#41 哀れハグリーズのおケツが面白痛くなる歌
「ね、あっちって山の方だよね? あの山々は、向こう側へ抜けられる道なんてないって聞くけれど」
ケティも話に混ざってくる。
「しかもドラゴンが出現するって噂もあるな」
メリアンがおどけて肩をすくめる。
街道から右、つまり東の方には「マンティコラの歯」と呼ばれる険しい山脈が連なっている。
マンティコラというのは、元の世界でマンティコアと呼んでいたあの魔獣とほぼ同じ存在っぽい。
猫種の逆先祖返り……つまり、顔だけ人で、体は猫……獅子だけど。
ただし、その尾の先には毒針があり、歯は三列に並んでいて、獣種を好んで喰らうという。
このラトウィヂ王国の東側をほぼ全て塞いでいるこの山脈は、牙のように鋭い山々が幾重にも重なっている様子から、その危険性込みで、「マンティコラの歯」と名付けられた。
ストウ村では、小さな子が夜遅くまで起きていると、マンティコラの歯山脈からマンティコラが飛んできて喰われてしまうぞ、などとしつけ用に用いられる魔獣としても馴染み深い。
利照の中で知名度の高いモンスター名が登場すると、心なしか嬉しいな。
「でも、いいね、リテルのその策。あたしも賛成だ……ってことで、御者さーん。あんたの腕なら小道なんて入らずに、ここでもできるって!」
メリアンが笑顔で御者さんの背中をパンと叩く。
「偵察はさっき同様、あたしとリテルとで行く。馬車が反転し次第な」
「道幅狭いところでの反転は、面倒なんですよ……」
「まぁまぁ、そこをやっちゃうのが、あんたの腕のすごいところだろ?」
御者さんはまんざらでもない感じで、さっきよりは時間をかけて馬車を反転させる。
それを興味深そうに見ているマドハトごしに、馬の動きのさらに向こう、森の方へ『魔力感知』を集中している俺の右手を、誰かがつかんだ。
ケティだった。
「リテルはさ……なんか、変わったよね」
「え?」
動揺を表に出さないようにしたものの……ケティはリテルと利照の違いに気がついているってことか?
「昔はさ、いつもビンスンさんや私の後ろについてまわるばかりだったのに……いつの間にか一人で歩き出しちゃってるんだもんね。覚えている? 私たちにいっつも置いてくよーって言われて、必死においかけてきた頃のこと」
リテルの記憶の中にある。
リテルがまだ子どもだった頃、子どもだけのグループは、リテルの兄であるビンスン、ビンスンと同い年のエクシあんちゃん、それからケティの三人がいつも輪の中心に居た。
俺の下はちょっと歳が離れていたから、幼い連中のお守りをしなくてよいときは、その四人だけで遊ぶことになる……となると、四人の中では一番下である俺は、何につけてもびりっかすで……。
「それにしてもさ、メリアンと仲良くなるの早いよね。さっきのさ、チェッシャーちゃんだっけ? なんかすごい熱い視線でリテルのこと見つめてたし、どさくさまぎれに大好きとか言ってたような気がするんだけどさ……リテル、前はそんな感じじゃないかったよね? なんか、変わっちゃった気がして……ごめんね」
俺はリテルだよ……そう答えたいのに、言葉がとっさに出てこない。
「あんな綺麗な魔女さまのところで……アルブムちゃんも可愛いかったし、ルブルムさんだって美人さんだよね……私のリテルは……そんな、女性に慣れてなかったっていうか」
「な、慣れてなんか……ないよ……必死なだけ……だから」
その言葉はつかえずに出た……利照の本心だから。
