エリーのお仕事1
こんにちは。私、エリーです。今サリー先輩の命令でギルドに来ています。サリー先輩は人使いが荒いので私たちメイドズはいつもビクビクです。しかも今回は姫様からの依頼らしいので断るに断れません。
それで今回の命令ですがとある人物の調査のようです。黒眼黒髪の男性で、二つ名が最速王という人らしいです。なんか最速王ってあんまり格好よくないですよね。多分最速っていう位だから鳥みたいにキツい顔立ちでひょろひょろなんじゃないでしょうか?妄想もとい想像が膨らみます。
「すみませ~ん。お聞きしたいことがあるんですけどぉ」
私はやや控え目に受け付けの人に話し掛けます。なんだか周りの人たちからすっごく注目されています。冒険者の人たちはゴツい人が多いので怖いです。やはりこんな所にメイド服で来たのは失敗でした。目立っていけません。先輩許すまじ。
「はい、どうかしましたか?」
「あの~、最速王って人に会いたいんですがぁ」
「申し訳ありませんが当ギルドでは依頼以外での冒険者の紹介を禁止しておりますので」
笑顔で絶対拒絶オーラを放っている受け付けの人。怖いです。最近は怖いものだらけですよっ。
「そ、そこを何とか…」
「申し訳ありません」
さすがプロです。受け付けの鑑です。でも私も仕事です。いくら相手がキングオブ受け付けでもやらねばならいのです。
「お願いし…」
「申し訳ありません」
「お願」
「申し訳ありません」
「…」
「申し訳ありません」
お母様、都会は怖い所です。話も聞こうとしてくれません。もう私は田舎へ帰りたいです…。まぁ本当はアステリ出身ですけどね☆
うう…仕方ありません。諦めて大通りの方で地味に聞き込みでもしますか。ギルド怖いですし。私はクルッと華麗かつ優雅にターンして走り出そうとします。
ドンッ
思いっきり失敗して人にぶつかっちゃいました。
「大丈夫か?」
私はぶつかった相手がゴリラみたいに怖い人でないことを祈りながら恐る恐る顔を上げてみます。
「え?」
なんと!そこにいたのはまさに渦中の人物、最速王その人でした。間違いあらません。黒くて鋭い眼に艶やかな黒い髪。かなりのイケメンです!も、ももももももしかして、これが恋ですか!?恋なんですか!?
「お~い?」
最速王さん(←急に親しげになった)が私の顔を覗き込んできます。ち、近いです!近いですから!
「だだだ大丈夫ですっ!い、いつの間にいらしたんですか?」
「いや最初から」
「はへ?」
「だからお前がギルドに入ってきた所から」
という事は私がここに入って来た時には既に最速王さんはここにいたのですか。なら私のあの恥ずかしい駄々こねている所もバッチリ鑑賞済みなのですか!?
「な、何で始めに声を掛けてくれなかったんですか!!」
「いや知らない奴が自分を探してたらとりあえず様子をみるだろう」
正論でした!
「それで俺に何の用事だ?」
そうでした。私は悪逆非道のサリー先輩に命令という名の脅しを受けていたのでした。
「あ、貴方の事がもっと知りたいんですぅっ!」
一瞬でギルドが沈黙に支配されてしまいました。どうしたのでしょうか?
って、私の台詞が原因じゃないですか!?あれじゃあまるで私が告白してるみたいじゃないですか!!ち、ちちち違いますよ!違うんですよ!確かに最速王さんは格好いいですけど、まだ告白とか早いですよ!もっとこう街中で偶然で出会って二人で買い物とか、そういうのをしてから告白ですよ!!
あわわわわ!!誤解を解かなきゃ。そうですよ、これは仕事です仕事仕事。
「あ、あのさっきのは違くて………ってええ!!??」
いつの間にか最速王さんがいなくなってるじゃないですか!ビックリですよ、横暴ですよ。私が出口の方を見ると既に最速王さんが扉に手を掛けています。
「ま、待ってくださぁーいっ!!」
私は慌てて彼を追い掛けます。彼が出て行った扉を通り、ギルドの外に出ます。しかしそこにはもう彼の姿はありませんでした。
「そう…。最速王さんは紳士でもなく意地悪でもなくミステリアスだったのですね……」
この後、事のあらましをサリー先輩に報告したらこっぴどく叱られました。はい、次は頑張ります…。もうお説教は嫌ですから…。
サブキャラ大切
王女派にはこれから頑張ってもらう予定です
主に主人公一行が暴れた後処理を(笑




