第126話 暗躍の連鎖と、嵐を鎮める翼竜
第126話 暗躍の連鎖と、嵐を鎮める翼竜
常闇の極北で胎動していた絶望を打ち砕き、世界に平和の祝祭が訪れてからというもの、特級クラン『絆紋亭』を中核とする『絆紋公国』の朝は、かつてないほどの活気と穏やかな調和に包まれていた。
拠点の中央にそびえ立つ巨大な精霊樹は、深淵の虚無を完全に浄化した極上の光をたっぷりと吸収し、一つの大森林と見紛うほどの神樹へと成長を遂げている。その豊かに茂ったエメラルドグリーンの枝葉が朝の心地よい風に揺れるたび、チリン、チリンと微かな鈴の音のような魔力の波紋が広がり、拠点全体を極上の癒やしのオーラで包み込んでいた。
「ウォンッ!」
「キュイッ!」
「きゅるるーっ!」
澄み切った青空の下、縁側で朝の空気を胸いっぱいに吸い込んでいる俺の足元へ、一番最初に俺の固有スキルである『絆紋』を受け入れ、共に歩み始めた最古参の相棒たち――銀色のウルフ『フェル』、純白のポーションラビット『ピコ』、そして空色小竜の『ソラ』が競い合うように飛び込んできた。
彼らの後に続くように、水豹のリン、幻宝石獣のキラ、白銀の幼熊ブラン、空間転移を操る銀狐のギン、鋼棘の鎧獣マル、疾風の隼ゲイル、影猫のシャロ、水妖の獺ミロ、風精のリスのルル、土精の土竜ドロ、星翼の梟ステラ、幻影の蝶ファル、雲羊のモフ、木精の栗鼠コノ、鎌鼬のタマ、鋼殻の戦亀カメ、雷雲の幼鳥ライたちが一斉に集まってくる。
さらに極北の遠征や各地の迷宮で家族となった数え切れないほどの魔物たち。次元を司る星天の神狼シリウスや、時空の鯨クジラ、次元の螳螂カマ、星喰いのバク、星の精霊であるルミ、コア、ジュジュ。虚無の暴食者から浄化され生まれ変わった虚空の精霊ゼロ、時空猫のチク、星屑の幼竜アストラ。
日課の救済活動や探索で新たに仲間となった琥珀の狐コハク、翠玉の螳螂ジェイド、紫水晶の蝶アメ、鋼角の猛牛バフォ、晶翼の蜻蛉トン、地揺らしの穴熊アナ、癒水の精霊シズク、土塊の猪ブブ、豊穣の案山子ワラ、蜜の妖精蜂ハチ、水水晶の亀スイショウ、蜃気楼の狐キロ、オアシスの蓮妖精ハス、幻聴鳥のルリ。
そして先日の残党狩りで地下施設から救い出した、聖獣キマイラのキマ、清流の水蛇ミズ、紫電の霊鳥シイ、豊穣の地竜ドリ、岩石のガーゴイルのガル、影の梟シャドウ、鉄屑のゴーレムのクロガネ、猛毒の粘体ベノム、豊穣の粘菌ネン、癒しの聖蔓ツル、大地の守護鬼オガたちも、すっかり拠点に馴染み、わらわらと俺の周囲に集まり、心地よさそうに喉を鳴らしている。
「おはよう、みんな。今日もいい天気だな」
俺が彼らの頭を順番に優しく撫でると、魔物たちは心底嬉しそうに目を細め、尻尾を振って応えた。庭の奥では、漆黒の竜ノヴァや紅蓮の火蜥蜴ガエン、鋼角の犀ザイン、岩砕の巨獣ダグ、砂塵の魔蠍ゼットといった大型組も、朝の日差しを浴びて気持ちよさそうに背伸びをしている。平和な空気が、この庭には満ち溢れていた。
「レイン様、朝食の準備が整いましたよ!」
厨房から、見習い魔導士のエリスと元宮廷料理人のセシルが、賑やかな声を上げた。
ダイニングルームの巨大なテーブルには、特製の魔力小麦で作った『焼きたてのチーズフォカッチャ』に、農学者セリーヌが育てた新鮮なキノコを使った『濃厚クリームポタージュ』、そして砂漠の巫女ナディアが持参したスパイスで味付けされた『特大オーク肉と香草のグリル』が並べられている。
「ガハハ! 今日も飯が美味いねぇ! 魔王軍の残党狩りもすっかり日課になっちまったが、連中がどこに隠れていようと、アタシの斧から逃げられると思うなよ!」