「そ、そうだよね……ごめんね。なんか、リテルが、遠くなっちゃった気がして」
そう言うとケティは俺の頬にキスをして、馬車の後方へ移動する……のを目で追って、ルブルムがこっちをずっと見つめていたことに気付く。
感情の見えない表情……に、胸が締め付けられている俺の視界が、マドハトの頭で塞がれる。
「僕も! リテルさまの顔! なめたいです!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねようとするマドハトの頭を、ぎゅっと押さえつける。
また面倒な感じに……おや、おとなしくなった。
「これ、落ち着くです!」
俺の手の下で、マドハトは自ら頭を動かし、撫でられている感を出す。
そういえばハッタも、頭撫でられるの好きだったっけ。
「おー! さすが熟練の御者さん! 見事な腕前だねぇ!」
「ま、まぁな。こんくらい簡単ですぜ」
馬車の向きが変わったか。
俺が馬車から降りようとすると、メリアンは馬車後部の幌をしっかりと閉じた。
ケティが俺に向かって手を振る横で、ルブルムは俺から目を反らす……いやだな、こんなタイミングでギクシャクするなんて。
「御者さん、あんたも中に入っててくれ」
メリアンは馬車の前側の幌も閉じかける。
「あっしもですか?」
「ああ。こっちが逃げる素振りを見せたら……弓を持っているやつが攻撃してくるかもしれない……念のためさ。射的の的にゃなりたかないだろ?」
「そ、そりゃそうですよ」
御者さんは御者席から降りて馬車の中へ。
「ケティ、あたしとリテルが出たら、ここもしっかり幌を閉じとくれ」
「わかった……けど、リテルとメリアンは大丈夫?」
「ああ。危険を感じたら、戻ってくるさ……あと、幌は目隠しになっても、矢を防ぐ盾にはならない。なにか異変を感じたら、すぐに馬車の床へ伏せてくれ……あとはえーと、マドハト」
「はいです!」
「歌は歌えるか?」
歌?
「歌えるです!」
「あたしらは降りたらすぐに森に潜み、森の中を通って偵察に向かう。でもこっちは気付いてませんよって相手を油断させるために、陽気なやつをいくつか頼むよ」
「はいです! じゃあ……晴ーれたー! 昼さーがりっ! 粉挽きのハグリーズがー! 向かうよはるばる魔女の森へー!」
これ、うちの村のことを歌っているのか?
「リテル、早く」
「了解」
馬車の外へ出ると、ケティが幌をきっちりと閉じる。
「糸杉のー木陰ーにー! そこにっ! 隠れるはっ! 逢引のっ! あーいーてーっ!」
メリアンが俺の肩を軽く小突く。
「あ、ごめんなさい」
「いいさ。ケティもルブルムも、いい子だよね。迷うのも分かるさ」
その言葉は、やけに声のボリュームが控えめだった。
だから俺は変に反論はせず、メリアンの目をじっと見つめた。
「あたしがこの作業を終えるまで、チェッシャーの時みたく周囲への警戒を頼む」
小さな声で了承を告げると、メリアンはさっそくその「作業」とやらを開始する……え、何やってんの?
俺の表情を見たメリアンが周囲を指差す……は、はいっ。
そうだな。ちゃんと集中しよう。
マドハトの歌に惑わされることもなく……ケティとルブルムのこともいったん置いといて……俺は『魔力感知』の範囲を広げる……チェッシャーの『死んだふり』みたいな魔法が使われている可能性も考慮して、丁寧に……ああ、今度こそ……居る?
しかも森の中を近づいてきているような。
慌ててメリアンの目を見ると……指で何かを指示しているのは……俺が、馬車の中へ戻れってこと?
