
・ミーア(猫耳の行商人・クラン専属商人)
・シルヴィア(元Sランク冒険者の剣聖・クラン専属剣術指南役)
・アクア(元宮廷魔導水質管理官・クラン専属水場管理係)
・カノン(流浪の吟遊詩人・クラン専属音楽家)
・ウィンディ(風呼びの巫女の末裔・クラン専属風使い)
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 【安全第一】死に戻り商人の異世界スローライフ~万能魔法と『リトライ』を駆使して完璧な物流網とインフラを整備し、のんびり隠居を目指します~
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