第14話 Bloody Destroyer
遅刻して人気の無い廊下を歩いていると、目の前に見知らぬ男子生徒が立ちはだかった。
「お前がハーベストか?」
「……そうですが、何かご用でしょうか?」
「何が『血塗られた破壊の女王』だ!ただの女ではないか!!」
私の2つ名がパワーアップしていた!
まあ、女王になっているから許してあげるわ。
それにしても、この学園ってこう言う輩が多いのかしら?
因みにインテリくんはあれ以来学校に来ていない。
外傷は全く無い筈なんだけど。
「用が無いのであれば先を急ぎますので、失礼致しますね」
「まあ待て。良く見るとお前、美しいではないか♪」
男は徐に私の顎を手に取り、至近距離で顔を覗き込んで来た!
ひい~~~~~!
むりむりむりむり!!!
ゴッ!
ズガン!!
鼻への一発の後、低くなった後頭部への一撃で男は床に沈んだ。
いくらイケメンでも初対面でする事じゃないわよ!?
パーソナルスペースって言葉を知らないのかしら?
鳥肌が立っちゃった……
早く立ち去ろう!
……でも、今更教室に行っても起こられて終わりね。
次の授業からにしましょう!
私はサボる事にした。
私が中庭のベンチで座って休んでいると、真っ白な髪をした一人の女子生徒が近付いて来た。
「貴女が『血塗られた破壊の女王』?」
何回も聞くと恥ずかしくなってくるから止めて欲しい……
「いえ、私ではありません。人違いだと思います」
「そう。どこに居るか知らない?」
「そう言えば、魔物の巣って言うダンジョンに行くって噂が……」
「ありがと。探してみる!」
「気を付けて下さいね!」
女子生徒は行ってしまった……
それから、日を跨いでも私が1人になるとあれこれと文句をつけてくる輩がやって来て大変だった。
私が丁重にもてなすと、皆大人しく横になって休んでくれたので助かったが。
入る学園間違えたかな……
放課後リース先生に呼ばれた。
「ティアさん。最近、闘技会に参加する予定だった選手が次々と闇討ちされたり失踪したりしてるっぽいの!貴女も十分に注意して頂戴!」
「物騒ですね。私も1人にならないように気を付けておきますわ」
「お願いね。……優勝候補のミオンさんも居なくなっちゃうし。闘技会開催出来るのかな?」
「先生?」
「ああ、ごめんなさい。愚痴っぽくなっちゃって。ティアさんは気にしなくて良いからね」
「はい。では、失礼します」
教職員室を後にする。
本当に物騒な学園だわ。
私も気を付けなくちゃ!
「ターニャさん、一緒に帰りましょう♪」
「ティアさん!」
ターニャさんと手を繋いで帰り道を歩く。
はあ~♪ターニャさんの全てが癒しだわ~♪
「……それで、お母さんがティアさんの事をティア様って呼ぶんです!私だって様付けしたいのを我慢してるのに!」
「様付けは止めてね……」
雑談しながら歩いていると、誰かに尾けられているのに気付いた。
まさか!闇討ちの犯人!?
「ターニャさん、私達は今尾行されているみたい。びっくりしてはダメよ。小声で話してね」
「……はい」
「そこの曲がり角で私が仕掛けるわ。ターニャさんは物陰に隠れて頂戴」
「分かりました。ティアさんも気を付けて下さいね」
曲がり角を曲がると私はしゃがみ込む。
後は犯人が曲がった瞬間に……
「食らいなさい!」
「くぼあ!!」
成功したわね!
急に襲いかかる人間ミサイルには反応出来なかったようだ。
倒れた犯人を見る。
ライナス先生に良く似ている……
と言うか、ライナス先生!?
「痛たたた……」
「ま、まさかライナス先生が犯人だったなんて!確かに学園の中での犯行だし、都合が良かったんですね!」
「待て!話を聞け!」
「現行犯ですわ!大人しくお縄に付いて下さいませ!ターニャさん!衛兵さんを呼んで来て下さい!」
「は、はい!」
「た、頼む!話を聞いてくれ!」
「今更逃げる隙を与えるとでも?少しでも動けば先程の人間ミサイルをまたお見舞いしますわよ!」
私が逃げないように威嚇していると衛兵さん達がやって来た。
ライナス先生はその場に押さえつけられ、衛兵の詰所に連れて行かれた。
「良い先生だと思っていましたのに……」
「ライナス先生……」
落ち込むターニャさんを家に届けて、私も寮に帰った。
今まで学園の生徒達を騙していたのだ。
それ相応の処罰が必要だろう。
翌日……
学園長室に呼ばれた。
そこにはライナス先生が!?
「学園長、危険ですわ!早くその男から離れて下さい!」
学園長は頭を抱えていた……