でも、馬車がこんな状態じゃ逃げるの無理だろ……って、あー、そうか。
メリアンがさっき「押し通る」って言ってたアレは、そういうことなのか。
俺は弓を構えやすい姿勢のまま、馬車の中へと駆け込む……中へ入った途端、ケティがハンマーを振りかぶっているのが見えた。
「ま、待て! 俺だって!」
「リテル? 声もかけないで入ってくるから、てっきり」
馬車がガタンと揺れ、動き始めるのを感じる。
「来るよ! 床に伏せてっ! 御者はあたしがやるから!」
外のメリアンの言葉を皆に伝え、馬車の床へと伏せる。
木の匂いが近い。
「哀れハグリーズぅ 立っているのに立てなくてぇ ドッロドローのつーるつる!」
「マドハト、歌はもういい!」
外を移動してくる寿命の渦へ注意を払う。
森の中を近づいてくるのは猿種に鼠種……あ、さっきの横転馬車の辺りが『魔力感知』の範囲に入った……その裏に羊種と……牛種か。
そいつらもどんどん近づいてくる……というか、近づいているのはこっちなんだけど。
メリアンがさっき手早くやっていた作業というのは、馬車のくびきに、馬を前後反対に取り付けること。
つまり今、俺たちは……横転した馬車に向かって、馬車のケツを突進させているってわけ。
「舌噛むぞ! 歯ぁ食いしばれっ!」
メリアンの叫びに素直に従ってから数秒も数えないうちに、強い衝撃を感じる。
「リテルは御者席から向こうを弓で威嚇!」
メリアンが馬車の中へ飛び込んできたかと思うと、数歩で後部まで移動し、幌の隙間から飛び出してゆく……その先にちらりと見えたのは横転する馬車。
メリアンはそこに飛び乗り、両手で剣を抜く。
ルブルムのような小剣ではなく、重厚な厚みのちゃんとした剣。
体格の立派なメリアンが手にしているから小さく感じるけれど、斬るというより、たたっ斬るという感じのごつい武器だ。
「声をかけずに入る者は叩け!」
ケティとルブルムがすぐに起き上がり、メリアンが飛び出た横転馬車側の幌が閉じられる。
「マドハト、俺が出たらここを閉じろ」
俺は御者席側の幌を抜け、弓を構える。
「ど……どうしてぶつかるんだって思ったら、そういうことかい!」
御者さんまで一緒に出てきた。
「御者さん、危ないから中に戻って!」
「でも旦那ぁ、これじゃ逃げられないでしょうが!」
御者さんは、馬の前後を直そうとしている。
こうなったら援護するしかないか。
『魔力感知』を現実の視界と重ねて矢をつがえる。
森の中に居た猿種と鼠種は、途中で追い抜いてしまったので、慌てて引き返して来ている。
そいつらの姿はまだ森の中で見えないが、視界に入ればすぐにでも射れるように……落ち着け、俺。
これは威嚇だ……メリアンだって言っていただろう……威嚇だ……弓を引く。
ディナ先輩が、覚悟を決めろと言っている気がする。
人を、射る、覚悟を。
「わわわっ」
突然、御者さんが足元にしがみついてきた。
「旦那ぁ、あっちの茂みが今、動いて……」
まさか、そっち側も?
見逃したのか……森の中を近づいて来る二人とは逆サイドの森。
そちらには大きな寿命の渦は感じられないが……『死んだふり』の例もある。
ちょっと念入りに感知してみるか。
「御者さん、馬をつなぎ戻したのなら、早く中へ」
「わ、わかりやしたぁ」
しかしこの襲ってくる連中は、裕福な商人ってのをさらった連中とは違う連中なのか?
商人をさらったのならば、危険を冒してまで新しい馬車を襲う必要なんてないだろうに。
まさか商人の乗った馬車が通り過ぎたのも、向こうで捕まったのも知らずに、街道封鎖しているとか?
だとしたらけっこうな間抜けというか……いや……さもなくば狙いは、そもそもこの馬車!
追われているラビツが?
……いや、それは考えにくい。
多分、追われていることさえ気付いてないだろう。
だとしたら……ディナ先輩の関係者として?
まさか、ウォルラース?
でも、それならウォルラースが、ディナ先輩の存在に気付いていることになる……あとは……ああ、ダメだ。
思考と、『魔力感知』による探査と、同時にこなせるほど、俺の集中力は万能じゃない。
それに、森の中で追ってきている二人も立ち止まっている……弓の届きそうな距離で。
メリアンの戦況は、寿命の渦で見る限りでは二人相手に立ち回っているんだけれど……なんだろう……メリアン側の二人は逃げてばっかりという違和感が……時間稼ぎ?
「リテルさま!」
突然、視界にマドハトが入ってくる。
「マドハト! なんで出てくるんだ」
「リテルさまが、呼んでるって! 僕と!」
「いや、俺は呼んだりは……」
僕と?
