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第13話 Duel②


屋内稽古場……


中央の私達2人を囲むように決闘の噂を嗅ぎ付けた野次馬達が騒いでいた。


「貴様が闘技会の選手に選ばれたのは知っている。どんな根回しをしたのか知らんが、他の選手に被害が及ぶ前に俺が潰してやる!」


インテリくんが吠える。


闘技会か……

この決闘がその予選と想定すれば少しはやる気が出そうだ。


……いやいや!

負けないとダメだから!


ライナス先生にも、ひょっとしてあの時の壁破壊は偶然だった?と思わせて、犯人扱いをせめて容疑者扱いにまで持っていかないと……



私は手にした剣を握り締めた。

今回は授業で使う模擬剣ではなく、刃のついた真剣だ。

久しぶりに持つ真剣を自分に振り下ろす衝動を抑えつつ、不自然に思われないように負けなければいけない。

中々の高難易度ミッションである……



「相手が降参するか、戦闘不能になったら勝負ありだ。決闘なんだから死んでも文句言うなよ」


審判のライナス先生が私達に確認する。


……決闘って死の覚悟が要るものなのね。

インテリくんが気軽に言ってきたから、喧嘩みたいなものかと思ってたわ。


「怖じ気づいたか?令嬢は大人しく茶会でもやっていれば良いのだ!」

「今貴方は全世界の令嬢を敵に回しましたわよ♪」

「ふん!所詮権力や親の力に縋る半端者だ。戦争などになれば最後に物を言うのは武力!反論したければ、俺に勝つ事だな!」

「分かりました。では、貴方の望む通りに……」



私の返事を合図に、10mはある間合いをインテリくんは一足で詰めて、そのまま横薙ぎに一閃。

私は構えていた剣を動かせなかったため、その一撃を運良く防ぐ事が出来た。



「……受け止めたのは運だろうが、何故剣を手放していない?威力が足りなかったか?」


一旦離れた間合いを再度詰めて来て鋭い袈裟斬り!

剣での反応が遅れたため左腕を深く斬られた。


「……何だ?やはり、ど素人では無いか♪こんな奴に我々は何をビビっていたのだ!」

「……………」

「まあ良い。この後はターニャを俺の物にする予定だ。勿論拒否などさせん!力ずくで従わせてやる!友の泣き叫ぶ姿を精々指を咥えて見ている事だな♪」



ガキン!!!


「何の音だ?……剣が曲がった?だ、だが最早どうしようもあるまい。情けなく降参することだな♪」

「……もう良いわ。あなたを今からサンドバックにするから喋らないで頂戴」


私は曲がった剣を投げ捨てて、丸腰のままインテリに近付く。


「……どうやら死にたいらしいな」


刺突が右胸を貫通する。

私はそのまま剣に胸を埋めて前進し、インテリの両肩を掴んだ。


「な、何故倒れない!?」


そして、そのままインテリの顔に頭を打ち付けた。


ガン!!!


「ぐあっ!!……痛くない?」


ガン!!!


「や、やめろ!回復させて何の意味がある!」


ガン!!!


「ひ、ひい!」


ガン!!!


「うわあああああ!」


ガン!!!


ガン!!!


ガン!!!



気付くとライナス先生に肩を掴まれていた。


「……先生。これは決闘なのでは?」

「戦闘不能で終わりだと言っただろう。もう気絶してる。あと、ターニャが不安そうに見てるぞ」


ターニャさんがビクビクしながらこちらを見詰めていた。

私が笑顔を見せると、彼女もハッとした後に満面の笑みを浮かべてくれた。

良かったわね、インテリくん。彼女の可愛さに免じて許してあげるわ。



「結局の所、噂の犯人はお前なんだな?」

「……はい」

「指導室で待ってるぞ」

「……はい」


勝負に勝って試合に負けたとは正にこの事だわ!

メンタル蘇生のために、後でターニャさんをわしゃわしゃさせて貰おう♪



周りが静寂に包まれていたので見渡すと、全身血だらけで胸に剣を突き刺したままの私を見て、野次馬達はドン引きしていた……








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