女戦士のアイラが、オーク肉を豪快に頬張りながら大笑いする。
「ええ。昨日の湿地帯の制圧に引き続き、まだまだ世界には自分たちの悪行がバレていないと勘違いしている愚か者たちが潜んでいますからね。私たちの手で、残らず浄化してあげましょう」
少女魔導士のルウも、優雅にポタージュを飲みながら冷たげな笑みを浮かべた。
「悪の根は、深く張る前に断ち切るのが最善です。我が剣はいつでも抜けるよう研ぎ澄ませてあります」
剣聖シルヴィアが静かに紅茶のカップを置いた。
東方諸島の暗躍と、囚われの海将
朝食を終えた俺たちが執務室へ向かうと、特級密偵のシオンと首席文官のエレナが、複数の海図と地図をテーブルに広げて待ち構えていた。その傍らには、新人獣人のミャオと幻聴鳥のルリも控えている。
「レイン様、おはようございます。先日の湿地帯での制圧以降、我々隠密部隊は『魔王軍残党の連鎖的なネットワーク』の解明に全力を注いでまいりました。ミャオの驚異的な聴覚と、ルリの記憶・再生能力を用いた情報精査により、また新たな隠し拠点が判明いたしました」
シオンが海図の東側、無数の島々が点在する『東方諸島群』の一角を指差す。
「彼らは魔王の死後、各地に散り散りになった幹部たちが小規模なアジトを構え、それぞれが独自の生体兵器の研究を行っています。今回特定したのは、海路の要衝である東方諸島の海中洞窟に潜むグループです」
「海中洞窟か……。海流が激しく、外部からの侵入が極めて困難な天然の要塞だな」
俺が海図を見つめると、エレナが深刻な表情で頷いた。
「はい。残党たちはその環境を利用して、人工的な暴風雨や大渦巻きを発生させる『天候操作の生体兵器』を開発しているようです。彼らの目的は、世界中の海上物流を完全に麻痺させ、各大陸を孤立させた上で、海から再び世界を侵略することにあります」
「また随分と大掛かりな悪巧みだな」
「さらに許しがたいのは、その研究を完成させるために、東方諸島の海流や気象に精通した者たちを拉致し、強制的に働かせていることです」
シオンが報告書をめくる。
「我々の諜報によれば、東方諸島の海上物流を管理し、常に民の安全な航海のために尽力していた良心的な領主『セドリック海将』と、彼の右腕であり優秀な気象魔導士の『リアナ』が、数週間前から行方不明になっています。状況から見て、彼らがその海中洞窟の奥深くにある研究所に囚われている可能性が極めて高いです」
「ガハハ! 今度は気象学か! 自分たちの力じゃ何も作れないからって、優秀なヤツを誘拐してこき使うとは、本当にどこまでも腐りきった連中だね!」
アイラが戦斧を肩に担ぎ、怒りの笑みを浮かべる。
「ええ。才能ある人間を力で屈服させ、あまつさえ世界の海を荒らそうなど、許しがたい暴挙ですわ。彼らの歪んだ野望ごと、私が海の藻屑にしてあげます」
ルウも炎の杖を構えた。
「シオン、エレナ、状況は完全に把握した。これより俺とアイラ、ルウ、シルヴィアの主力部隊で東方諸島へ向かう。残党の拠点は一つ残らず潰す。ギンの空間転移を使えば、一気に洞窟の内部へ奇襲をかけられるはずだ」
「かしこまりました。他の小規模な中継拠点についても、アシュタルの魔境鎮圧部隊を複数派遣し、同時多発的に制圧作戦を展開します」
シオンが影のように一礼し、姿を消した。
絶望の海中洞窟と、舞い降りる希望
東方諸島群、常に暗雲が立ち込める『魔の海域』。
