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22

「これは一体、どういこと!」

一声叫ぶと、オリガは寝室の

端から端をせわしなく歩いていた。


ドルチはマルコの受けた陳情の数々の書類を

精読していた。


「それにしても誰に誑かされて、

こんな暴挙をしたのかしら」

微笑を浮かべたオリガの目は笑っていなかった。


「司だろう。

こんなことに知恵が回るのは、

奴しかいないだろうな」


「ドルチ、もしかして召喚者どもに

生き残りがいて、こいつを操っていることはない?」


「それはないでしょうな。

それより大した陳情はないな。

こいつらは騎士団を動かして、

早急に処置しましょう。

レガリアス聖王朝の沽券にかかわるからな」


オリガは、乱暴にペンを取ると、

陳情書へ乱雑に署名した。

それを確認すると、ドルチは再び陳情書を

受け取った。


「おい、あまり調子に乗るなよ。

おまえも俺もバレれば、首が飛ぶことを

忘れるなよ。

おまえは、見ざる・言わざる・聞かざるで

勇樹の受けるべきだった賞賛を

享受しているのだからな」


マルコはドルチの本気の殺気を受けて、

震えあがって返事をした。


「はっはひ」

ドルチに再び一睨みされて、

マルコは再び返事をした。


「はい」


マルコの返事を聞くとオリガは

言葉にならない奇声を発して、

ベッドに潜り込んでしまった。

ドルチも書類を整理すると部屋を出て行った。


完全に無視されていたマルコは、

部屋の豪奢なソファーに寝転んで眠りについた。

2人に無視され続けて、数日が経った。

オリガが戻った以上、部屋にリサを

呼び寄せることもできず、

マルコは10代の旺盛な性欲を持て余していた。

ふと廊下でリサと楽しそうに談笑している司を

見かけた。

陳情の件以来、マルコは司を恨んで、

避けていた。

二人が楽しそうに話しているのを見て、

ついかっとなり、2人に詰め寄ってしまった。

ばつの悪そうな司の表情と俯くリサを見て、

ついつい言葉が多くなってしまった。

「ふーん、2人はそう言う関係だったんだ。

知らなかったよ」


「おいおい、勇樹、何だよ、それ!

なんか誤解してるぞ。

おれはお前の愛しのリサちゃんの悩み事を

聞いていたんだぞ」


「なんだよそれ」

マルコは、語気を強めた。

リサが伏し目がちに自分を

見ていることが分かった。


「いやいや、おまえ!

オリガ様が戻ってから、

リサちゃんに声をかけてないだろ。

リサちゃん、遊ばれて、

捨てらたと思ってたんだぞ。

おまえは救国の英雄だぞ、

なんでオリガ如きに遠慮してんだよ」

珍しい司の真面目な表情と声に

マルコは驚いてしまった。

そして、リサの方を見た。

背中を丸めて、悲しそうな表情をしていた。


「あっいや。言い過ぎたな。

ごめん、勇樹、おまえにも立場があったな」

マルコは、司に肩を軽く叩かれた。

そして、近づいた拍子に司から囁かれた。

「あそこの部屋は、使われてないし、

鍵がかけられる。防音もばっちりだ。

じゃあな、俺は行くから、後はよろしく」


マルコはリサと二人で残された。

マルコは、リサの左手を掴んだ。

リサの潤んだ瞳を見た時、マルコは

強く彼女の腕をひっぱり司の言った部屋に

彼女を引き入れた。


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