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第12話 Duel


「本来であれば授業を始める所だが……。今から、学園生を語る何者かが王都の外壁の上から何回も飛び降りたという噂について話をする」


先生は何者かと言っているのに、既に数人のクラスメイトは私の方を見ていた。


途中でターニャさんと目が合う。

彼女は微笑んで胸の前で小さく手を振った。

……可愛過ぎて家で飼いたくなった。



でも、不味いわ……

誰かに迷惑をかけた訳ではないが、学園のイメージを貶めた責任を取らされるかもしれない。

罰則や罰金なら平気だが、最悪退学もありえるわね。


嘘を付いてもどうしようもないだろう。

ここは奇行を正当化するしか……


「先生!犯人の特徴とかは分からないんですか?」


男子生徒が余計な事を口走る。

大体、犯人って何よ!外壁から飛び降りるのは罪なの!?


「ああ、それがな。性別は女で、頭から地面に突っ込んでいったらしい、しかも無傷でそれを繰り返したそうだ……」


クラスメイトの視線が突き刺さる……

このままでは犯人扱いされてしまうわ!


「先生、1つ宜しいでしょうか?」

「何だ?言い訳なら指導室で聞くぞ?」


せめて疑って欲しかった……


「先生は人生において乗り越えなければならない壁が立ち塞がった時、如何なさいますか?」

「……そうだな。先ずは迂回して先に進めないかを確認する。それでもダメだったら、一旦考えを整理して策を練る。最終的にどうにもならないなら壁が消えるのを待つだろうな」

「素晴らしいお答えですわ♪そうです!私達は知恵を持つ人間!頭を使って問題を解決し先に進むのです!私がやった事は何も間違ってはいませんわ!」

「犯人は皆そう言うんだ。諦めろ」

「冤罪ですわ!私は何者かに嵌められたのです!」


私が悪足掻きしていると、モノクルをした男子生徒が立ち上がった。

名前は確か……インテリくんだったかな?


「ハーベスト嬢、見苦しいぞ。貴殿には品性の欠片も無いのだから、大人しくお縄につくがいい!」


品性の欠片も無いのと逮捕されるのに何の因果関係が?


「インテリくんの言うことは筋が通っていませんわ!」

「誰がインテリだ!俺の名前はリデリーだ!……もう我慢の限界だ!ハーベスト嬢、俺は貴殿に決闘を申し込む!」


インテリくんは懐から白い手袋を取り出して私に投げつけてきた。

私がそれを弾くと教室脇に置いてあるゴミ箱に吸い込まれて行った……


……私のせいじゃないわよ。


「ぐぬぬ。どこまでも愚弄しおって!どうせ、この前の壁を壊したのも何か事前に仕込んでいただけだろう。今回の件も、皆の注目を集めるための虚言に過ぎない!皆騙されるな!」


あら?良い流れが来てるじゃない!


「それでは、貴方が私に勝って全てを証明するおつもりですのね?」

「そうだ!今日の放課後、屋内稽古場に来い!」

「分かりました。不本意ながら私も自身の名誉のために戦いますわ!」


外野が変に盛り上がり、収拾がつかなくなる。


これはインテリくんに感謝だわ。

後は私が決闘に負ければ、全てが私の虚言扱いになり真実は闇に葬られるわ!



だから先生、私をじっと見詰めるのは止めて頂けませんか……







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