「動くな! 武器を捨てろ! おいっ! 犬っころ! 旦那の弓を持って、馬よりも向こうまで行け!」
ドスのきいた声に驚いて振り返ると、御者がケティの首元にナイフを当てている。
こいつ……待ち伏せ連中の仲間?
「ほら早く!」
「マドハト、言う通りにしろ!」
「はいです!」
マドハトが俺の手から弓を奪い、言う通りに、馬よりも遠くまで走って止まる。
森の中の二人は、また距離を詰め始める。
今度はゆっくりと……慎重に。
その反対側には相変わらず気配が感じられない……俺の気を逸らすための嘘だったのか。
疑いすぎて、細かいところまで注意し過ぎて、もっと肝心な、基本的なことが見えてなかった……。
「おっと、旦那ぁ、あんたは動くなよ……それから……馬車の中のお嬢ちゃん、ルブルムちゃんだっけ? あんたは……そうだな、馬車の外から顔出しな。向こうで戦っているおっぱい四つの半牛女に降伏しろって伝えるんだ」
そうはさせるかよっ。
俺は魔法代償を集中する。
『皮膚硬化』と『魔法転移』を組み合わせて、ケティの首を硬化させる。
「リ、リテルぅ、なんか、気持ち悪いのが、私の中に……」
ケティが、俺の魔術にまさかの抵抗。
激痛が俺の左腕を蝕んだだけ……マジかよ?
「な、なんだ、ま、まさか魔法か? い、犬っころ、お、俺になにかしようとっ!」
その景色は、やけにゆっくりと見えた。
だから俺は間に合うと思ったんだ。
でも俺の体は反応できなくて、これはほんのわずかな、一瞬の間の出来事だと気付いた時には、御者の持つナイフの切っ先は、ケティの喉を真横に滑っていた。
驚くほどの勢いで飛び散る血も、やけにゆっくりと見えた。
● 主な登場者
・利照/リテル
利照として日本で生き、十五歳の誕生日に熱が出て意識を失うまでの記憶を、同様に十五歳の誕生日に熱を出して寝込んでいたリテルとして取り戻す。ただ、この世界は十二進数なのでリテルの年齢は十七歳ということになる。
リテルの記憶は意識を集中させれば思い出すことができる。
ケティとの初体験チャンスに戸惑っているときに、頭痛と共に不能となった。
魔女の家に来る途中で瀕死のゴブリンをうっかり拾い、そのままうっかり魔法講義を聞き、さらにはうっかり魔物にさらわれた。
不能は呪詛によるものと判明。カエルレウムに弟子入りした。魔術特異症。猿種。
フォーリーの街に来てから嫌な思い出が多いが、修行として受け止めている。
異世界から来たことをとうとう打ち明け、そして新たな呪詛をその身に宿した。
ゴーレムを作ることができる紅魔石をディナよりもらった。
ルブルムのことが気になりはじめているし、ケティの合流に動揺もしている。
・ルブルム
寄らずの森の魔女カエルレウムの弟子。赤髪の美少女。リテルと同い年くらい。猿種のホムンクルス。
かつて好奇心がゆえにアルブムを泣かせてしまったことをずっと気にしている。
カエルレウムの弟子を、リテルのことも含め「家族」だと考えている。
質問好きで、知的好奇心旺盛。驚くほど無防備。
ディナの屋敷でトシテルとの距離がぐっと近づいた。
・ディナ先輩
フォーリーに住むカエルレウムの弟子にしてルブルムの先輩。
男全般に対する嫌悪が凄まじいが、リテルのことは弟弟子と認めてくれた様子。
アールヴと猿種のハーフ。壮絶な過去を持つ。
ゴーレムを作る魔法品をトシテルへくれた。
フォーリー以北への旅について、大量の忠告をしてきた。
・マドハト
赤ん坊のときに取り換え子の被害に遭い、ゴブリン魔術師として育った。犬種の先祖返り。
今は本来の体を取り戻しているが、その体はあんまり丈夫ではない。
ゴブリンの時に瀕死状態だった自分を助けてくれたリテルに懐き、やたら顔を舐めたがる。