その海底深く、魔力結界によって水が弾かれた巨大な海中洞窟の奥底で、鎖に繋がれた屈強な初老の男と、若い女性が身を寄せ合っていた。
「セドリック様……申し訳ありません。私がもっと早く彼らの不審な気象データに気づいていれば……」
気象魔導士のリアナが、血のにじむ手で床を叩いて悔し涙を流す。
「自分を責めるな、リアナ。お前は私を庇ってくれた。それに、連中の要求する『暴風雨発生装置』の制御など、絶対に手伝うわけにはいかない。我々の技術は、海を渡る人々の命を守るためのものだ。海を荒らすためのものではない」
ボロボロの軍服を纏った海将セドリックが、痛む体を庇いながら気丈に微笑む。
彼らは、東方諸島の民を豊かにしようと尽力していた良心的な領主と専属の魔導士だったが、その知識に目をつけた残党たちによって領地を襲撃され、拉致されてきたのだ。
「ヒャハハハ! 美しい主従愛だなァ! だが、その強情さも今日で終わりだ!」
鉄格子の外から、不気味なローブを羽織った魔王軍の残党兵が、おぞましい姿に変異させられた魔物たちを引き連れて現れた。
「さあ、天候操作コアの調整を急ぐんだ。でなければ、この『狂風の魔鳥』がお前らの皮膚を一枚ずつ引き裂くことになるぞ!」
「くっ……! 誰が、お前たちのような悪魔の兵器を作るものか!」
セドリック海将がリアナを庇うようにして前に立つ。
「そうか。ならば死ね!」
残党兵が杖を振り上げ、狂風の魔鳥が鋭い風の刃を纏った翼を振り上げた、その瞬間だった。
「諦めるな。民を豊かにしようとしたその意志は、絶対に無駄にはならない」
地下牢獄の空間が突如として歪み、銀色の光の渦が発生した。
ズガァァァァァァンッ!!!
凄まじい衝撃と共に光の渦の中から降り立ったのは、特級クラン『絆紋亭』のマスターである俺と、アイラ、ルウ、シルヴィア。そして、足元にはフェル、ピコ、ソラたち最古参の相棒が鋭い眼光を放っている。
「な、なんだ貴様らは!? この海底要塞にどうやって……!」
残党兵が驚愕して叫ぶ。
「き、絆紋公国の……レイン公王様!?」
セドリック海将が信じられないものを見るように目を見開く。
「遅くなってすまない。あとは俺たちが引き受ける」
俺が剣を抜き放ち、右手の甲の『絆紋』の光を灯した。
「ガハハ! さあ、日課のお掃除の時間だ! こんなカビ臭い洞窟で悪巧みしてる連中は、アタシがまとめて風穴を開けてやるよ!」
「『極大旋風・星砕き』!!」
アイラの巨大な戦斧が巻き起こす竜巻が、残党兵たちを一瞬にして空高く巻き上げ、牢獄の壁に叩きつける。
「燃え尽きなさい!『インフェルノ・バースト』!!」
ルウの放つ灼熱の業火が、要塞内の天候操作プラントを瞬時にドロドロの鉄屑へと変えた。
「我が剣の前に、立つことすら許しません。『神速・絶空の剣』」
シルヴィアの神速の剣閃が、牢獄の鉄格子を豆腐のように切り裂き、セドリック海将とリアナを解放する。
「フェル、ピコ、ソラ! 一掃するぞ!」
「ウォォォンッ!!」「キュイッ!!」「きゅるるーっ!!」
フェルの天雷が轟き、ピコの浄化の蹴りが炸裂し、ソラの神聖なブレスが瘴気と暗雲を完全に中和する。俺たち『絆紋亭』の圧倒的な力の前に、残党たちが築き上げた防衛線は、わずか数分のうちに完全に崩壊した。
嵐に沈む命たちと、新たなる絆
残党兵たちを無力化した後、俺は彼らが天候操作兵器の動力源として操っていた魔物たちへと視線を向けた。
