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白の完全無欠  作者: 広瀬コテツ
帝国編
94/105

エリーのお仕事2



 こんにちは皆さん。お久しぶりです。私、エリーです。皆さんも知ってるとは思いますが現在私は大変な任務についております。

 シロー一味(これだと悪者みたいですね)の監視です。最近彼らは帝国に入ってしまったので私も泣く泣く王国から帝国へ来ました。とりあえず感想としてはランド大橋すごかったです!

 それで今はハルシヲンという街で監視という名の観光をしている所です。ふふふ、ここにはあの魔王もといサリー先輩の手が届かないから自由で………あれ?<光字>が届きました。

『サボったら抉るbyサリー』


「…魔王はやはり魔王でした…」

それでも私は屈しません。だいたい私は国に勤めてるんです。つまり公務員ですよ。なので五時にはお仕事終わりですから!というか抉るってどこを抉るつもりなんでしょうか?

「さて…そろそろ私もこの街を出ますかね~」

そうなんです。実はシロー一味はすでにもうこの街を出てしまっているんです。いつまで経ってもシロー一味が起きて来ないからちょっと息抜きでお買い物に出たらその間にいなくなっちゃってたんです。まぁ行き先は帝都メサイアだって分かってるからあまり問題はないんですけどね。

「…っ!?」

不意に私は殺気を感じて思わず飛び退きました。殺気がした方向へ視線を向けるとそこに一人の女性が立っていました。

 ボサボサの茶色の髪に死んだ魚のような眼。身長は女性にしてはかなり高く180センチくらいでしょうか。良くも悪くもスレンダーな体型です。服装もだらしなく着崩しています。全体的に見ればただの残念な女性ですがかなりの美人です。何故か桃色の眼鏡を掛けています。かなり似合ってないです。

「君がシロー一味を監視している王国の人間かい?」

眼鏡をくいっと上げながらその女性は尋ねてきました。どうやら私の素性も知っているようです。こんな街中で戦闘を行う訳にもいきませんからとりあえず隙を見て逃げる事にしましょう。

「そうです。貴女は?」

ダメもとで私も尋ねてみます。すると意外にもあっさりと返事が返ってきました。

「私も君と同じだよ」

「私と同じ?という事は貴女も…」

「そうだ。レズだ」

「違いますよ!!!私はレズじゃないですよ!!」

これだけのやり取りで分かりました。相手はかなりの手練れです。何せこの私があっという間に相手のペースに巻き込まれてしまいましたから。

「ふむ、なんだ違うのか。それば残念だ」

そう言った瞬間彼女の姿が一瞬ブレた後、消えました。

「…っ!?どこに…」

「せっかくのいい胸なのに」

いつの間にか私の後ろに現れていた彼女に胸を思い切り鷲掴みされました。

「ひ、ひゃあ!!??」

変な声が出てしまい周りから注目されてしまいました。視線が痛いです。

「安心しな。危害は加えない。私も君と同じ監視役だ。違いは王国か帝国かの違いさ」

気さくにそう言ってウインクしてから私を離す彼女。

「そうですか。まぁここで敵対はしたくないので有り難いですが」

私では彼女に適いそうにないので危害を加えないというのはかなり有り難いです。最もまだ完全に信用した訳ではないですけど。

「でしょ?そるに監視役ってつまらないから。どうせなら一緒に行動した方が楽しくていい。という訳で私の名前はリン。よろしく」

「私の名前はエリーです。まだ認めた訳ではありませんがとりあえずよろしくお願いします」

わざわざ敵対する理由もないですから素直に受け入れました。決して独りで淋しかったという訳ではありませんよ!一緒にお買い物出来たらなぁ~なんて微塵も思っていませんでしたし!

「よろしくエリー。それで君は何でまだこんな所にいるんだい?」

「ちょっと色々あったので…」

眼を逸らして答える私。うっかりして見逃しましたなんて言える訳ないですからね。

「まぁいい。とりあえず追おう」

リンが歩き出したので私もそれについて行きます。なんだかさっきからずっと主導権を握られっ放しですね。

「私をそんなに見つめてどうしたエリー?欲情したか?」

「してないですよ!!」

私にも仲間(?)が出来たのは嬉しいですが痴女というのは残念です。

「何だつまらん。ちなみに私は欲情しっぱなしだ」

リンさんはまた眼鏡をくいっと上げながら言いました。眼鏡を上げるのは決めポーズなんでしょうか。とりあえず言える事はリンさん怖いです。私は何だか無事にこの任務を終えられるか不安になりました。


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