リテルにくっついてきたおかげでちゃっかりカエルレウムの魔法講義を一緒に受けている。
フォーリーの街中で魔法を使ってしまい、三年分の魔法代償徴収刑を受けた。
・ケティ
リテルの幼馴染。一歳年上の女子。猿種。
旅の傭兵に唇を奪われ呪詛に伝染。
リテルがずっと抱えていた想いを伝えた際に、呪詛をリテルへ伝染させた。
カエルレウムが呪詛解除のために村人へ協力要請した際、志願した。
リテルとの関係はちょっとギクシャクしていたのだが、再会したときにはなんかふっきれていたが、ケティの記憶の中のリテルと今のリテルとの違いに、やっぱり違和感を覚えている。
鍛冶に使っていたハンマーを武器として使う。
今、ちょっとピンチ。
・メリアン
ディナ先輩が手配した護衛。
リテルたちを鍛える依頼も同時に受けている。
ものすごい筋肉と、角と副乳を持つ牛種の半返りの頼もしい傭兵。
円盾と小剣を二つずつ持ち、手にはスパイク付きのプレートナックルを装備。
・ビンスン兄ちゃん
リテルの兄で、部屋も一緒。
・エクシあんちゃん
ビンスン兄ちゃんと同い年。ストウ村の幼馴染の一人。
・ハグリーズさん
粉挽き小屋で働いている。村一番の絶倫と評判。
既婚者。過去に未亡人と浮気し、財産が少なかったために第二夫人として迎えることが出来ず、ストウ村では「命の提出」と呼ばれる魔法代償徴収刑を受けた。
・チェッシャー
横転した馬車の近くに居たアイシス出身の猫種の半返りの女子。
あざといくらいに無防備な姿をしているが、魔法を使う。
姉のために寿命を売りにフォーリーへ向かう途中で襲撃され、なんとか逃げ切った。
チェッシャーたちの命を取らなかったリテルの唇を奪い、銀の髪飾りをくれた。
・裕福な商人
チェッシャーたちと同じ乗り合い馬車に乗っていたが、襲撃され、馬や御者と共にさらわれた。
獣種は聞き逃したが半返りらしい。
・ウォルラース
金のためならば平気で人を殺すなんでも屋。
キカイーを唆し、ディナの母を妾にさせたり、ディナを襲うよう裏で手を回していた。
支配する側の者が、欲望を刺激するだけで簡単に操られて動くのを嗤う。
最近、ラトウィヂ王国に居るらしいという噂をディナが入手している。
・御者さん
ちょっと訛ってる。
待ち伏せ襲撃犯の仲間っぽい。
・待ち伏せ襲撃犯
森の中に猿種と鼠種。
横転馬車の裏に羊種と牛種。
・マンティコラ
ラトウィヂ王国の東側に連なる「マンティコラの歯」山脈の名の由来となった魔獣。
元の世界でマンティコアとよく似ていた、顔だけ人で、体は獅子。
猫種の逆先祖返りとも呼ばれる。
尾の先には毒針があり、歯は三列に並んでいて、獣種を好んで喰らうという。
ストウ村では、子どもが夜遅くまで起きていると、マンティコラが飛んできて喰われてしまうぞ、と躾けている。
● この世界の単位
・ディエス
魔法を使うために消費する魔法代償(寿命)の最小単位。
魔術師が集中する一ディエスは一日分の寿命に相当するが、魔法代償を集中する訓練を積まない素人は一ディエス分を集中するのに何年分もの寿命を費やしてしまう恐れがある。
・ホーラ
一日を二十四に区切った時間の単位(十二進数的には「二十に区切って」いる)。
元の世界のほぼ一時間に相当する。
・ディヴ
一時間の十二分の一となる時間の単位(十二進数的には「十に区切って」いる)。
元の世界のほぼ五分に相当する。
・アブス
長さの単位。
元の世界における三メートルくらいに相当する。
・プロクル
長さの単位
一プロクル=百アブス。
この世界は十二進数のため、実際は(3m×12×12=)432mほど。
・通貨
銅貨、銀貨。
十銅貨(十二進数なので十二枚)=一銀貨