彼らはおぞましい姿に変えられ、狂気を宿して俺たちに襲い掛かってきたが、その瞳の奥には、無理やり魔王の瘴気を植え付けられ、破壊の兵器として操られていることへの深い悲しみと苦痛が見えた。
戦場に倒れ伏しているのは四匹の魔物だった。
一匹は、暴風を巻き起こすために巨大な風穴を体に空けられた『嵐翔の翼竜』。
一匹は、雷を強制的に放たせるため、全身に魔力杭を打ち込まれた『雷雲の妖精』。
一匹は、濃霧と酸の雨を降らせるように毒素を注入された『霧雨の海月』。
最後の一匹は、竜巻を発生させるため、常に高速回転を強要されボロボロになった『竜巻の鎌鼬』。
「お前たちも、魔王軍の身勝手な欲望の被害者だな。もう苦しまなくていい」
俺は剣を収め、右手の甲の『絆紋』の光を限界まで灯し、ゆっくりと彼らの体に手をかざした。
翠色の極限浄化と調和の光が、海中要塞全体を温かく包み込む。
魔物たちを縛っていた呪いの鎖や魔力杭が光の粒子となって消滅し、彼らを侵していた魔王の瘴気が完全に浄化されていく。
おぞましい姿に改造されていた彼らの体は、光の中で本来あるべき、美しく神聖な姿へと再構築されていった。
嵐翔の翼竜は、透き通るような青い鱗を持ち、心地よい風を纏う『清風の翼竜』へと変化した。
雷雲の妖精は、紫色の美しい雷光を羽に宿す、愛らしい『紫電の妖精』へと生まれ変わった。
霧雨の海月は、清らかな恵みの雨を降らせる、透明感のある『恵雨の海月』として蘇った。
竜巻の鎌鼬は、穏やかな春風を運ぶ、フワフワの毛並みを持つ『春風の鎌鼬』へと姿を変えた。
(……あたたかい。痛くない……。お前が、私たちを縛る呪いを解いてくれたのか?)
清風の翼竜から、大空を吹き抜ける風のように爽やかな思念が伝わってくる。
「ああ。俺はレイン。お前たちをこんな目に遭わせた奴らは、もう二度と悪さができないようにしておく」
俺が微笑みながら翼竜の青い鱗を撫でると、彼は戸惑いながらも、その大きな頭を俺の手にそっと擦り寄せてきた。
紫電の妖精も静かに俺の肩に留まり、恵雨の海月はふわりと俺の足元を漂い、春風の鎌鼬は嬉しそうに俺の足にすり寄った。
「ウォンッ♪」「キュイッ♪」「きゅるるーっ♪」
フェルやピコたちも近寄り、新しい仲間を優しく迎え入れる。
「もしよかったら、俺たちの家族にならないか? うちには、お前たちのように傷ついた過去を持ちながら、今は元気に暮らしている仲間がたくさんいるぞ。お前たちの力があれば、海を渡る人々を安全に導くことができる」
俺の誘いに、四匹の魔物は嬉しそうに大きく頷いた。
「よし。翼竜のお前は『テンプ』だ。妖精は『デン』。海月は『アメ』。鎌鼬は『トル』だ。今日からよろしくな、みんな!」
「キュルルッ♪」
「ビリリッ♪」
「ポワァッ♪」
「キュイィッ♪」
新たなる家族、テンプ、デン、アメ、トルを迎え入れた俺は、セドリック海将とリアナに向き直った。
「君たち、怪我はないか?」
「レイン公王様……! なんとお礼を申し上げればよいか……! この命、救っていただき本当にありがとうございます!」
セドリック海将が涙を流しながらその場に深く跪き、リアナも何度も頭を下げる。
「礼には及ばない。民を豊かにするために知恵を絞る君たちのような人間は、俺たちにとって何よりの宝だ。……どうだろう、アシュタルへ来て、俺たちの仲間にならないか? 海将の航海術と、リアナの気象予測の知識があれば、世界中の海を安全に繋ぐことができる。それに、うちの文官エレナも、優秀な海路の管理者を欲しがっていてね」
俺の誘いに、二人は顔を見合わせ、力強く頷いた。
「はい……! 私たちの全てを、絆紋公国のために捧げます!」
こうして、誇り高きセドリック海将と、優秀な気象魔導士リアナという逸材が、新たな人間の仲間として陣営に加わったのである。
閑話:深淵の胎動と、忍び寄る終末の影
アシュタル軍と絆紋公国による『魔王軍残党狩り』は、その後も連鎖的に各地で行われた。
シオンの隠密部隊が次々とアジトを特定し、クロードやガレスたちの魔境鎮圧部隊が同時多発的に強襲をかける。違法な兵器を製造していた残党、各地で誘拐を繰り返していた残党など、表の世界から逃げ隠れていた者たちは、圧倒的な武力と情報網の前に次々と捕縛され、彼らに囚われていた良心的な才能ある人々はアシュタルへと迎え入れられていった。
世界は真の浄化へと向かっている。誰もがそう信じて疑わなかった。
しかし、世界の中心、かつて勇者と魔王が激突し、現在は誰も足を踏み入れない禁忌の地――『旧魔王城跡』のさらに地下深くでは、誰も気づかないまま、静かに、そして確実に恐ろしい胎動が始まっていた。
赤黒い瘴気が渦巻く巨大な空洞。
極北で『虚無の暴食者』が消滅したことにより、世界中の変異ダンジョンは活動を停止し、マナは浄化されたはずだった。
だが、この旧魔王城周辺の土地だけは違った。
各地の残党たちが無念の中で捕縛され、彼らが溜め込んでいた負の感情や、行き場を失った微細な魔王の瘴気の残滓が、まるで巨大な磁石に引き寄せられるかのように、この旧魔王城跡の地下へと集束し続けていたのだ。
『……集エ……怨嗟ヨ……絶望ヨ……我ガ器ヲ、満タセ……』
空洞の中心にある、黒く脈打つ巨大な『核』。
それは、極北で討たれた虚無の暴食者すらも上回る、純粋な『破壊と終末の意志』を宿し始めていた。世界中が平和の祝祭に酔いしれ、絆紋公国が残党狩りに奔走している間に、その変異ダンジョンの核は周囲の土地を黒く侵食し、かつてないほど巨大で凶悪な『終焉の魔物』を生み出そうとしていた。
「……レイン様。旧魔王城周辺の監視網から、魔力異常の報告が頻発しています」
その夜、アシュタルの執務室で、シオンがかつてないほど険しい表情で報告を入れた。
「極北の時とは違います。周囲のマナを急激に『吸収』し、完全にブラックアウトさせている領域が存在します。このままでは、数日以内に何か取り返しのつかない事態が引き起こされる可能性が極めて高いです」
「……ついに、一番厄介な火種が目を覚まそうとしているってわけか」
俺は窓の外、遠く空の彼方を見つめた。
「平和になったとはいえ、まだ完全に気を抜くわけにはいかないらしい。シオン、全軍に第一級警戒態勢を発令しろ。旧魔王城跡への直接調査部隊を編成する。異常があれば、すぐに俺たちが動く」
「かしこまりました。我々の全てを懸けて、この不穏な闇を断ち切りましょう」
世界に真の平穏をもたらすための戦いは、いよいよ最終局面を迎えようとしていた。
しかし、俺たちには日々増え続ける頼もしい人間の仲間たちと、愛すべき魔物の家族たちという、絶対に揺るがない絆がある。
忍び寄る終末の影の予感を孕みつつ、絆紋公国の夜は静かに更けていくのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 【安全第一】死に戻り商人の異世界スローライフ~万能魔法と『リトライ』を駆使して完璧な物流網とインフラを整備し、のんびり隠居を目指します~
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